SHIBUYA×CLOTHINGとは
シブヤらしいファッションってなんだろう。
シブヤのリアルクローズってなんだろう。
ただの普段着じゃない。でも、堅苦しくない。
現実離れしたデザインも、今の気分じゃない。
自分らしく、自然に。でも、密かなこだわりをもって。
シブヤ散歩新聞では、「SHIBUYA×CLOTHING」をテーマに
渋谷発のアパレルメーカーを通して、
シブヤのリアルクローズに迫ります。
徳島の師匠のもとで習得した本藍染
インタビュー前、爪の色に取材チームは驚きの声を上げました。青い、その爪。
「純粋な本藍染は爪がこんな風に青くなるんですよ。青い爪は、本藍染の証ですね」
藍染工房のオーナーであり、セレクトショップ「タテイスカンナ」を展開する鳥羽崇之さんは言います。
もともと和風の物が好きだったという鳥羽さんは、約3年前、化学物質を一切使わない本藍染に魅了されて、徳島県の阿波藍染めの第一人者に弟子入りし、技法を学びました。その技法名は、江戸時代から伝わる「天然灰汁発酵建てによる本藍染」というもの。
「すぐには修行させてもらえませんでした。師匠に会ってすぐ、耳のピアスを見て、『あなた自身が化学物質だからダメだ』って言われましたね。本気で学びたい気持ちを伝えて、なんとか教えてもらうことができたんです」。
鳥羽さんが習得した「天然灰汁発酵建てによる本藍染」とは、“すくも”と言われる藍染に欠かせない原材料(蓼藍葉を約100日かけて発酵させたもの)を入れた藍甕(あいがめ)の中で、灰汁や石灰、日本酒、ふすまを追加しながら発酵させた藍液で綿などを染めること。約1週間~9日かけて藍液を作り(作る工程を「藍建て」と言う)、その後、半年ほど管理しながら服を染めるそう。
「藍は生きものなので毎日面倒をみる必要があるし、温度管理が大変です。手に伝わってくるぬめり感や温度でいろいろと判断しています」
「でも、一番難しいのは、藍建ての石灰を入れるタイミング。3回に分けて入れるのですが、発酵が始まった時に2回目を入れるんですね。発酵が始まったかどうか、においと見た目で判断するのですが、この見極めが難しい。少しでも早いとほとんど染まらない液になってしまいます。藍液は4〜5か月しかもたないので、切らさないように新しいものを仕込むといった管理にも十分な気遣いが必要です」
現在、市場で流通している藍染の約5%しかないと言われている本物の本藍染。タテイスカンナでは、「タテイスカンナ紺屋」として、Tシャツやシャツ、パーカー、スエットパンツなどを販売。さらに今後、アウトドア向け商品の企画販売も予定しているそうです。
コンセプトは、友だちに着てほしい服
鳥羽さんのセレクトショップ、タテイスカンナには、「タテイスカンナ紺屋」のほかにも、個性的なブランドが揃います。
なかでも、2016年、鳥羽さんが作り出した“蚊が来ないTシャツ”「Anti-mosquito Tee(アンチ モスキート ティー)」は、2017年夏も人気だったそう(※ヒノキに含まれるヒノキチオール成分とレモンユーカリ成分をマイクロカプセルに閉じ込めて生地に注入したもの)。
同シリーズのキッズ用Tシャツには、大きなポケットを右サイドにつけました。
「胸元のポケットはよく見かけますが、純粋に横にあった方が便利かなと思ってつけました。」(鳥羽さん)
この“蚊が来ないTシャツ”の売れ行きがよかったため、「Anti-mosquito Tee」を含めた「Anti-weathers(アンチ ウェザーズ)」というブランドを立ち上げることになったそうです。
「どんなにハードな天候や環境にも負けないという思いを込めてブランド化しました。でも、Anti-mosquito Teeにパンチがありすぎて、これを上回るアイデアが思い浮かばないんですよ(笑)」。「友だちからは、『“蚊が来ない”を極めるしかないんじゃない?』と言われますが、かなり困っています」と笑います。
そんなタテイスカンナのコンセプトについて聞くと、「あえて言うなら、友だちに着せたい服でしょうか」。「ブランド紹介の写真撮影でも、友だちにモデルをお願いしています。その方がブランドの良さを出しやすいし、僕もやっていて楽しいんです」。
とび職からのアパレル店員、そしてタテイスカンナ立ち上げ
以前はとび職人だった鳥羽さん。アウトドアが趣味の父親の影響もあって、20代前半でアウトレットモールにあるアウトドア系のブランドショップにアルバイト入社。数か月で頭角を現して店長に就任。その後はセレクトショップでのバイヤーを経て、2010年に自身のブランド、タテイスカンナを立ち上げます。
「小売り出身だから、ショップを持ってブランドを表現した方が自分らしいかもしれない」と物件探しをしていたときに、偶然、今のタテイスカンナの建物を見つけ、ひとめぼれ。とんとん拍子で契約が決まったそうです。
「古民家だったんです。古いものが好きなので、見た瞬間、『かわいい』と。今思えばラッキーでしたね。上原周辺は、『こんなところでショップを出せたらいいなあ、でも無理だろうなあ』と思っていた場所でしたし」
2011年11月11日11時11分にショップをオープン。
「1並びにこだわったんですけど、当日、大雨で大変でした(笑)」。
場所は、小田急線の代々木上原駅から徒歩2、3分。商店街の中にあります。
「渋谷区内で下町風情があって。でも、高感度な層もいて。代々木公園があって、時間がゆっくりと流れていて、どこか僕が大好きな軽井沢に似ていると思っていました」
「昔からここに住んでいる地元の人と、新しく移り住んできた人やショッピングに来る人が入り混じっているのがおもしろいですね。後者の人たちは、おしゃれな街として認識している場合が多いのですが、地元の人はそんな風には思っていない。そのギャップがこの街らしいと思うんです」
2018年中には「2店舗目の路面店を出したい」と話します。
「場所は中目黒周辺を考えています。ここも地元の人で成り立っている商店街があるけど、一方でおしゃれな街という認識もある。第一候補として挙げています」
目標は軽井沢のアウトレットモール出店
アパレル業界でショップを増やすことについて、鳥羽さんは語ります。
「今は洋服屋が少ないんですよね。やろうと思っている人が減っているというか。アパレル全体の売上が落ちているのは事実ですが、洋服を1枚も買わない人はいないと思うんです。洋服屋をやる人が少ないからこそ、ある意味チャンスだと捉えています」
将来の目標は、「軽井沢のアウトレットモールにタテイスカンナのショップを出すこと」。
「アウトドア系ショップで働いていた経験から、アウトレットモールには思い入れがあって、その中でも、自分が働いていた軽井沢しかないと思っています。まだまだ先のことだと思いますが、僕にとっての大きな目標です」
「アウトレットモールに出店するためには、多くの人にタテイスカンナのことを知ってもらう必要があります。ショップのロゴを見て、『あ、タテイスカンナだ』とすぐわかる。それくらい認知度がないと、アウトレットへの出店は難しいですね。まだまだ課題がいっぱいです」
軽井沢のアウトレットモールでタテイスカンナのロゴが見られるその日を、シブヤ散歩新聞も心から楽しみにしています!
【ブランド情報】
タテイスカンナ
東京都渋谷区上原1-23-12
TEL/03-6804-9838
オンラインショップ/ https://tateisucanna.stores.jp/
Instagram/ tateisucanna
Twitter/ @ tateisucanna
Facebook/ https://www.facebook.com/tateisucanna
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10/9(月)は、て(10)く(9)てく歩く「散歩の日」ということで、今年も渋谷ヒカリエで“シブヤ散歩フェス2017”を開催します!
今年のメインコンテンツは、「渋谷アパレル散歩」。
現在、シブヤ散歩新聞で連載している「SHIBUYA×CLOTHING」。渋谷発のアパレルブランドを紹介&応援する本企画で取り上げた様々なブランドの展示・紹介を実施します。
また、「しぶキャラ散歩」として、昨年11月に実施した第1回しぶキャラ会議においてシブヤのキャラクター人気投票で見事1位に輝いた、原宿みっころが遊びにきてくれます! 会場ではみっころと一緒に記念撮影ができるほか、ノベルティグッズや各回50個限定でコロンバンの原宿焼きショコラの配布も予定しています! <来場時間:13:00 14:00 15:00(各回30分)>
そして、16:00からはシブヤ散歩トークセッション!
元AKB48の平田梨奈さんをお迎えして、シブヤ経済新聞の西編集長、シブヤ散歩新聞の界外編集長とともに、散歩をキーワードに渋谷の街やファッション等について語っていただきます!
10/9(月)は、ヒカリエでシブヤの魅力に触れてみませんか。
【イベント情報】
2017年10月 9日(月)
12:00〜17:00
http://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=108056
(会場)渋谷ヒカリエ 8/
東京都渋谷区渋谷2丁目21−1 8F
東急東横線・田園都市線、東京メトロ副都心線「渋谷駅」15番出口直結
JR線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線「渋谷駅」と2F連絡通路で直結
入場無料・事前申込不要
主催/シブヤ散歩会議(東京商工会議所渋谷支部)