老舗とニューショップが混在する「笹塚十号坂商店街」。安心感にも似た心地良さを感じるこの商店街は、ふらりとのぞいてみたくなるようなお店が多いだけでなく、歩く人への思いやりも感じられます。今回は、そんな商店街の魅力と心地よさの秘密をご紹介します。
<ササハタハツ散歩>とは
渋谷区主催の「まちづくりフューチャーセッション」を通じて発見したササハタハツ=笹塚・幡ヶ谷・初台地区の魅力をシリーズでご紹介するものです。ササハタハツを楽しめる散歩ルートとともに、たくさんの人に知ってもらいたい、訪れてもらいたいスポットを紹介していきます。
たたずまいも素敵!ここでしか買えない商品が並ぶ老舗洋菓子店
笹塚駅を出て十号通り商店街を抜け、水道道路を渡ると笹塚十号坂商店街があります。
<名前の通り坂道にある商店街です。>
商店街入り口右側にはおしゃれな店構えの洋菓子店「パティスリーダイヤモンド」があります。
<真っ白な壁に描かれた「Diamond」の文字が目に飛び込んできます。>
中に入ると色とりどりのケーキがお出迎え。定番ものから季節限定品まで、さまざまな商品が並んでいます。
<ショーケースの中を見ているだけでワクワクしてきますね。>
店内には焼き菓子やギフトコーナーもあります。
<かわいくラッピングされたギフトも。>
こちらのお店、創業は昭和30年代。商品はすべて自家製で、「笹塚」や「十号坂」の名前が入ったいくつもの商品からは、地域や商店街への想いを感じてなんだかほっこり。お土産にもぴったりですね。
<ふわふわの生地でたっぷりのクリームを巻いた「笹塚ロール」。>
<くまさん型がかわいい「十号坂のくまさん」。子どもにも喜ばれそう。>
創業近くからあるレンガショコラは今も変わらず人気商品です。
<濃厚なチョコレートケーキ「レンガショコラ」。中にはチョコクリーム、生クリーム、チョコスポンジが層になっています。>
昔からあるケーキ屋さんが今でも人気を保ち続けているってすごいことですよね。“街のケーキ屋さん”として地域の方々にも長く愛されていることがうかがえます。
商店街を利用する人の休息の場・ベンチの横にはきれいな花壇
さぁ商店街に入ります! 入ってすぐ、左側にはベンチがあります。
ここから先は下り坂。反対側から坂を上ってきて、このベンチでひと休憩なんて人も多いでしょう。ベンチ脇にはきれいに手入れされた花壇もあり、心が癒されます。
<ベンチもきれいに整備されたものです。>
体にもお財布にも嬉しい!ヘルシーランチが食べられるお店
ベンチに座ってみると、入り口のオリーブが素敵なお店「La perche(ラパーシェ)」が目に飛び込んできました。
<カフェ&バー「La perche」>
看板には「有機食材を取り入れたからだに優しいヘルシーランチ」との文字が。これは気になる!という事で、中にお邪魔しました。
<センスの光る内装。お店の方が笑顔で迎えてくれました。>
ランチには、有機野菜や雑穀、ナッツ等を使ったサラダやパスタ、キッシュなどがあり、日替わりスープとサラダセットはパンもついて830円です。ほかにスイーツやドリンクもあります。
素材にこだわり、なんとオレンジジュースまでがオーガニックなのだそうです。夜はワインもあり、24時(ラストオーダーは23時)まで営業しています。インテリアも素敵で、大切な人と上質な時間をゆっくり過ごしたいーー。そんな時にもピッタリなお店です。
朝は7時から開店!まさに地域の台所なお惣菜・お弁当屋さん
坂を下り、商店街をさらに進んで行くと、「おにぎり」の文字が目を引きます。
<右手に見えるのが手作りお惣菜・お弁当の店「ささ家」。>
「ささ家」は朝7時から営業している手作りお惣菜・お弁当のお店。朝から家庭的なおかずやお弁当を買えるのはありがたいですね。
お店の奥で作られる商品はできあがったそばから店頭に並べられていき、お昼頃にはほとんどの商品が出そろうのだとか。夜も20時まで開いている、まさに“地域の台所”として、笹塚の人々にとってなくてはならないお店なのでしょう。
<さまざまな商品がぎっしりと並んでいます。>
フォトジェニックなコーヒースタンドでゆったりコーヒーブレイク
商店街も中ほどに差しかかったところで、可愛いお店を発見!
<まさに“インスタ映え“な見た目のお店。>
こちらの「Pieni Joki Coffee(ピエニ ヨキ コーヒー)」は朝9時から17時まで営業しているコーヒースタンド。コーヒー通の方には有名な、高知県の吉野川のほとりにある自家焙煎珈琲店「Joki Coffee(ヨキ コーヒー)」の支店です。
<思わず写真を撮りたくなる店内。>
こだわりのコーヒーに合わせて自家製のデザートも楽しめるとあって、ちょっと遠くても足を運びたくなる魅力的なお店です。不定休ですがお休み情報はお店のSNSにアップされるそうなので、ここを目指して行かれる方は事前にチェックしてみてください。
あの「笹塚ビール」が飲めるバル
「Pieni Joki Coffee」のお隣にある「笹塚バル スケッチ」では、ササハタハツ散歩 No.10で紹介した笹塚ビールが飲めます。こちらも不定休で夜18時から27時までの営業です。
<居心地のいい空間は、ついつい長居してしまいそう。>
お店の中は何とも落ち着く空間。隣で知らない人が飲んでいてもすぐに仲良くなれそうな雰囲気です。
この商店街に来たら絶対寄りたい!「笹塚名物」が買えるおせんべい屋さん
そろそろ商店街も終わりに近づいているな、と思いながら歩いていると気になる店内チラシを発見!
<写真中央、「鮎 焼きあがりました!」のコピーに思わず目が留まります。>
珍しい「鮎せんべい」を作っているのは昭和38年12月に創業された老舗のおせんべい屋さん「八幡せんべい」です。
<創業55年目を記念して店主ご夫妻の娘さんが撮影された写真をお借りしました。>
心をこめておせんべいを焼き、販売するお二人がいてこそ!というお店の魅力が伝わってきます。
<店内は一面おせんべいで埋め尽くされていて圧巻!>
おせんべいは週に2、3回、朝5時からお店の奥で一枚一枚丁寧に焼いていると聞いて、驚きました。
「草加の水で生地作ると美味しさが全然違う」と、ご主人。おせんべいの生地は、草加市にいるご友人から仕入れているそうです。味にこだわり手間を惜しまず作られたおせんべい、これは是非食べてみたい!ということで早速いただいてみました。
<鮎せんべいは60円、ハートせんべいはしょうゆ・白しょうゆは50円、みそ・さとう(白・うめ・抹茶)は75円。写真はみそ。>
「いただきまーす!」
<袋から出すと、鮎やハートの形がよくわかりますね!>
まずは「鮎せんべい」から。ご主人の趣味である鮎釣りから発案されたユーモラスな形は、口に入れやすくて食べやすい!外はさっくり中はホロホロの食感で屈託のない美味しさ。いい塩梅のしょうゆ味でいくつでも食べられそうです。
一方、バレンタイン時には売り切れてしまうほど人気な「ハートせんべい」。今回はみそ味をいただきました。みそのコクとやさしい甘みが口いっぱいに広がって食べ応えのある一枚でした。
<バレンタインやホワイトデー等のイベント事にはもちろん、お祝い事にもおすすめ。>
心地いいのには理由がある!答えは足元に
商店街を歩き終わり、さぁ戻ろうと坂を上っている途中「なんだか心地がいいな~」と感じました。「なんでだろう?」と思いながらふと足元を見ると“道”がきれいなことに気が付きました。
<きれいなレンガ調に整備されています。>
この整備された道が歩きやすい理由なのでは!? さらに耳を澄ませば商店街全体におだやかな音楽が流れているではありませんか。ベンチや花壇、きれいな道に心を落ち着ける音楽。そんな工夫が一体となって、歩くときの心地よさにつながっているのでしょうね。
工夫も魅力もたくさん見つかった「笹塚十号坂商店街」。訪れるほどに愛着が湧き、一歩足を踏み入れれば「ただいま!」と言いたくなる――そんな空気感を是非味わいに行ってみてください。
NPO法人 代官山ひまわり 福田晶子
ササハタハツ歴、子育て歴ともに11年目。もっと地域の人と仲良くなりたい!と、この企画に参加しています。私たちが所属する「NPO法人代官山ひまわり」は、子育て世代の女性が、地域や社会とつながりを持ちながら、自分の居場所を見つけて楽しくはたらくための”新しいはたらきかた”を推進する団体です。今回、渋谷区主催の「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」に参加し、街の魅力を広く伝えるための記事作成を行っています。
NPO法人代官山ひまわり Webサイト