「恵比寿にあるホルモン焼きのお店が、ホルモンを使った本格的なスパイスカレーを出してるよ!
新商品のレバニラカレーも完成間近だって!」
友人からそんな情報を聞きつけて、早速向かったのは「ホルモン焼 婁熊(ルクマ)東京 恵比寿店」。恵比寿駅からJR山手線沿いに渋谷へと向かう道をお店に向かって歩いていると、パッと目を引くお知らせを発見!
青空に映える黄色と「シビ辛!」の文字。“ルクマが誇る鮮度抜群のレバー”そして”花椒”という単語が食欲をそそるではないですか! ワクワクしながらもうちょっと歩を進めると、東京カリ〜番長のリーダー、伊藤盛さんが出迎えてくれました(笑)
というのも、ランチで出している5種類のカレーのうち、2種類が東京カリ〜番長とのコラボカレーなんです!
看板で、東京カリ〜番長の伊藤リーダーの後ろに立つのが、婁熊東京のオーナー・熊井良さんです。
「どうぞこちらへ」という熊井さんの手に促されるように、早速店内へと入ることにします。
ワインにも合う 本格的な朝〆ホルモン
と、ここで先に「ホルモン焼 婁熊東京」のお話を少し。
ルクマは、朝締めの新鮮なホルモンをその日のうちに食べることにこだわったお店です。朝締めの新鮮なホルモン、と文字にするとなんだかすごくあっさりとしてしまうのですが、朝締めのホルモンをその日のうちに食べられるお店は、都内でも数件。ものすごく希少なのです。
なぜなら、屠殺場で締められ、食肉センターまで運ばれたホルモンはまず、場内(旧築地市場の“場内”と同じ感覚です)の卸業者が仕入れます。仕入れたものが場外のお店に並ぶのは、早くても翌日のこと。飲食店の人たちは場外のお店で仕入れるしかないので、どうしても1〜2日のタイムラグが出るそうなんです。
でも、ルクマのオーナーは朝締めの新鮮なホルモンをどうしてもお店で出したい一心で粘り強く交渉しました。熱意が伝わり、特別に場内に入れるようになったそうです。妥協しないまっすぐな思いと行動力が開いた、場内の重い重い扉でした。
2007年に渋谷の明治通り沿いに「もつやき 婁熊東京」を、そして2011年に恵比寿に「ホルモン焼 婁熊東京 恵比寿店」をオープン。
恵比寿店は、スタイリッシュでワインにも合う本格ホルモンのお店として、女子会やデートにも人気のお店となりました。オーナーのお人柄か、常連さんが多いのも特徴です!
超新鮮なレバーと、中華スパイスの融合で生まれた新メニュー
実は、ここまで書いてきたお話を聞かせてくれたのは、オーナーの実姉である熊井香さん。オープン以来ずっとお店を支え、1年前に始めたランチタイムも切り盛りしている、笑顔が素敵なお姉様です。
香さんによるともつ焼きの仕込みはとても手間がかかるそうで、朝〆のホルモンを仕入れ、昼に店に戻ってきたオーナーの良さんは、夜のお店の開店時間まで、ひたすらホルモンを串に刺し続けるんだとか。なのでずっと、ランチ営業は考えにも及ばなかったそうですが、夜のコースの〆として出していたミニカレーが密かな人気の一品でした。
そんな時に、常連のお客さんを通じてカリー番長のリーダー・伊藤盛さんと知り合い、伊藤さん厳選のスパイスと新鮮なホルモンを合わせてオリジナルのコラボカレーを作ることに! オーナーの他にも仕込みができるスタッフが育ってきたこともあり、ランチ営業を始めることにりました。
ちょうど1年前の10月10日、最初は渋谷でランチタイムを始めた時のメニューは、
コラボカレーの
●ココナッツキーマカレー
●味噌ホルモンスパイスカレー
の2種。
その後、香さんとスタッフとで試作を繰り返しながら
●豚ほほ肉ビンダルカレー
●バターポークカレー
が加わりました。
そして、つい先日完成したのが、「シビ辛! レバニラカレー!」
香さんいわく「産みの苦しみの末に生まれた」のだとか。花椒などの中華スパイスを、レバーとどうマッチさせるか、かなり時間をかけて試行錯誤したそうです。
というのも、レバニラカレーに使われているホルモンは、生でも食べれるほど超!!新鮮なもの。そのレバーの美味しさを際立たせたものにしたい! とこだわってこだわって完成したのが、焼いたレバーを独立させてライスに載せたこの形だそうです。
この時、香さんの話を聞きながらも私の頭の中は、新鮮なレバーの姿がグルグル、グルグル。
「相当美味しいんだろうな。いや、かなり美味しいに違いない。んーーー!! レバー、食べたい!! レバニラカレー、味わいたい!!」
4種盛りか、レバニラカレーか・・・ 迷った末に!
さて、スパイスの香りが広がるランチタイムのルクマ。キルトの暖簾でスペースが仕切られており、奥は夜営業のための仕込みスペースです。
一人なのでカウンターに座ると、行儀よく並んだ4つの寸胴鍋が目に入りました。4種のカレーが入っているに違いありません。
私、メニューを前にしばらく悩みました。
4種盛りにするか、さっき話を聞いたばかりの、超新鮮なレバーを使ったレバニラカレーにするか!!
両方食べたい・・・!
でも、さすがに二人分は無理だよな・・・
やっぱり誰かを無理やりにでも連れてくるべきだった><
結局、かなり迷った末に選んだのは・・・・
こちら!
4種を一度に味わえるという魅力に惹かれ、今日は4種類盛りを選びました! スタッフ恭子さんオススメの熟成麹納豆をトッピングして♪
まずは左上から時計回りに、さあ、食べます!
豚の腕肉を使っているというココナッツキーマカレー、カスリメティというスパイスとマスタードシードが効いて、あっさり食べられる今までに味わったことがない新感覚のキーマ!
新鮮なホルモンがプリッジュワッ!と口の中に広がるのは、味噌ホルモンスパイスカレー。これ、ホルモン好きな男性はきっとたまらないやつです。
豚ほほ肉ビンダルカレーは、とにかくほほ肉が柔らかい!! ほど良い酸味が食欲をそそります。
そして、バターポークカレー。インドカレーのバターチキンは重ったるい印象があるのですが、サラッとしててポークがとろける!
一通り味わった後は、香さんのオススメ通りに4種を混ぜ混ぜ、混ぜ混ぜしながら食べる!
個性豊かな4種類のカレーなのに混ぜても、美味しい! 混ぜ方の配合によって、味が少しずつ変わってくるのもまた楽しいんです。
新鮮なホルモン×スパイスの融合したカレーの4種盛り、4種全部乗せても1,200円はかなりお得ですよね♪ オススメです。女性でも4種盛り、いけます!
こだわりのドリンクにも注目を!
さて、食後には水出しコーヒー。
薬品を使ってカフェインを抜くのではなく、水だけでカフェインを抜いたというカフェインレスの水出しコーヒーは、
しっかりとしたコーヒーの美味しさがあるのに、カフェインで頭がクラクラすることもなく、カレーで火照った体にすーっと染みていくようでした。
ちなみに、スパイスがたくさん入ったこの透明なオリジナルクラフトコーラも、すっごく美味しいです!
人とのつながりを大切に、くじけず進んでいきたい
クラフトコーラを味わいながら、香さんのお話の続きを。
新型コロナウイルスの拡大を防ぐための緊急事態宣言が出された時には、渋谷の街から人が消えたそうです。オフィスに出社する人がいなくなったのはもちろんのこと、住んでいる人の姿もまったく目にすることがなくなったとか。婁熊東京も、5月末まで営業を自粛しました。
営業再開後も、週5日で出社する人が減ったため、渋谷に変わってランチ営業を始めた恵比寿でも、そもそもランチタイムに街にいる人の人数がコロナ前にはほど遠い状態が続いています。
それでも、香さんは言います。
「くじけず、めげずに、進んでいきたい」と。
ランチタイムのカレーを始められたのも、常連さんからのご縁があったから。そして、カフェインレスの水出しコーヒーや、週1回だけ手に入る貴重な黒豚のホルモンも、みんな人とのつながりあったからこそのもの。ランチタイムに働いている女性スタッフたちも、元は”ママ友”です。そして今回のこの取材も、私と女性スタッフの一人、恭子さんがママ友だったというご縁で実現したのでした。
「人とのつながり、それがルクマらしさですよね。
人は必ず、誰かと一緒じゃなければ生きていけないですから。
これからも、人づきあいを大切にしていきます」
わずかな時間でしたが、私も香さんの人柄の良さをしかと感じ、香さんの話を通して、まだお話したことがないオーナー熊井良さんの人となりを感じさせていただきました。
カレーはもちろんですが、そんなお二人との会話も楽しみに、ぜひ、お店に足を運んで見てください。
私も次こそは! シビ辛!レバニラカレーを食べに行きます!
【店舗情報】
ホルモン焼 婁熊東京 (ルクマトウキョウ)
住所/東京都渋谷区恵比寿西2-3-5 ISHII BLDG B1F
電話/03-3464-8929
営業時間/【月〜金】ランチタイム・テイクアウト・デリバリー:11:30~15:00
ディナータイム:18:00〜24:00(Lo.23:00)
【土】ディナータイム:18:00〜24:00(Lo.23:00)
定休日/日曜日・不定休
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。
ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi