はじまりは、界外編集長からのメッセージでした。
「あのさ、次のシブヤ散歩新聞、忍者の格好で散歩したいんだけど、どうかなあ。渋谷の忍者スポットに行きたいの」
そのメッセージとともに貼られていたURLをクリックすると、忍者装束が現れました。ネットで見つけたという呉服屋さんの、仕立てのよさそうな衣装でした。
そういえば、編集長は三重県伊賀市の出身(実は渋谷ではないのです(笑))。時々、SNSでも忍者について触れていました。忍者になって、渋谷の街を歩く。なんて、おもしろそう。
「忍者の衣装、わたしも着たいです。一緒に行きましょう!」
そして、実は渋谷界隈には、隠田神社と鳩森八幡神社という、忍者にまつわるスポットが2か所もあるのです。編集長も私も、今回初めて知りました。ということで、決まりました。忍者散歩。
説明書に書かれているマスクは、「誰だか顔がわからないし、さすがに怪しすぎて職務質問されそう(笑)」と付けるのを控えました。
忍者、YouTube番組に取材される!
ラフォーレ原宿前から出発です!
赤忍者(界外編集長)とピンク忍者(ライターたかなし)
そうしたら、ラフォーレ原宿前の横断歩道を渡ったところで、すぐに声をかけられました。ふりむくと、髪の長い女性。なんと、「取材させてもらえませんか?」と言うではありませんか。
アジアで放映している『Asian boss』というYouTube番組らしく、「原宿っぽいおしゃれなファッションの人たちを取材しています」とのこと。
もちろん、取材を受けました。
先に取材されている人をバックにポーズを取る界外編集長
インタビュアー:「今日のファッションのポイントは何ですか?」
界外編集長:「見ての通り、忍者です」
インタビュアー:「今日はなぜ、このようなファッションで原宿を歩こうと思われたのですか?」
界外編集長:「『シブヤ散歩新聞』という、散歩を通して渋谷の魅力を発信するwebメディアの企画なんです。原宿に忍者スポットがあるらしいので、忍者になってそこへ行こうと」
こんなふうに質問に答えて、最後に忍者ポーズで決めて、取材は終わりました。
「一緒に写真撮ってください」に感じる、一期一会の出会い
取材の後は明治通りを渋谷方面に向かってまっすぐ歩きます。
ひょっこり忍者
ベンチに座る忍者
バスを待つ忍者
こんなふうに街に忍んでいると(「まったく忍んでないよね!」ってツッコミが聞こえてきそう(笑))、声をかけられました。ふりむくと、スマホを持った女性です。
「一緒に写真を撮ってもらえませんか?最近、娘が忍者にはまっていて」
子どもが忍者にはまっている!? 忍者に!? なんてニッチな。YouTube番組に続いて、またもや想定外の展開に驚きながらも、「もちろんいいですよ!」。そうして写真を一緒に撮ろうとすると、「忍者と友だちになったよ、って子どもに言いたいんです」ということで、肩寄せ合って写真を撮りました。編集長は、まるで親友かのように女性の肩に手を置き、サービス精神たっぷりでした(笑)。
「ありがとうございました!」と笑顔いっぱいだったその女性。私たちこそ、喜んでもらえたならうれしいです。
忍者ならではの一期一会を楽しんだ後、また明治通りを歩きます。
歩道橋でものおもいにふける忍者
何度か通りすがりに「にんじゃ」「ニンニン」などと声をかけらながら歩くこと約20分。目的の隠田神社までもう少し。と・・・
ところが、隠田神社では新しい事実がわかり、忍者のわたしたちを驚かせたのでした。今すぐご紹介したいのですが、長くなるので続きは後編でお届けします。どうか次週までお待ちください。それではいったん、ドロンします。
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っていた時から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけ東京のおもしろさに出会える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。