こんにちは、中学生ライターのたいちです。今日はいきなりクイズです!
「渋谷区内を走る鉄道路線はいくつでしょうか?」。
どうでしょうか?
答えは15路線(京王新線を含む)です!渋谷駅を通る路線からイメージすると、案外多いな、と思われるかもしれません。実は、渋谷駅を通らない鉄道路線は案外多く、全部で7路線もあるのです。
今回はそんな渋谷駅を「通らない」路線の主要駅、代々木上原駅について探ります。
一都三県を結ぶ鉄道の要衝 代々木上原
千代田線の始発/終点でもある代々木上原。「代々木上原行」という発車標は千代田線ユーザーにもおなじみです。
代々木上原駅を通る千代田線の直通電車の路線網は広く、西は神奈川県の箱根湯本駅、東は茨城県の取手駅にも及びます。
代々木上原のホームは、千代田線下りから小田急線下りへ、または小田急線上りから千代田線上りへそのまま乗り換えられるようになっています。
実はこれは、案外珍しいことなんです。普通は乗り換える電車が別ホームにあることが多く、時間がない場合には、階段をダッシュで移動しなければならないこともあります。しかし、代々木上原は向かい側に乗り換えるべき電車が待っているので、乗り換えがとてもスムーズです。こうしたホームの設計からも、小田急線・千代田線間を乗り換える人が多く使うことを想定した駅だということがわかります。
さて、せっかくなので、駅の周りを少し探索してみましょう。
改札を出ると、駅直結でたくさんの店舗が並んでいました。カフェやファストフードの店だけでなく、スーパーやドラッグストアまである充実ぶりです。
南口を出ると、駅前には数軒のみの飲食店に、周りは閑静な住宅街が広がっています。井ノ頭通り沿いまで歩けばマンションなどが増えてきます。
一方、北口は駅前通り沿いに商店街が広がっています。チェーン店も、個人営業のお店も両方充実しているようです。
少し歩いただけでも、「住みやすそうな街だな」という印象です。インターネットで「代々木上原」と検索すると「住みたい街」「憧れの街」「高級住宅街」という言葉が出てくるのもうなずけます。
代々木上原の街の始まり
さて、この街はどんな風に発展してきたのでしょうか。歴史を調べてみました。
代々木上原駅のある「渋谷区西原」は、もともと「代々木村」の一部。代々木村の中でも高台にあたるため、昔は「上の原」と言われていたそうです。「原」とあることから分かるように、明治時代までは牧場や原っぱが広がるのどかな地域でした。今の住宅街からは想像がつきません。
調べていくと、1913年に「大山園」という庭園が誕生した、とあります。原っぱの中に庭園をつくったのでしょうか?謎が残ります。
のどかだった代々木村上の原地区が大きく変化するきっかけになったのが、1923年に起こった関東大震災です。関東大震災によって多くの災害が東京各地で起きる中、高台にあったため被害の少なかった上の原が新たな住宅地として注目を浴びました。
それを機に当時の大山園の所有者だった徳川頼倫はこの庭園を分譲し、「徳川山分譲地」として売り出したのです。 ちょうど1927年に開業した小田急線の影響もあり、代々木上原は住宅地として発展していきました。
鉄道と住宅街は共に発展する
鉄道の沿線というのは開通すると駅前から住宅街が広がっていくことが多いです。それは、東横線などの古くからある路線も、つくばエクスプレスなど、近年開発された路線も同じです。
小田急の沿線も同様に、開業以来宅地化が進んでいきました。1928年の開業時には1日あたり2,100人程度だった代々木上原駅の乗降客数もどんどん増加を続け、1970年頃には1日あたり18,000人にもなっています。
そして、代々木上原駅の役割が大きく変わったのが、1978年3月の千代田線の開業です。ターミナルとしての機能を持つようになり、1日の利用者数は一気に91,000人にまで増加し、主要駅としての立場を築くことになりました。
街の発展につれて駅も発展し、駅の発展とともにまた街も発展していく様子を見てとることができます。
ロマンスカー遭遇スポットとしても
さて、小田急線といえば、やはり「ロマンスカー」を抜きには語れません!!ロマンスカーといえば「展望席」。前面展望で、運転手と同じ目線で車窓からの景色を楽しめる点で大人気です。毎日何本も走っているのに未だに1ヶ月先でないと予約を取れません。昔から走っていますが、今でも鉄道好きな子どもたちにとっては憧れの列車なのです。
僕自身、小さい頃から図鑑などでロマンスカーに親しんできました。特に印象的だったのは、白いロマンスカー「VSE」です。四角い列車が大半の中で、流線型のボディーと白と赤の塗装という装いで図鑑の中に現れたVSEはかっこよく、憧れの列車でした。
しかし、先日3月11日をもってVSEは運行を終了しました。最終日、僕も新宿駅に見に行ったのですが、人だかりができていました。鉄道ファンだけではなく、通勤客の方や小田急の社員と思われる方までが写真撮影をしていたのが印象的でした。
ぜひ行ってほしいスーパー人気撮影スポット
VSE以外のロマンスカーはまだちゃんと運行しています。代々木上原駅の構内でも見かけることがあり、そんな時はちょっと特別な、嬉しい気持ちになります。どうせならもっとよいロケーションで撮影したいところなのですが、そうもいかない理由があります。
代々木上原駅は高架の上にあります。実は高架付近で撮影地を探すのは極めて難しいのです。なぜなら、線路脇にスペースがないので、駅以外で人が立ち入れる場所@ないからです。
代々木上原駅付近でロマンスカーを撮影するなら、代々木八幡駅まで足を伸ばしてみてください。実はここに、撮影地探しにぴったりの場所があるんです!!
「参宮橋6号踏切」と名がついたこの踏切は、代々木八幡駅のすぐ隣りにあり、代々木公園駅からも徒歩4分程の場所にあります。(名前とは裏腹に参宮橋駅からはかなり遠いのでお気をつけ下さい。)
以前の記事でも紹介したように線路のカーブ付近はとてもよい撮影地になるのですが、「参宮橋6号踏切」付近のカーブは、それに加えて45kmの制限速度がかかっています。これは、写真撮影ではとても大きなメリットになります。
僕のような初心者でも、かなりいい写真がとれるおすすめスポットです。
この付近を散歩することがあったら、ぜひ1枚撮影してみてください。
参考サイト:・代々木上原不動産ブログ「代々木上原という街 歴史」
・Wikipedia-代々木上原駅
たいち
都内に住む中学生。小学校時代の塾があったので、渋谷には週に3日は通っていました。鉄道、歴史がもとから好きで、最近アウトドアに興味が出てきました。中学生になって行動が自由になってきたので、これからいろんな所に行ってみたいです。