みなさま、突然ですが、
フィンランド生まれの「ネウボラ」という子育て支援をご存知ですか?
フィンランド語で、ネウボ=「アドバイス」、ラ=「の場」という意味もつこのしくみ。
女性が妊娠すると担当の保健師さんがついて、子どもが小学校に入学するまで、子育てについて何でも相談することができるというものです。
最初知ったときは、「なんて優しい響きのしくみなんだろう!フィンランドいいなあ」と思ったのですが、渋谷区でも、このネウボラが5月20日に始まったとのこと。しかも渋谷らしいかたちで広げていくということで、早速取材させていただきました。
家族と子育てをサポートする人たちがつながる体験イベント!
まずは、6月9日に体験イベント「きてみてしろう!渋谷区子育てネウボラ/Vol.1」が開催されたので、その様子をお伝えします!
場所は、ネウボラの発信地となる第二美竹分庁舎。渋谷駅からだと東口を出て徒歩7分のところにあります。
ビッグカメラ前の明治前通りを挟んだ通りをまっすぐ歩きます。
宮下公園の前の交差点にきたら、横断歩道をわたって右に曲がります。2、3分歩いたら到着です。
建物の前にはハチ公バスのバス停もあります。荷物が多くて歩くのはちょっと難しいかもといった方におすすめです。
分庁舎の入り口です。どんなイベントが繰り広げられるのか、どんな赤ちゃん、ご家族に会えるのか、わくわくしながら入場しました。(やさしい色調で子どもの子の字をデザインした「渋谷区子育てネウボラ」のロゴマークがお出迎えです。)
オリジナルのカラフルなデザインが庁舎内に施されていて、ピンクのほかにもロゴマークにあるイエローやグリーンなど華やかな雰囲気を演出していました。
イベントでは、渋谷区子育てネウボラの展示コーナーを中心に、渋谷区長の長谷部 健さんと渋谷区子育てネウボラのアンバサダーに就任されたタレント、若槻千夏さんとのトークショー、また子育てワークショップ、渋谷区助産師会の相談コーナー、ベビーマッサージ講座やハンドマッサージ体験、バランスボールエクササイズ体験など、盛りだくさんの内容で行われました。
たくさんの人に知ってほしい、触れてほしい渋谷区子育てネウボラと今回のイベント。10時にスタートすると、赤ちゃんを連れたお母さん、お父さんたちが続々と現れて、それぞれのコーナーで思い思いに過ごされていました。
ごきげんに笑う赤ちゃん、お母さんに抱っこされて安心した様子の赤ちゃん、お父さんお母さんのとなりでベビーカーに乗って一緒にトークショーを聞いている(?)赤ちゃんなど、いろいろな赤ちゃんがいて、とても癒されました。
著名人のトークショーからベビーマッサージ講座まで盛りだくさん
こちらは渋谷区長の長谷部 健さんとタレントの若槻千夏さんとの「子育て」トークショー。渋谷区子育てネウボラと、渋谷区にある子育て支援の話を中心に話は進み、参加者の方からの質問にもおふたりは答えていました。会場内にはプレイスペースもあり、子どもたちのかわいい笑い声も聞こえるなど、とても和やかな雰囲気で行われました。
渋谷での子育てについて真剣な表情で語り合ったり、会場の笑いを誘ったりしたおふたり。とてもテンポよく、内容の充実したトークが繰り広げられました。
渋谷区子育てネウボラについて案内するコーナー。妊娠届を渋谷区役所に提出すると、一人ひとりに地域の保健師が担当者としてつくこちらのしくみ。手厚いサポートが受けられ、18歳まで相談にのってくれるなど子育てに寄り添ってくれます。
会場内では、渋谷区子育てネウボラのコンセプトを紹介するムービーも上映されていました。保健師を窓口に、地域が一緒に子育てをしてくれる、そんな温かさが伝わってくる内容になっています。こちらは渋谷区子育てネウボラの公式サイトでもご覧になれます。気になる方はぜひのぞいてみてください。
渋谷区から面接を受けた*妊婦さんに贈られる育児パッケージ。フィンランドの方と日本の方をご両親にもつデザイナーさんが手がけた渋谷区オリジナルの収納ケースとスタイをはじめ、計20点が出産前に届くそうです。
*:平成31年4月1日以降に妊娠届を提出し、妊娠16週~33週に面接を受け、妊娠33週目に渋谷区に住民登録がある方
育児パッケージは、シブヤフォントを活用したこのデザイン性の高い箱に入って各ご家庭に贈られます。
渋谷区と江崎グリコ株式会社が連携して、渋谷区での子育てがよりよいものになるよう研究中というワークショップも行われました。お母さんとお父さんが、はじめての妊娠や出産、育児にどう向き合っていけばいいのかなどを考え、準備をするという深い内容のこちら、たくさんのご家族が参加していました。
女性の産前産後を支える産後ドゥーラを養成している一般社団法人ドゥーラ協会のコーナー。
ドゥーラ協会のブースでは、ベビーマッサージ講座がとてもゆったりとした雰囲気の中で行われました。赤ちゃん、気持ちよさそうでした!
産後ドゥーラによるハンドマッサージ体験も人気で、たくさんのお母さんたちがお父さんに赤ちゃんを抱っこしてもらいながら受けていました。
女性に向けて産前産後のケアを広げているNPO法人マドレボニータのコーナーでは、バランスボールを使ったエクササイズの体験講座が開かれました。
赤ちゃんの抱き方が体験できたり、助産師さんに抱っこのしかたを教えてもらえるコーナーや、
赤ちゃんがいるご家庭向けの防災グッズの展示コーナーもあり、お母さんたちが関心深そうに眺めたり、微笑んだりしている姿がとても印象的でした。
たくさんの赤ちゃんと、お母さん、お父さんが訪れた今回のイベント。とても穏やかな雰囲気で、そして子育てを支える人たちの熱くて優しいパワーに満ちていて、なんとも心地よく、あっという間に時間が過ぎていきました。今回のようなイベントなどを通して、子育てを行政が伴走してくれる、この渋谷区子育てネウボラのことがたくさんのご家庭に広がっていけばいいなと改めて思いました。
本当にすてきなしくみなんです。詳しくは、この渋谷区子育てネウボラが産声を上げる前から関わっている方々にインタビューでお話を伺っています。こちらは6月26日にご紹介。渋谷区、そして担当者のみなさんの温かい思いにぜひ触れてくださいね。
渋谷区役所 第二美竹分庁舎
住所/東京都渋谷区渋谷1-18-21
アクセス/JR渋谷駅東口から徒歩7分
東京メトロ渋谷駅13番出口から徒歩2分
開庁時間/8時30分~17時(土曜日・日曜日、祝・休日および12月29日~1月3日を除く)
TEL/03-3463-2409(中央保健相談所)
03-3463-3748(子ども家庭支援センター)
界外亜由美(かいげ・あゆみ)
シブヤ散歩新聞・編集長。クリエイティブ・ディレクター/プロデューサー/コピーライター。三重県の伊賀市、忍者の里出身。ちなみに、界外(かいげ)は本名です。東京に来て10数年目。いつ来てもワクワクする渋谷の街が好き(いまだに渋谷駅で迷う。方向音痴……)。興味のあるジャンルは料理、酒、発酵、お笑い、短歌、絵本、子育て。シブヤ散歩新聞ではレアキャラ的頻度で執筆予定。
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たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っていた時から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけ東京のおもしろさに出会える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。