SHIBUYA×CLOTHINGとは
シブヤらしいファッションってなんだろう。
シブヤのリアルクローズってなんだろう。
ただの普段着じゃない。でも、堅苦しくない。
現実離れしたデザインも、今の気分じゃない。
自分らしく、自然に。でも、密かなこだわりをもって。
シブヤ散歩新聞では、「SHIBUYA×CLOTHING」をテーマに
渋谷発のアパレルメーカーを通して、
シブヤのリアルクローズに迫ります。
本当に作りたいものをつくろう!
何かを作り、売って商売をしている限り、売れ残りは出したくないもの。それは、飲食店だけでなく、アパレル業界でも同じです。
でも、多くの人に買ってもらおうとすると、どうしても個性の強いデザインではなく、万人受けするような保守的なものになりがち。特にアパレル業界は今、全体的に売り上げが落ち、大手ほど“守りの姿勢”に入っています。
その中で、
「10人いたら8人に好まれる商品じゃなくて、10人いたら1人だけでいいから好きになってくれるような商品を作りたい」
と、果敢にチャレンジしている服飾雑貨メーカーが渋谷にあります。
創業30年にして新たなブランド「titier(ティティエ)」を立ち上げた、ストールなどの服飾雑貨を企画、製造、販売している「WIZ(ウィズ)」。
代表の棚田政男さんは言います。
「経営者としては売れ残らないようにすることをまず第一に考えます。でも、そうすると必然的に面白いもの、本当に作りたいものが作れなくなる、冒険できなくなる。大企業であるほどそういう苦しみがあると思うんですよね。
でも、うちは少数精鋭でやっている小さい会社ですから、だったらやりたいことをやろう、と。大量生産で使い捨てされていくような商品じゃなくて、一人のお客様に末長く使っていただける、あきのこない商品を作ろうと思ったんです」
DCブランドと育ってきたおしゃれ世代へ
titierは、ネクタイや“結ぶ”を意味する英語「tie」からつくった造語。レディースの巻物に特化したブランドで、40〜50代の女性をターゲットにしています。
「この世代の方は、バブルも経験し、DCブランドと育ち、ラグジュアリーブランドもかじってきています。いいものを手にしてきたおしゃれな世代が、今の市場でほしいものがあるのかな?と思ったんです。
ラグジュアリーブランドだと軽い気持ちで買えないけれど、それよりも日常的に使いやすいもので、それでいて他にあまりなく、使うことで幸せな気分になる、そういったものを提供できれば一番いいかなと」
今年の春夏コレクションの作品は、「相反するものの組み合わせ」がコンセプトでした。ひと手間かけたものから醸し出される色気や風合いを大切に、鳥や猫をデザインした個性的なストールやスカーフがそろいました。
「渋谷でも奥シブから代々木公園のあたりにはいいストールを巻いていたり、ステキだなと思う40代の方が多いので、こういう方たちに着てほしいなと思います」と、企画担当のデザイナー、藤川杏子さん。次のコレクションが楽しみです。
ものづくりの現場を大切にしたい
titierのこだわりの一つは、9割を日本国内の工場で製造していること。そして、日本のさまざまな場所にある産地や工場を大切にしていること。日本でしかない特殊な技術や織などを用いながら、様々な手法でつくっています。
「うちの強みは企画力だけで、ものづくりができるわけではありません。ものを作っていただける産地や工場があるからこそ、企画したものを商品化できるんです。でも、日本の産地はどんどん衰退し、工場がなくなり、ものづくりができなくなっている。
ほんの微力かもしれないけれど、私たちが工場に仕事をお願いすることで元気になっていけばと思っています。ちょっとずつですけど、産地の方にも貢献できるように育てていきたいですね」(藤川)
変わりつつある渋谷の街から、海外へとはばたく
渋谷駅周辺では、いま再開発が進んでいます。この動きを、どうみているのでしょうか。
「渋谷はこれからすごく変わっていくと思うんですよ、駅前が。オフィスビルがどんどんできるので、今までの109を中心とした人の流れが変わり、OLさんがすごく多くなるかもしれない。30〜50代の働く女性の人口が確実に上がってくると思います。
そうすると、titierの商品も109にはハマらなかったけど、オフィスビルのテナントとしては成功できます、みたいな。ほんの何百メートルか離れるだけで、消費者の層がまったく変わってきちゃうんじゃないかな。渋谷は、幅広い年齢層が集まる面白い街になると思いますよ」(棚田)
同時に、2020年の東京五輪の時には外国人観光客も多く日本にやってきます。需要の高まりが期待されますが、棚田さんは「日本製であれば売れた時期はもう過ぎ、今後は本当にいいものしか買ってもらえない」とみています。
「買ってもらうためには、まず海外で認められてブランド力を高め、『これは日本のブランドなのか。じゃあ、日本のどこに行けば売っているんだ?』と思ってもらうことが大切です。そのためには、titierが海外に行くことが、このブランドを成功させる近道だと思っています。個性的すぎて、今の日本の市場にはマッチしないですから」
海外展開への第一歩として、今年の9月末には、パリで開かれる洋服や服飾雑貨の合同展示会TRANOI(トラノイ)に出店します。海外への出展は久しぶりだといいます。
「ヨーロッパでちょっと頑張って認知度を上げ、ヨーロッパに買い付けにいった日本のバイヤーさんが現地のブランドと間違えて買ってきてしまう、そんな状況を作り出したいんです。
titierは息の長いブランドになってほしいから、一気に爆発はしてほしくないんですよ。地味—に、伸びていってほしいですね」
渋谷発のブランドが、ヨーロッパで人気となり、日本、そして渋谷へ逆輸入されてくる。その日を、シブヤ散歩新聞も楽しみに待っています!
【ブランド情報】
株式会社WIZ(ウィズ)
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-11-12 LO Bldg.1F
TEL:03-3468-9297
http://www.wiz-jp.com/
Facebook/ http://facebook.com/titier.stole
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10/9(月)は、て(10)く(9)てく歩く「散歩の日」ということで、今年も渋谷ヒカリエで“シブヤ散歩フェス2017”を開催します!
今年のメインコンテンツは、「渋谷アパレル散歩」。
現在、シブヤ散歩新聞で連載している「SHIBUYA×CLOTHING」。渋谷発のアパレルブランドを紹介&応援する本企画で取り上げた様々なブランドの展示・紹介を実施します。
また、「しぶキャラ散歩」として、昨年11月に実施した第1回しぶキャラ会議においてシブヤのキャラクター人気投票で見事1位に輝いた、原宿みっころが遊びにきてくれます! 会場ではみっころと一緒に記念撮影ができるほか、ノベルティグッズや各回50個限定でコロンバンの原宿焼きショコラの配布も予定しています! <来場時間:13:00 14:00 15:00(各回30分)>
そして、16:00からはシブヤ散歩トークセッション!
元AKB48の平田梨奈さんをお迎えして、シブヤ経済新聞の西編集長、シブヤ散歩新聞の界外編集長とともに、散歩をキーワードに渋谷の街やファッション等について語っていただきます!
10/9(月)は、ヒカリエでシブヤの魅力に触れてみませんか。
【イベント情報】
2017年10月 9日(月)
12:00〜17:00
http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=108056
(会場)渋谷ヒカリエ 8/
東京都渋谷区渋谷2丁目21−1 8F
東急東横線・田園都市線、東京メトロ副都心線「渋谷駅」15番出口直結
JR線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」と2F連絡通路で直結
入場無料・事前申込不要
主催/シブヤ散歩会議(東京商工会議所渋谷支部)