こんにちは、中学生ライターのたいちです。
ぼくは、学校の友人たちと、「鉄道同好会」という非公式のグループを作っています。普段はグループチャットで鉄道に関する雑談をしたり、それぞれが撮影した鉄道車両の写真や発車メロディーの音声データを送りあったりしています。
チャットに飛び込んできた衝撃のニュース
1月のある日、グループチャットに衝撃のニュースが飛び込んできました。
「田都(東急田園都市線のこと)のダイヤ改正がやばい」
「ダイヤ改正の一体どこが?」と思うかもしれません。でも、鉄道に興味がない人も、「春のダイヤ改正」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。各鉄道会社は、不定期にダイヤ改正を行っています。多くの場合は小幅な変更に止まるのですが、どうやら今回の東急線は、大幅な変更になったようなのです。気になったのでまずは、東急電鉄のプレスリリースを確認してみることにしました。
今回の改正ポイント(プレスリリースの内容まとめ)
①終電が繰り上げになる!!
こどもの国線を除く全線で終電を繰り上げ、保守点検のための時間をより多く確保し、ホームドアなど増えた設備の点検に使う。
②運行ダイヤが適正化される
東横線を除く全路線で、日中時間帯を中心に、運行ダイヤの適正化を行う。(東横線と田園都市線は深夜時間帯も適正化を行う。)
③平日朝一部列車が速達化される!!(1-5分程度)
※速達化とは、簡単にいうと、停車駅を減らしたり、電車のスピードをあげることで、駅から駅までの走行時間が短くなることです。
そもそも、ダイヤ改正ってなんでやるの?
プレスリリースを読み込んでいくと、今回のダイヤ改正の要点が見えてきました。
特に気になったのは日中時間帯のダイヤの変更です。
・田園都市線で1時間あたり2本の減便
・大井町線は2本・大井町線・こどもの国線は1時間あたり3本程度の減便
となるようです。
しかし、特に田園都市線は首都圏の混雑率ランキングトップ10の常連であり、コロナの件があるとはいえ、減便することはないだろうと思っていました。
減便の理由には「お客様のご利用動向の変化」と書いてあります。それはどういうことなのでしょうか。そして、一度減便したら、もう元には戻らないのでしょうか?
まずは、駅員さんに聞いてみました
それ以上のことはプレスリリースからは読み取れません。こうなったら直接聞いてみるしかない! とはいえ、誰にどうやって聞いたらいいのでしょうか。まずは駅に行って、駅員さんに聞いてみることにしました。
さらっと書きましたが実は初のインタビューです。内心緊張しながら、乗降客がいなくなった隙を見はからって、声をかけてみました。
(ぼく)「お忙しい中すみません。ちょっといいですか」
(駅員さん)「はい、なんでしょうか」
(ぼく)「先日出たダイヤ改正のプレスリリースに関して質問したいことがあるのですが、いいですか?」
駅員さんは「答えられる範囲のことならば」と快諾してくださいました。ところが!
(ぼく)「減便の理由に『お客様動向の変化』とありますが、具体的にはどんなことですか?やっぱりコロナのことですか?」
(駅員さん)「僕が思うには、コロナのこともあると思うけど。詳しいことはちょっと分からないなあ」
もしかしてここで早速インタビュー終了!? しかし、優しい駅員さんが「ここに問い合わせたらどう?」とお客様センターのURLが書かれた紙をくれました。なんとかつながった!
サイトから問い合わせてみました
いただいた紙に記載されていたサイトからお客様センターにアクセスし、質問したいことを記入して送りました。
1. ダイヤの適正化の「お客様のご利用動向の変化」とは、何を指しますか。
(コロナの影響かなと思っているのですが、実際に、減便対象の平日・土休日の日中は乗降客数が減っているのでしょうか。)
2. 全線減便されていますが、減便することの利点は何ですか?会社にとっての利点、利用者にとっての利点をそれぞれ教えてください。
3. コロナの影響で減便になったとのことですが、コロナ収束後、増便の可能性はありますか。
2日後、メールボックスを開いてみると。
お客様センターからの返信が届いていました!! 返事をもらえるとしても1週間後くらいかなと思っていたので、そのスピードにびっくりしました。
お客様センターの方は、ぼくの質問に丁寧にわかりやすく答えてくださっていました。返事をもらえるかどうか自体が心配だったので、とてもうれしかったです。
「この感動を記事にして届けるぞ!」
と思ったまさにその瞬間。メールの最後にこんな一文があることに気づきました。
「なお、回答内容を転用、二次使用することは固くお断りいたします。」
これは思わぬ展開です。取材の道は厳しかった・・・。
社会の変化への柔軟さがダイヤ改正につながる
このままだと悲しい感じで記事が終わってしまうので、回答を読んでみての、ぼくの感想をお伝えします。(中にちょっとだけ要点も含まれているかもしれません。)
今回のダイヤ改正は、「お客様動向」つまり、乗降客数の変化に伴うものです。減便というと不便なイメージがあるかもしれませんが、たとえば、保守作業の時間を拡大できるため、安全性が向上します。さらに、今回は混み合う夕方時間帯は逆に増便を行っていて、乗降客の動きに合わせたダイヤ改正になっていることがわかります。
今回問い合わせをしてみて、鉄道会社が、社会の状況に合わせて柔軟に対応していることがわかりました。東急線は自社だけで8路線、乗り入れの各社も含めるとさらにたくさんの路線を抱えています。ダイヤ改正には非常に多くの手間がかかっていることは想像にかたくありません。そんな手間をおしまず、乗降客の利便性向上を目指してくれている鉄道会社のみなさんに、これまで以上の敬意を抱いています。
今回渋谷散歩新聞で東急線のダイヤ改正のことを取り上げたのは、渋谷で散歩する最初の一歩は多くの人にとって、「渋谷駅に来る」ところからのスタートだと思うからです。渋谷の散歩は鉄道と切っても切れない関係にあります。東急線沿線のかたもそうでないかたも、この春、電車に乗って渋谷の街を訪れてみてもらえたら嬉しいです。
たいち
都内に住む中学生。小学校時代の塾があったので、渋谷には週に3日は通っていました。鉄道、歴史がもとから好きで、最近アウトドアに興味が出てきました。中学生になって行動が自由になってきたので、これからいろんな所に行ってみたいです。