朝晩肌寒くなってきました。二十四節気では「霜降」、もう霜が降り始める季節です。週末に福島県の安達太良山に登った子どもは頂上で初雪だったよー!と報告してくれました。立冬は11月の最初の週末、もう冬目前ですね。
さて今回の代々木公園散歩では、霜が降りてはいないだろうかーと観察しながら、地面を楽しんできました。
秋は地面が楽しい季節
代々木公園に到着したのは朝8時。気温は17.1度、湿度は36%。湿度の低さに、どおりで最近肌が乾燥しているわけだわ、と、はっとしながら森の中に入りました。前回の代々木公園散歩は蝉時雨の中でしたが、今回の森は静か。散歩当日は気持ちのいい晴れ間がのぞくまさに散歩日和。芝生の広場には、ヨガマットを広げて朝ヨガを楽しむ人たちの姿もありました。
木々豊かな公園の地面は、秋、とても豊かな表情を見せてくれます。わざとアスファルトの歩道を避けて、森の中、草むら、そして芝生をうろうろしてみると、足もとから様々な音が聞こえてきます。サクサク、ザワザワ、モキュモキュ、ゴリゴリ、フワフワ、カサカサ・・・自分の足の裏に感じる柔らかさや固さとともに、耳に入る音に誘われて地面を見てみるといろんなものが落ちていたり、生えていたり、前の季節を残していたり。
<上段左の地面>サクサクした音でフワフワの感触を残していた桜の木の根元。桜は赤く葉の色を変えるので、まるで千代紙の柄のような素敵な色合いでした。
<上段中央の地面>ザワザワした音でガサガサしていたのは欅の落ち葉。細長くて小さくて、少しちくちくした茶色い葉が絨毯のようでした。
<上段右の地面>一転して常緑樹の下を歩くとモキュモキュした感触。落ち葉が少なくて、たまたま日の当たるエリアだったからか、緑の草が厚みのある地面を作り上げていました。
<下段左の地面>前を見て歩いていたら急にゴリゴリ何かを踏んでいる音が・・・。下を見るとたくさんのどんぐり!豊かな秋の実りを感じさせてくれました。
<下段中央の地面>芝生広場はフワフワの感触。ブルーシートを敷いて朝ごはんを食べている親子もいて、ピクニックにちょうどいい季節だなあと思いました。
<下段右の地面>カサカサ細かいものを踏んでいる音がしたので下を向いてみると、何やら細かい茶色い粉のようなもの。近づいてよく見てみると、なんと地面一面に金木犀の花弁が落ちていました。とっても大きな金木犀の木を見つけて、来年はもう少し早い時期に来たいと思いました。きっと素晴らしい香りでしょう!
地面からお土産をいただきました
歩くこと45分、いろんな地面を楽しみながら、地面に落ちていたこんなものをお土産として持ち帰りました。
まずは、紅葉(もみじ)の枝についていた、種子です。鳥の羽のような形をしたこの種子、風に遠くへ運んでもらいやすいように、くるくる回って対空時間が長くなるような形状をしています。子どものころ、手を高く上に伸ばして落としてみたことのある方も多いのではないでしょうか。こんなふうに、葉の裏に隠れるように種ができるんですね。
それから、桜の枝です。桜の木の下に、細かいものがたくさん落ちていたので、木肌の綺麗なものを選んで持ち帰りました。気に入ったものが4本あったらフォトフレームにしたいなあと思っていたのですが、結局2本だけが手元に。自宅で余っていた毛糸を内側から三色巻きつけて、クリスマス風のオーナメントにしてみました。
冬に向けて体温を上げていこう
人間の身体の中で、主に熱を産生している器官は筋肉です。少し肌寒かった今回の散歩でも、最後には少し汗ばむくらい体温が上がりました。
一般的に女性は男性と比較して筋量が少ない特徴があるので、秋冬になると手先や足先の冷えがつらくなる人も多いと思います。気持ちのいい森の中での散歩は、気持ちだけでなく身体も季節に合わせてアップデートしてくれますよ。次の週末、近所の公園で晩秋の少し冷たい空気を感じながら歩いてみませんか。
得原藍(えはら・あい)
理学療法士/一般社団法人 School of Movement ディレクター。
子育てしながら運動科学の専門家として、身体と環境と生活の関係を考える日々を送る。
たのしいマイニチのために人生編集中。
TEXT aiehara’s web