こんにちは。中学生ライターのたいちです。
みなさんは「渋谷ダンジョン」という言葉を聞いたことありますか? 再開発で迷路のようになった渋谷が、今、「ダンジョン」、「ラビリンス」と呼ばれているそうなのです。(実際に、渋谷駅を舞台にし「渋谷ダンジョン」というRPGゲームもあります。)
僕はふだん道に迷うことはほとんどないのですが、渋谷駅だけは違います。ちょっと違う道で行こうとすると、すぐに迷ってしまいます。
鉄道、駅好きとしてはぜひあの渋谷ダンジョンを攻略してみたい! それが、今回の記事のテーマです。
渋谷駅はなぜごちゃごちゃしているのか
なぜ渋谷駅はダンジョン化してしまったのでしょう。それには大きく分けて3つの理由があります。
まず、渋谷は巨大ターミナル駅であるため、同一路線間でも複数の乗り換え方があり、乗り換えが複雑であること。次に、「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷マークシティ」「渋谷ヒカリエ」など、商業施設が多く、それらの施設と渋谷駅を、地下通路やペデストリアンデッキでつないでいること。そして、「渋谷再開発計画」の存在です。
渋谷駅の駅前各施設の老朽化や、地上の混雑といった問題を改善し、渋谷をこれからも人の集まる場所にするために、今、9つの地区を再開発する計画が進んでいます。本格的に始まったのは2012年の「渋谷ヒカリエ」の竣工から。「50年、100年規模」と言われた再開発ですが、2021年5月時点で残り2地区。つまり、渋谷駅はまだまだ変化の途中なのです。
まずは4つの方面を押さえる
さっそく渋谷駅に向かい、2時間ほどかけて歩き回りましたが、さすがダンジョン、全容がつかめません。しかし、徐々に見えてきたのが、「渋谷駅の出口が、主に4つの方面に分かれる」ということです。
「スクランブルスクエア方面」渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム
「宮益坂下交差点方面」渋谷ヒカリエ、MIYASHITA PARK
「西口方面」西口バスターミナル、渋谷マークシティ、渋谷フクラス
「ハチ公口方面」渋谷スクランブル交差点、センター街、SHIBUYA109
この4方面を押さえれば、かなりわかりやすくなりそうです。
それではさっそく、各方面について見ていきましょう。
スクランブルスクエアを制する者は渋谷ダンジョンを制す
渋谷ダンジョンを攻略したいと思った時に、まっさきに押さえるべき場所があります。それは「渋谷スクランブルスクエア」です。明治通りと玉川通りに接しており、鉄道でいうと、昔の東横線渋谷駅、昔の銀座線渋谷駅があったあたりに建っています。
渋谷スクランブルスクエアは商業施設ですが、「スクランブル」という名が示す通り、ここで渋谷の東西をむすぶルートが交差しています。
3階:JR、井の頭線、銀座線に接続
2階:渋谷ヒカリエ、渋谷ストリームに接続
地下2階:東横線、田園都市線、副都心線、半蔵門線に接続
このように、各階が各路線の改札や他の商業施設に接続しているのです。
もし渋谷駅近辺で迷ってしまったら、まずは「渋谷スクランブルスクエア」を目指すことをおすすめします。
A 井の頭線→渋谷スクランブルスクエア
「中央改札」を出てしばらく直進します。思わずエスカレーターで地上に降りたくなりますが、直進してください。
壁画「明日への神話」の下をくぐります。
そのまま直進していきます。(ちなみに右に行くと、西口のペデストリアンデッキにつながります)
階段をのぼり、JRの中央改札を右に見ながら、さらにもう一度階段をのぼります。
そのまましばらく行くと、渋谷スクランブルスクエアの3階部分が見えてきます。
井の頭線から渋谷スクランブルスクエアまでは、距離があり、階段もあるので少し複雑です。でも、慣れてしまえば大丈夫。ポイントは「すぐに地上に出ようとしない」「明日への神話をくぐってひたすら直進」の2点です。
B 銀座線→渋谷スクランブルスクエア
銀座線には「スクランブルスクエア改札」という強い味方があります。ここを出てしばらく行くと、渋谷スクランブルスクエアの3階に到着です。
C JR→渋谷スクランブルスクエア
中央東口改札を出ます。JRは改札が複数あるので気をつけてください。渋谷スクランブルスクエアに近いのは、「中央東口改札」です。ここを出れば、すぐ渋谷スクランブルスクエアです。3階と接続しています。
D東急線・半蔵門線・副都心線→渋谷スクランブルスクエア
このチームのみなさんは地下から地上まで上がる必要があります。しかし、地下の案内板を見ながら進めば心配ありません。
渋谷スクランブルスクエア方面へ行くには「B6」出口を目指します。B6出口を目指して歩いていくと「SHIBUYA SCRAMBLE SQARE」のゲートが見えてきます。エスカレーターで上がると、渋谷スクランブルスクエアの1階に出ます。
ちなみに、渋谷駅周辺には「渋谷○○」がたくさんありすぎて混乱しますが、そのうち「渋谷キューズ」はスクランブルスクエア内にあるフロアで、「渋谷ストリーム」は別のビルですが2階でつながっています。やはり、渋谷ダンジョンを制するにはまずスクランブルスクエアからだと言えるでしょう。
「宮益坂方面」へのルートは大きく3種類
続いて宮益坂交差点方面。渋谷ヒカリエが中心のエリアです。再開発中の宮益坂口に向かうルートは3つ。
A ハチ公広場、JR山手線の高架下を通るルート(井の頭線)
B 渋谷スクランブルスクエアを通るルート(銀座線、東急線・半蔵門線・副都心線)
C 駅から直結(JR)
となっています。
A ハチ公広場、JR山手線の高架下を通るルート(井の頭線から)
「中央改札」を出て直進し、マークシティのエスカレーターで地上に出ます。
地上に出たら横断歩道を渡り、左手に進むとハチ公広場が見えてきます。ハチ公広場を回り込むように進むと、JRの高架下が見えてきますので、そこをくぐります。
この先に、宮益坂交差点があります。
B 渋谷スクランブルスクエアを通るルート(銀座線、東急線・半蔵門線・副都心線から)
まず、それぞれの方法でスクランブルスクエア方面に向かいます。
・銀座線の場合は「スクランブルスクエア改札」を出ます。
・東急線、半蔵門線、副都心線は「B6出口」へ向かいます。
スクランブルスクエアの1階から地上へ出ます。
銀座線の高架をくぐり、矢印の方向に進んでいくと、宮益坂下交差点に着きます。
C JRからの行き方
JR線からは、宮益坂口から直接出られます。案内に従って出てください。
西口方面は歩道橋とデッキがポイント
スクランブルスクエアの次に大きく様変わりしたのが西口方面です。井の頭線直結の「渋谷マークシティ」、旧東急プラザ「渋谷フクラス」などがあります。桜丘方面に向かうときにも便利です。
西口にはもともとバスターミナルがあり、地上が大変混雑していましたが、歩道橋と駅を結ぶペデストリアンデッキが建設され、混雑が緩和されました。西口で上手に移動するためには、デッキをうまく使いこなすことが鍵になります。
井の頭線の人は赤い矢印、JR、銀座線からの人は青い矢印に沿って進むと、西口のペデストリアンデッキにつきます。
ハチ公口方面は、ほとんど変化なし
次はハチ公口です。渋谷といえば誰もが思い浮かべるのがスクランブル交差点の映像ではないでしょうか。「ハチ公像」「スクランブル交差点」「109」と、変わらない渋谷の風景です。再開発の波はハチ公口には来ていないようです。
駅そのものが移動した銀座線からのルートだけもう一度確認しましょう。銀座線は、以前は東急東横店の中を通ってすぐにハチ公口に出られましたが、駅の移動後は、宮益坂交差点の手前を経由し、JR山手線の桁下をくぐるコースになります。
銀座線→ハチ公口方面
西口方面に向かった時と同様、「スクランブルスクエア改札」を出てください。ここが最大のポイントです。エスカレーターに乗って、スクランブルスクエア1階に降りていきます。
銀座線の桁下をくぐり、矢印の方向に進んでいくと、宮益坂下交差点です。
そこからさらに、JR山手線の桁下をめがけて進み、桁下をくぐるとハチ公口広場が見えてきます。
渋谷ダンジョン攻略の鍵は「方面」と「地上からの高さ」を知ること
渋谷駅周辺で迷いやすいのはなぜか、改めて考えてみました。
実際に歩いてみて感じたのが、いまだに工事中の部分が多く、見晴らしがきかない上に、迂回しなくてはならない部分も多いことです。そのため、いったん地上に出てしまうとむしろ身動きがとりにくくなってしまいます。特に、西口方面と渋谷ストリーム方面は、今いる場所の「地上からの高さ」を見失わず、できるだけ地上に降りないで移動することを考えた方がいいと思います。
また、渋谷駅周辺には案内板がたくさんあります。案内板をたどっていけば着くことができますが、4つの方面のことを覚えておくと、より安心できると思います。
今回の取材で、僕は2回ほど道に迷ったのですが、歩き続けているうちに、だんだん地理がつかめて楽しくなってきました。なので、まずは歩いてみることをおすすめします。
僕も、今回の取材だけではまだ回りきれなかった「地下」「JR新南口方面」などがあるので、ぜひまた行ってみたいと思っています。渋谷駅の再開発が完了するのは2027年。まだしばらくは渋谷ダンジョンを楽しむことができそうです。
たいち
都内に住む中学生。小学校時代の塾があったので、渋谷には週に3日は通っていました。鉄道、歴史がもとから好きで、最近アウトドアに興味が出てきました。中学生になって行動が自由になってきたので、これからいろんな所に行ってみたいです。