今回は代官山ひまわり代表の森田由紀が1年ぶりに訪れた笹塚をぶらり散歩します。京王線と京王新線、どちらでもアクセスできる笹塚は、ササハタハツを代表するアミューズメントスポット「笹塚ボウル」もあり、活気あふれる街です。1人で行くもよし、仲間とワイワイ行くもよし。笹塚の多面的な「楽しみ方」の数々を紹介します。
<ササハタハツ散歩>とは
渋谷区主催の「まちづくりフューチャーセッション」を通じて発見したササハタハツ=笹塚・幡ヶ谷・初台地区の魅力をシリーズでご紹介するものです。ササハタハツを楽しめる散歩ルートとともに、たくさんの人に知ってもらいたい、訪れてもらいたいスポットを紹介していきます。
笹塚で45年、地域の居場所となっているレジャー施設「笹塚ボウル」
京王線または京王新線の笹塚駅を降りて、改札口から北方向に。甲州街道に向かって細い路地に入ると、「笹塚ボウル」の看板が見えます。
<笹塚駅から徒歩0分。路地の奥、左側に「笹塚ボウル」の看板が見えます。>
<「笹塚ボウル」正面入り口。甲州街道に面しています。>
その昔、渋谷区には、「笹塚ボウル」、「シブヤボウリング」、「エビスグランドボウル」と3ヵ所のボウリング場がありました。ですが、平成18年、地域に惜しまれながらも「エビスグランドボウル」は閉店。
笹塚ボウルは、2018年で創業45年。東京都ボウリング連盟の活動拠点のひとつでもあり、ボウリング競技の大会が定期的に開催されています。ボウリングを「遊び」「レジャー」としてだけでなく、「スポーツ競技」としても楽しめる渋谷区を代表する遊戯施設のひとつです。
<「笹塚ボウル」館内。>
館内を見渡すと、平日の昼間にも関わらず、ボウリングを楽しむシルバーの方でにぎわっています。全体に清潔感があり、レーンとレーンの間がゆったり。ソファーまで完備されています。どことなく、昔ながらのボウリング場とは違った雰囲気です。
ボウリングの楽しみ方は、ひとつではありません!
館内を見て回っているうちに、ボウリングがしたくなりウズウズ。勇気を振り絞ってスタッフさんに、「ひとりボウリングできますか?」と尋ねると、「もちろんです、どうぞ!」と快くご案内いただきました。
<受付は、まるでホテルのフロントのようです。>
<いよいよ、人生初!「ひとりボウリング」スタート。>
<いざ、投球!>
隣を見ると、サラリーマン風の男性が同じく「ひとりボウリング」を楽しんでいました。もしかして、これはよくある光景!? またまた勇気を振り絞って、お隣さんに声をかけ、私のボウリング姿を撮影していただくお願いをしていました。ちょっと怪しい私に戸惑いながらも写真を撮ってくれましたよ。
黙々とプレイすること30分。1ゲーム終了です。サクッと終わって少し物足りないくらいでした。でもこの爽快感は何だろう~。程良く全身運動ができて、とっても楽しかったです。
気になる成績は!? 聞かないでください、本当に下手なのですワタシ。次回は、やっぱり仲間とワイワイプレイやりたいです。
フロントの横には、オシャレなお土産が勢ぞろい
シューズとボウルを返却すると、フロント横の棚が目に入ってきました。
<Tシャツ、キャップ、トレーナー、パーカーなど、すべてオリジナルデザインのグッズ。>
こちらのオリジナルグッズ、ちょうど1年前に仲間の壮行会を「笹塚ボウル」で行った時に、お揃いで購入したものです。
<私、森田も参加していた「渋谷をつなげる30人」1期生の仲間と。お揃いのアイテムを着用して、テンションMAXでボウリングを楽しみました。>
<長袖Tシャツの袖には、ボウリングのピンのデザインが。>
思い出を振り返りながら商品を眺めていると、ひとりのスタッフの方が声をかけてくださいました。PR担当兼商品デザイン担当の大城裕介さんです。もともとはアパレルに勤務していた大城さん。その経験から、「スタッフ用のユニフォーム」としてTシャツのデザイン制作をしました。
ある日、スタッフが着ていたTシャツを見たお客様から「そのTシャツ買えないの? お土産に買って帰りたい」と声をかけられたことがあり、同じような「購入したい」というニーズの高まりを感じ、商品として販売することになりました。今では数種類の商品が用意されています。
<オリジナルデザインのグッズ発売当時は、数々の雑誌に取り上げられるなど話題沸騰。こちらは当時掲載された雑誌の一部です。>
いろいろお話を伺っているうち、ワクワクが止まらなくなり、「笹塚ボウル」の社長・財津さんにもインタビューをお願いすることに。快く応じていただきました。
<左:PR担当 大城裕介さん 右:代表取締役社長 財津澄子さん。>
ボウリングは、コミュニケーションスポーツ
長きにわたり、この街で愛され続けるために大切にされていることを財津社長に伺いました。
「お客様の笑顔が見たい! お客様を元気にさせたい! 社員・スタッフ、その家族が幸せハッピーであり続けたいということを一番に考えています。ボウリングは、歩くことさえできれば、小さな子から、おじいちゃん・おばあちゃんまで世代を超えて一緒に楽しめることができる“コミュニケーションスポーツ”です。はじめて会う人同士も、スペアがでたら一緒に喜んだり、ストライクがでたらハイタッチをしたり。しゃべることが苦手な人も、すぐにコミュニケーションがとれて、笑顔が溢れてきます」。
財津社長は「街に“コミュニケーションスポーツ”の火を消さないように、この事業をやり続けることに責任がある」と考えているそうです。シニア世代では、ボウリングを通じた仲間づくりに励まれ、ひとりでいらっしゃる方もいれば、いくつかのグループに参加して週に2回~毎日いらっしゃる方もいるそうですよ。
「室内だから天候に左右されず、安心して楽しめることができます。障害のある方も、“滑り台”のような専用ツールを使えば、ボウルを載せて押すだけでボウリングが楽しめます。館内は、障害を持たれた方も利用しやすいようバリアフリーの整備を心がけています」。
「これからも日本一、世界一のもてなしができるボウリング場を目指していきます」と財津社長の話は尽きません。
<ジュニアボウラー育成基金にも積極的に取り組まれています。>
<同じフロアにはレストランも隣接。>
お昼どきになり、そろそろお腹も空いてきたのでランチをいただきます! 場内にはレストランがあって、ワンストップで飲食も楽しめるんです。
<ランチのお蕎麦と天ぷらセット>
食事をしていたら、1年前にこのカフェで「笹塚ビール」で乾杯したことを思い出しました。スタッフさんに聞くと、ここから歩ける距離の酒屋さんで取扱っていることがわかったので早速行ってみることにしました。
「笹塚ボウル」から歩いて5分。渋谷区との区界を少し越えた世田谷区北沢にある酒屋「東京 世田谷 升本屋」に到着。
笹塚でしか飲めない「笹塚ビール」ってご存知ですか?!
<一見「本当に酒屋さん?」と疑うほどオシャレな店構えの「升本屋」さん。>
「升本屋」代表の梅田知行さんに、「笹塚ビール」の誕生秘話を聞きました。
「“笹塚”は観光地でもないし、知名度もそんなに高くない。街の活性化を図るために、Barマップを作って、お店側がお客さんを回していこう」と、飲食店の店主たちが声をかけあって話し始めたことがきっかけだったそうです。
「せっかくだから地元のビールを作ろう!」と盛り上がったことから、メンバー有志で新潟の醸造所を訪問。皆でテイスティングを重ねて、オリジナルレシピのビールを醸造してもらい商品化しました。2013年の7月7日、笹塚の「笹」=「七夕」にちなんで発売がスタート。
<白ラベルは、レギュラーバージョン。黒ラベルは冬季限定バージョンで2000本のみの販売。白ラベルより少し味が濃いそうです。>
味の決め手は、飲みやすさと女性に受けるような味。レストランやBarなどさまざまなお店で取り扱うことから、どんな食事にも合う味にしました。
<「乾杯は笹塚ビールで」。シンプルながらグッとくるキャッチコピー。>
最初の1杯は地元のビールを飲んでもらおうということで「乾杯は笹塚ビールで」というキャッチコピーに。こういったキャッチコピーやアートデザインにもこだわっています。
<ギフトセットは、楽天などのネットショップでも購入できます。>
発売して、1年半後にはグラスとギフトボックスが誕生。笹塚に転居してきた方や里帰りのお土産に買ってくださる方もいます。ビールも、当初は取り扱う飲食店を訪れて注文しないと飲むことができませんでしたが、認知度も高まり小売販売も始めました。クラフトビールのブームもあり、現在は1年で8000本~1万本も売れています。
<笹塚駅近くの蕎麦屋さん「山横沢」。ここでも「笹塚ビール」が注文できます。>
現在は、笹塚周辺の20店舗で「笹塚ビール」を飲むことができます。
<店先に貼られた「SASAZUKA・BEER」のステッカーが目印。>
散歩をする前は、「笹塚」というと全国的に展開するチェーン店が多い印象もありました。今回の散歩を通じて、地域に根差して街を盛り上げるべく「灯り」や「ブーム」を消さないように活動されている方に出会い、すっかり街への愛着が湧いてきました。皆さんもまだまだ知らない「笹塚」の魅力を仲間と掘り起こしてみてはいかがでしょうか。
NPO法人 代官山ひまわり 森田由紀
渋谷区在住15年、2児の母。「渋谷をつなげる30人」1期生、「渋谷のラジオ」では木曜日、恵比寿地区ナビゲーターとして活動中。私が代表を務める「NPO法人代官山ひまわり」は、子育て世代の女性が、地域や社会とつながりを持ちながら、自分の居場所を見つけて楽しくはたらくための”新しいはたらきかた”を推進する団体です。今回、渋谷区主催の「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」に参加し、街の魅力を広く伝えるための記事作成を行っています。
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