東京グレートベアーズは、2022年6月に発足し、2022-23シーズンよりV1リーグに参入する男子プロバレーボールチームです。東京を拠点とし、渋谷区をホームタウンのひとつとして活動していくグレートベアーズの「クラブビジョン及びユニフォーム発表会」の様子をレポートします。
発表会は9月8日、ウェスティンホテル東京で開催されました。ホテルの豪華な内装にちょっと気後れしつつ会場に入ります。驚いたのは、報道陣のカメラの多さ。後方にぎっしり並ぶ様子に、グレートベアーズへの関心と期待が感じられます。
バレーボールを通じて、世界をつないでいく存在に
発表会は、FC東京を引き継ぎ、新たなチームとしてグレートベアーズを発足した株式会社ネイチャーラボの久保田健司代表の挨拶から始まりました。
「グレートベアーズ」というチーム名の由来は、星座のおおぐま座とのこと。おおぐま座の中の北斗七星のように、選手とサポーターが7つの星としてつながり、バレーボールを通じて人や地域、世界をつないでいく存在になることを目指しているそうです。
グレートベアーズのクラブコンセプトは、「VOLLEYBALL DREAM (バレーボールドリーム)」。
選手だけではなく、バレーボールを通じて夢を叶えたい人たちのためのクラブとして、バレーボール界やスポーツ界の発展に貢献していくことを目的としています。
「スタッフ、コーチ、選手、ファン、サポーター、スポンサー、パートナーの夢を叶えるだけではなく、クラブの存在によりバレーボールに関心を持ち、夢を持っていただき、その夢をクラブで叶えていく。そんな存在になるという宣言を VOLLEYBALL DREAM に込めています」という、久保田代表の力強い言葉が印象的でした。
クラブ理念は、「ひとに強さを (STRENGTH TO HUMANITY)」。
バレーボールを通じて、「勝利への執着心」「諦めない意志」「チームワークの大切さ」を社会に発信していくとのこと。「ひとに強さを」はネイチャーラボの企業理念でもありますが、ネイチャーラボの商品や広告では発信できない、スポーツを通じてだからこそ伝えられる大切な概念がこの3つであるという久保田代表のお話でした。
一流のクリエイター陣と伝える「バレーボールは楽しい」
活動方針は、4つの観点から詳しく説明がありました。
1.クリエイティブインパクト
2.世界視野
3.収益活動
4.東京と共に
中でも、「クリエイティブインパクト」のクリエイター陣の豪華さには驚かされました。デザイン、写真、映像、音楽、アニメーションなど、バレーボールの楽しさや魅力をクリエイティブなメディアの力を借りた発信が「クリエイティブインパクト」の意図すること。
全体を統括するのは、日本を代表するアートディレクターである小杉幸一さん。チームのテーマソングは東京スカパラダイスオーケストラ、アニメ制作は呪術廻戦を手掛けるMappa、など次々と一流のクリエイターが紹介されました。
「心強いパートナー、クリエイターの皆さんと一緒に『バレーボールは楽しい。バレーボールは魅力的だ』を伝えていきます!」との自信あふれる宣言にワクワクしました。
エンターテイメントの超激戦区 東京で存在感を示す
また、「収益活動」を明確に挙げているのも興味深かったです。クラブの持続的な運営のため、スタッフ・選手の別なく収益を担うプロの一員として自覚を持つとのこと。これには、スポンサーの獲得や興行収益なども含まれます。
「選手一人ひとりが自覚を持ち、SNS発信やホームゲームの集客、スポンサーへの感謝も仕事として取り組んで参ります」とのこと。
クリエイターの力に頼るのではなく、選手の皆さん、スタッフの皆さんが一丸となって盛り上げていく心意気を感じます。確かに、選手のコメントは、たとえ一言でもファンにとっては気持ちが上がるもの。インスタグラムやTwitterは要チェックです。
「東京と共に」では、集客エンターテイメントの超激戦区である東京において、ホームゲームを開催し、存在感を表していきたいとの決意が語られました。
有明コロシアムや東京体育館など、国際大会も行われる会場は、東京都の協力も得て押さえたそうです。夢のアリーナでのホームゲームは、東京拠点で活躍する各業種の企業がスポンサーとなって、開催されます。
10月29日(土)のホーム開幕戦は、東京体育館にて、俳優/監督の斎藤工さんが始球式に登場されるとのこと。華やかなオープニングセレモニーが楽しみです。
「夜空」のネイビーブルー、「情熱」のピンク、「光」のイエロー
新ユニフォームのお披露目には、4名の選手が登壇しました。
ネイビーブルーのホームユニフォームを着用した、チームの顔とも言える手原紳選手と、期待の新戦力である星野秀知選手。
ピンクのアウェイユニフォームを着用したのは、キャプテンの古賀太一郎選手と、日本代表選手でもある山田大悟選手です。
この新しいユニフォームのデザインを手掛けたのは、前出のクリエイティブディレクター、小杉幸一さんです。
ネイビーブルーは「夜空」のイメージと意思の強さを表し、ピンクは「情熱」「炎」「好奇心」のイメージとアクティブさを表しているそう。散りばめられているイエローは「星」のイメージと人々を明るく照らす「光」、そして「幸せ」を表現しています。
どちらも鮮やかで、前面、背面と向きを変えて撮影に応じる選手の方々が輝いて見えました。オーセンティックユニフォームはオフィシャルストアで購入が可能とのことです。
最後に、真保綱一郎監督、マルキーニョスコーチ、選手の皆さまも登壇したフォトセッションを終え、発表会はお開きとなりました。
「始動」の熱気に満ちていた、クラブビジョン発表会
グレートベアーズは、消滅の危機にあった「FC東京」を株式会社ネイチャーラボが譲り受け、新しく生まれ変わったチームです。存続に尽力したFC東京で活躍していた選手と、新たなチームの可能性にかけて入団した選手が一体となり、今月開始の2022-23 V.LEAGUE Division1に参戦します。
発表会は、「チーム始動」の熱気に満ちていました。
今回、グレートベアーズのクラブコンセプトや理念、活動方針を聞き、関わる人達や企業の多様性や数の多さを知りました。プロスポーツチームの運営とは、試合の勝負だけが重要なのではなく、スポーツ界の発展や社会貢献にまでつながる大きな事業なのだと再認識しました。
バレーボールを通じて人や地域、世界をつなぐ存在を目指すグレートベアーズ。今後の活躍が本当に楽しみです!
谷井百合子(たにい・ゆりこ)
会社員からライターへ転向。腰の軽さと興味に乗っかる行動力で、ビジネストレンドやブックレビュー、食や旅にも題材を広げている。
興味のあるジャンルは、カフェ、本、料理、工芸、建築、など。渋谷界隈で出会った美味しいものや素敵なものを、テンションの上がった気持ちものせてご紹介します。