伊賀の忍者が祀ったという隠田神社、真の事実が発覚!?
忍者になって、原宿にある忍者スポットをめぐる今回の散歩、最初の目的地である隠田神社は、ラフォーレ原宿からは約20分。明治通りから渋谷方面へまっすぐ歩き、渋谷区神宮前六丁目の交差点を左折して5分ほど歩いたところにあります。
明治通りの横断歩道をわたる忍者。こちらは撮影用。実際は逆方向に向かって歩きます。
2017年にオープンしたTRUNK HOTELまで来たら、左折します
まっすぐ歩くと、隠田神社の鳥居が見えてきます
まず、参道にある手水舎(ちょうずや)で手を清めます
手を清めた後は、参拝をします
参拝の後は、社務所の方に話を聞いてみました。「忍者にまつわる神社だと聞いたのですが」、と。
そうしたら、「去年からいわれるようになったんですよ」「(忍者と関係あるとか)そういうわけではない」とのこと。えーっ! 思わず、「忍者にゆかりのある神社だと聞いて、忍者になって来たんです」と言うと、「あはは、ごくろうさまです!」と笑ってくれました。「忍者にまつわる神社ということで来られる方は多いんですか?」と聞くと、「まあ、そうですね」と返ってきました。
(後日談:電話で改めて聞いてみたら、「伊賀衆から始まったとはいわれているけれど、忍者とは関係ありません」とのことでした)
なんと。隠田神社は忍者とは関係なかったのかぁ……とがっくり肩を落としながらも、せっかくだからと境内を散策した私たち。隠田神社は美容、技芸上達、縁結びの神様としていわれているらしく、写真のような絵馬がたくさんありました。
漢方の大家、河野カタ女史の銅像
狛犬。どこか愛嬌を感じさせます
隠田神社をあとにした私たち、お昼時なのもあってランチを取ることにしました。選んだお店は、TRUNK HOTELの向かい側にあるアボガド料理専門店。お店に入ると、店員さんたちが「わおっ」という笑顔で迎えてくれました。外国人の方も日本人の方も食事を楽しむ中、忍者の私たちも混ざって、多様性の豊かな空間になりました。
隠田神社で書いてもらった御朱印。たいていの方は、敷地内にある稲荷神社の分も一緒に頼むそうです
アボガド色の栄養たっぷりジュースを飲んで・・・
いただきます!
甲賀の忍者ゆかりのスポット、鳩森八幡神社へ。果たしてここは!?
ご飯を食べてお店を出た後は、一度表参道に戻り、キャットストリートを歩きます。
キャットストリート。ここではまったく声をかけられなかった(笑)
ウィンドウショッピングをする忍者
裏原宿を歩く忍者
裏原宿をどんどん歩きます。
散歩をした日はちょうど選挙を直前に控えていた頃。大通りに出ると、選挙カーが走っていました。車に向かって手をふる界外編集長。わたしもつられて手をふります。車に乗っていたうぐいす嬢の方は「あっ!」と声を出した後、「忍者のおふたり、ありがとうございます!」と元気な声で返してくれました。
選挙カーを見送った後は、しばらく歩いて路地へ。
遠くに見えるのが、鳩森八幡神社の庚申塔(こうしんとう)になります。
庚申塔で参拝する界外編集長
庚申塔とは、庚申信仰にもとづいてつくられた仏堂のひとつで、この案内板によると、こちらは享保8年(西暦1723年)の庚申と呼ばれる日に建てられたもの。渋谷地区では古くから庚申が盛んで、その塔が多く存在していたことが推測されているのだそうです。道路が新しく造られたことなどで片付けられていたのを、有志たちが修理復元したとのことです。
また、足や腰に不安のある人が、早い快方を祈って草履を奉納するところでもあるのですね。
左側に5分ほど歩くと、到着するのが鳩森八幡神社です。境内に、甲賀の忍者が祀った稲荷神社があるといわれています。後日、電話で話を聞いたときも「甲賀の忍者にゆかりのある稲荷神社です」と確認することができました。ほっとひと安心。
さらに、「以前はほかの場所にあったのをこちらに移したんですよ」とのこと。鳩森八幡神社のホームページにも、「昔は青山権田原の御鉄砲場付近に鎮座していて、甲賀組組屋敷の武士たちが崇敬していた。明治18年、青山練兵場の設置にともなって鳩森八幡神社に遷座(せんざ)された」とあります。
その後、昭和20年5月の戦災で社殿を焼失してしまい、本殿の中に八幡神宮、諏訪大神とともに祀られていたものの、復興を望む声が高まり、昭和45年に欅(けやき)造りの社殿が完成。遷座されたとのことです。
この鳩森八幡神社では結婚式が行われるほか、薪能(たきぎのう)も観ることができるようです。日程は5月10日(金)。ホームページに詳細がありますので、ご興味のある方は問い合わせてみてください。
シブヤ忍者散歩、いかがでしたでしょうか。
忍者になって原宿を闊歩する日がくるなんて、夢にも思っていませんでしたが、この散歩が決まってから忍者になるまで、わくわくし通しでした。
忍者になった時間は、たくさんの人から「にんじゃ!」と声をかけてもらって、うれしかったです。そう、うれしかったのです。忍者姿になっている本人からは自分の姿は見えないので、まったく違和感ないのですが、声をかけられると「わたし、忍者なんだ」と実感することができたのでした。やったね、と自分を見直すというか。
こんな気分になれる忍者散歩、もしよかったらご一緒してみませんか?
ご興味を持ってくださった方はぜひお問い合わせください。忍者になって渋谷を散歩しましょう!
【隠田神社】
東京都渋谷区神宮前5-26-6
TEL/03-3407-7036
【鳩森八幡神社】
東京都渋谷区千駄ケ谷1-1-24
TEL/03-3401-1284
http://www.hatonomori-shrine.or.jp/
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っていた時から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけ東京のおもしろさに出会える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。