二酸化炭素を体に吹きかけながら施術する「炭酸整体」や、体内の電位を整える「アキュスコープ」など、治療の即効性や確実性、小顔やリフトアップなど美容効果を求めて、海外からもお客さまがやってくる、道玄坂の「SHIBUYA整骨院」。<後編>では、小田倉伸夫院長や同院について、さらに深掘りしたいと思います。
小田倉院長は、大学で柔道日本一、格闘技では世界大会のアジア代表という、すごい選手だった!
小田倉院長の体つきを見て、なんとなく想像されていた方もいるかもしれませんが、院長は元柔道選手! 大学時代にはインカレの団体戦で日本1になり、柔道の強化選手にも選ばれたことがあるそうです。アテネ五輪金メダリストの鈴木桂治選手とは、1勝1敗の戦績だったんですって。すごい!
柔道で日本通運に入社し、柔道の成績を認められ社長から賞をもらうなど活躍していた小田倉院長でしたが、しばらくした頃、誘われて格闘技の世界へ飛び込んだそうです。すると、地下格闘技では国内であっという間に敵なし!に。
その実力からアジア選抜の推薦を受け、試合に勝ち抜き、総合格闘技のプライドでも有名だったヒョードル選手の団体で世界大会のアジア代表にまでなったのですが、背骨やヒザにさまざまな重いケガを併発し、引退を決意したそうです。それが31歳の時でした。
「医者から『できなくはないけど、きつい練習はもう無理』と言われたんですよね。自分を追い込めない時点で、格闘家としては失格です。追い込めなければ、世界で戦えないので、引退することにしました。
引退後はすぐに、柔道整復師の学校に通いました。3年かけて免許を取りながら、整骨院などで現場で研修もしていたんですが、学生の時点でそのお店の売り上げも、顧客の数も一番取っていたんです。割と飲み込みがいい方で、要領も良かったのかなと思います」
患者さんの話をしっかり聞き、ウソをつかないからこそ得られる厚い信頼感
とはいえ、要領の良さや飲み込みの早さだけでは、院長を差し置いてお店のナンバー1にはなれません。その秘密は、小田倉院長の患者さんのどこを見るか、どう患者さんと向き合うか、にありそうです。
「当時から、患者さんの話をしっかり聞くことを心がけてきました。痛いところだけを見るのではなく、睡眠時間がどれくらいかとか、いびきがあるかとか、食事やお酒などの生活習慣まで、広く話を聞くんです。寝ている時に無呼吸だったりするようであれば、血中の酸素濃度が低いことが想定できるし、飲酒習慣があるのなら、内臓に負担がかかっているかもしれないですよね。
だから、その人の話を聞きながら体を見て、内臓に原因があるなと思えばお医者さんを紹介することもあります。もちろん、100%ズバリ見抜ける訳ではないですが、そういう姿勢で患者さんと向き合っていると、それが患者さんにも伝わるんでしょうね。だからリピートして来てくれているんだと思っています。」
そしてもう一つの秘密は、小田倉院長がウソをつかないこと。
「1回でできる限り体がラクになるようにと全力を尽くしていますが、中には治してあげられない人もいます。そんな時には『精一杯やったけれど、ここまでしかできませんでした』と正直に謝ります」
謝るって、なかなかできないことだと思います。でも、患者さんと真正面から向き合って、正直にそれを伝えるからこそ、大きな信頼を得ているんでしょうね。
院長が人を大切にしているから、整骨院が人と人とがつながる場になっている
さて、SHIBUYA整骨院では院長と患者さんの信頼関係が育まれているだけでなく、患者さん同士、お客さま同士のつながりまで、次々と生まれているそうです。
「ここで顔を合わせているうちに、SEの人同士で仕事が生まれたり、テレビ局の人と物販を手がけている人がつながって新たな仕事が生まれたり、融資を検討している人に信頼できる金融機関を紹介する人がいたりしているんですよ。当院のウェブのシステムをやってくれている人も、実は患者さんとして来てくれたのが最初なんですよ。
なんというか、体を治しにくるだけじゃなくて、ここをみんなの交流の場として面白く使っていただいている感じですね。そういう意味でも、当院は整骨院の中でもちょっと特殊だと思うんですよね。整骨院だけど、美容もできるし、なぜか人脈もできるという。渋谷という場所柄もあると思いますけど、面白いですよね」
でもそれも、中心に小田倉院長がいるからこそ生まれている化学反応。小田倉院長は、“人脈のディズニーランド”と言われるほど、人脈が広いのです。
「それは、お友だち付き合いをちゃんとしているからですかね。人と人と、時間ではなく気持ちのお付き合いを心がけ、実践していますから。
だってみんな、僕にないものを持っているじゃないですか。育って来た生活環境も性格も性別も違うし、その中でみんな僕にないものを持っていて、何かのご縁でその人たちと会うと思うんですよね。だから僕はその出会った人たちから何かを吸収したいんです。そして、自分の人間力を上げていきたい。
格闘技の時も、応援してくれている人がいるから、みんなの力を借りて僕は頑張り、そしてその僕の姿を見てみんなも頑張れる、と思ってやって来ましたから」
柔道や格闘技を通し、応援し、支えてくれる人たちや、同じ目標に向かって一緒に切磋琢磨し合った仲間の大切さを身を以て知っている小田倉院長だからこその言葉だなあ、としみじみ思います。
妻に優しく、常にポジティブ! だから患者さんも元気になって帰っていく
今、SHIBUYA整骨院は、受付に女性スタッフがいるだけで、基本的には小田倉院長一人ですべての患者さんを見ているそうです。でも、平日は毎日夜10時までという営業時間を考えるとかなり大変ではないでしょうか。
「体は疲れてますけど、男に生まれた以上は家族のために働かないといけないので、しょうがないですよね。そして休みの日曜日も子どもと遊んだり家族行事があるので休みはないですよ。それでも妻がいろいろと支えてくれているから頑張れているんです。
ハッピーワイフ、ハッピーライフです。妻と子どもが笑顔でいてくれれば、どんなにきつくてもつらくても頑張れちゃうんです。
もちろん、1日に2、3時間しか眠れないので寝たいですけど、2人で作った子どもなんだから、嫁1人に任せちゃいけないでしょ。みんなの家族なんだからという気持ちで、夫婦で力を合わせて頑張ってます」
小田倉院長の男気と家族愛に、ただただ、感動。ワンオペ育児で頑張っている女性が聞いたら、涙しそうな言葉です。
「こういう話を患者さんとすると『みんなそんなふうにできてないよ』『先生、頑張ってるよ』と言ってくれるんですよ。そうすると、疲れていても、よし、頑張ろう!と思えるんですよね」
弾けそうな笑顔の小田倉院長にこんな風に言われると、私まで前向きな気持ちになって来ます。
「自分が常にポジティブなので、患者さんが落ち込んでいる時にも、『人間だから、山も谷もある。でも、やなことは、よし!と思って乗り越えたら、絶対にいいことあるから』という話をするんです。
『落ち込むことがある時は、自分にも絶対に責任があるから、もし時間に遅刻したり約束を破ったりしていることがあるんだったら、そういうのを一つ一つ直していこう。それで直した後にいいことがあったら、直したからいいことがあったって思える。その繰り返しでハッピーになっていけるから、だから頑張ろうや』って」
ただの表面上の優しい慰めではなく、ちゃんと向き合うべきことに向き合わってもらうための言葉をかけつつ、萎えかけている気持ちを奮い立たせてくれる大きなエール。
「はい、院長!一つ一つ頑張ります!」
思わず、そう言いたくなってしまうような院長の言葉でした。
確かな手技と、最新の機器。そして、人を大切にし、みんなをポジティブにしてくれる院長がいる、SHIBUYA整骨院。ぜひ一度、足を運んでみてください! リピーターになってしまうかもしれませんよ(笑)。
【店舗情報】
SHIBUYA整骨院
住所/東京都渋谷区道玄坂1-22-11 星野ビル2階
TEL/03-6712-7802
営業時間/平日:10:30〜14:30、17:00〜22:00
土曜日:10:30〜17:00
休診日/日曜日・祝祭日
http://shibuyaosteopath.ciao.jp/
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi