今回散歩するのは幡ヶ谷駅周辺。幡ヶ谷周辺でお店を経営する若手店主によるチーム「幡ヶ谷極リーグ」が企画する街歩きイベント「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」が開催されるということで、その参加店を巡りながら幡ヶ谷の街を歩いてみます。いつも気になりながらも、なかなか入る機会がなかったお店を訪れる絶好のチャンス! どんな出会いがあるでしょうか? とても楽しみです。
<ササハタハツ散歩>とは
渋谷区主催の「まちづくりフューチャーセッション」を通じて発見したササハタハツ=笹塚・幡ヶ谷・初台地区の魅力をシリーズでご紹介するものです。ササハタハツを楽しめる散歩ルートとともに、たくさんの人に知ってもらいたい、訪れてもらいたいスポットを紹介していきます。
「極リーグ」が「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」にこめる想いとは
「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」を主催する「幡ヶ谷極リーグ」は幡ヶ谷周辺でお店を経営する若い店主たちによるチーム。「渋谷のラジオ」にも毎月第3木曜日に出演しています。
幡ヶ谷という地域を盛り上げ、店舗同士が切磋琢磨しながらもお互いのお店を訪れるお客さんが増えるようにと結成された「極リーグ」が主催するイベントが、各店でワインコイン=500円で飲食ができたり、サービスが受けられたりする「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」です。2012年にスタートし、2018年3月に開催されたvol.65で6周年。これまでは毎月最終日曜に行われてきましたが、2018年からは不定期開催となるそう。
でも、それは元気がなくなったからのペースダウンではないのです! 「幡ヶ谷極リーグ」の中心メンバーであり、幡ヶ谷駅前でタイ料理店『スパイスMARKET』を営む慶松(けいまつ)さんにお話をうかがいました。
<慶松さん。以前は音楽関係のお仕事をされていたそう。>
「そもそも極リーグを結成したのは『幡ヶ谷ワンコインフェスタ』をやるのが目的ではなく、幡ヶ谷を盛り上げるため。2018年からはワンコインフェスタだけに力を注ぐのではなく、ほかにもいろいろなイベントをやろうということになったんです」(慶松さん)
「いろいろなイベント」のひとつは、2017年11月にすでに行われていました。こども食堂支援などの活動をするNPO法人レイボーチェと協力し「岩手芋煮会!meetsこども食堂」を開催。「幡ヶ谷極リーグ」の参加店舗のいくつかが緑道にある「西原緑道公園」に屋台を出しました。
「こども食堂」の理念に基づき、屋台で販売される料理はかなりリーズナブルな価格設定になっていて、子どもも大人もたくさんの人が訪れ、西原緑道公園がとてもにぎわっていました。
<子どもには無料で綿菓子のプレゼントもありましたよ!>
幡ヶ谷界隈には慶松さんと同じように音楽業界出身の店主がいたり、アーティストが住んでいたりもするそう。
「そんな縁を集めて、幡ヶ谷ならではの音楽イベントをやるのもいいですよね」と、構想は広がるばかり。幡ヶ谷の街で開催される音楽イベント、楽しみですね。
今後のイベント開催や次回のワンコインフェスタの情報は、「幡ヶ谷極リーグ」のサイトやSNSで告知されるそうです!
「ワンコインフェスタ」で幡ヶ谷ならではの個性あふれるお店を網羅!
「幡ヶ谷には、初台のオペラシティや笹塚のメルクマール京王笹塚みたいな“これ”というランドマークがない。だからこそ、小さくて面白い店舗がひしめきあっている地域なんです。笹塚がオーバーグラウンドなら、幡ヶ谷はアンダーグラウンド。中央線沿線でいうと、高円寺に似た雰囲気がありますよね」と、慶松さんは言います。
そんな幡ヶ谷の面白さを体感できるのが、ワンコインでたくさんのお店を回れる「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」。
「気にはなるけど、入ってみて自分に合わないお店だったら?」という心配も、ワンコインならサクッと移動できるメリットがあり、お気に入りのお店がいくつも見つかる可能性も。
<「幡ヶ谷ワンコインフェスタ」のチラシ。参加店舗などでもらえます。>
私が最初に訪れるお店として選んだのは六号坂通り商店街の入り口近くにある『miubar(ミウバー)』。
<『miubar』入り口。ワンコインフェスタの提灯が参加店舗の目印です。>
店内はインテリアも素敵で落ち着いた雰囲気。ゆったりお酒を飲むのにぴったりなお店です。
<カウンターに立っているのはマスターの三浦さん。>
ここでワンコインで提供されるのはとっておきのフード&ワンドリンク。もうひとつワンコインの催しとして、占いが! 予約不可で先着順とのことで、『miubar』のオープン時間である15時を待ち構えて入店しました。
占ってくださるのは、プロの占術家として活動する羽馬光家さん。1人20分程度かけて、西洋占星術とカードで運勢をみてくれます。
<羽馬さん写真。いでたちからして占い師らしい雰囲気が漂っています。>
ドキッとするようなアドバイスや、去年の運勢で思い当たるところも多々あり……。人生について参考になるようなアドバイスもいただけました。これでワンコインとは十分すぎるほど。
カウンターに移って、ワンコインのドリンク&フードをいただきます。こうして大人な雰囲気のバーでひとり飲みなんて何年ぶりでしょうか……。この後を考えて残念ながらノンアルコールですが、自家製のジンジャーエールもとってもスパイシーで贅沢な味でした。
<フードは合鴨の赤ワインソース。ワンコインとは思えないクオリティ !>
カウンターで隣になった女性が「夜は家族がいるのでなかななか出かけられなくて。日曜の昼間だと、自由に飲みに行けるのがうれしいです」と。心から同意です! 日曜の昼間にちょこっと飲みができるのも「ワンコインフェスタ」ならではの楽しみですね。
マスターの三浦さんのおだやかなトークにも癒される『miubar』。またリフレッシュしたいときに訪れたいお店です。
新感覚のスイーツからスパイシーなタイ料理まで、幅広く堪能
一軒目からすっかり満たされた気分に。ですが、まだまだ行きたいお店がたくさんあります!
「六号通り商店街」を幡ヶ谷駅方向に向かいます。2軒目ではのんびりスイーツを楽しみたくて、幡ヶ谷駅前の路地にある『7CAFE(ナナカフェ)』に向かいます。
<『7CAFE』。店内にはたくさんの本が。読みながらコーヒーも楽しめます。>
ここでのワインコインメニューは、新感覚のスイーツ「ババンヌ」と珈琲のセット。
<ババロアをスコーンでサンドした「ババンヌ」。ぷるぷるのババロアとスコーンが相性◎です。>
『7CAFE』には以前も何度かお茶をしに来たことがあったのですが、店主の方から「前も来ていただいたことありますよね?」と声をかけていただきました。何度か訪問したお店で、こうして顔を覚えていていただけるのって、うれしいものですよね。
おやつタイムも満喫したところで、甲州街道を渡って幡ヶ谷駅南口方面に。慶松さんが経営するタイ料理店『スパイスMARKET』に向かいました。
<カラフルでにぎやかな店内。>
タイの屋台風料理が食べられる『スパイスMARKET』。2階にはお座敷があるので、赤ちゃんや子どもを連れたママたちのママ会が開催されることもあるそうですよ。
ここでのワンコインメニューは自慢のタイ料理メニューからセレクトできます。私が選んだのは「牛すじ入りのグリーンカレー」。ワンドリンクもついています。
<タイ料理でおなじみのグリーンカレーにとろとろの牛すじがたっぷり!>
タン刺し、国産牛ステーキと肉好きも大満足のワンコインメニュー
すっかりお腹もいい感じになってきましたが、まだまだいけます! ちょうど時刻も夕方に。
「ワンコインフェスタ」は店舗によってスタート時間がバラバラなのですが、居酒屋やバーは夕方からオープンのところが多いのです。ちょうどオープン時間になったのを狙って、六号通りにある居酒屋『みやび屋』に向かいました。
<六号通り商店街の真ん中あたりにある『みやび屋』。>
「みやび屋」は、今回ワンコインフェスタ6周年記念ということでの特別参加。いつも商店街を通ると、カウンターにパンダのぬいぐるみが座っているのが見えて、「パンダがいる!」と反応する子どもも。うちの子どもにも「パンダがお酒飲んでるお店」としておなじみです。
居酒屋ということでなかなか子ども連れでは入ることができなかったお店。この機会に行っておきましょう!
<いつもビールを飲んでる常連のパンダさん。>
「みやび屋」のワンコインメニューは低温調理された「タン刺し」。
<柚子胡椒をつけていただきます。これでワンドリンクがついて500円とは破格!>
「低温調理」という言葉を初めて聞きました。最近話題の調理法なのだとか。タンのコリコリ感がありながら、ふんわりやわらかな肉のかみごたえが。
『みやび屋』社長の石原さんとお話することができ、「子どもがいてなかなか居酒屋には来れなくて……」と伝えると、「うちのお店の奥はよく幼稚園や小学校のクラス会に使ってもらってるんですよ」と、お店の奥のスペースを見せていただきました。
<店内奥にある広いスペース。手前のテーブル席も合わせて最大60名での宴会が可能です。>
外からはこんなに広いスペースがあるなんて全く気づきませんでした! この発見も「ワンコインフェスタ」のおかげです。次回のパパママ会は「みやび屋」さんがいいかも!
<ご自身もお子さんを持つパパというみやび屋の石原さん。>
最後にもう一軒、前から気になっていたお店に行ってみることにしました。「みやび屋」からササハタハツ散歩No.4でご紹介した仲屋商店さんの前を通って幡ヶ谷駅方面に向かう途中にある肉バル『pippi』です。
<外に張り出したテラス席などもある開放的な『pippi』。>
外からもよく見えるオープンな店構えと「肉」というキーワードにひかれていたのです。いつもにぎわっている様子のお店、私が行った18時ごろもすでに何組もお客さんがいました。
こちらのワインコインメニューはなんとなんと「国産牛ステーキ」! ジューシーながらもさっぱりした味のお肉で、さらっと食べられてしまいました。
<わさびと塩をつけるので、よりさっぱりと食べられます。>
合計5軒のお店をまわり、心ゆくまで「ワンコインフェスタ」を満喫しました。どのお店もチェーン店ではなく、「幡ヶ谷」にしかないお店です。それぞれに自慢の味やサービスがあるとともに、「幡ヶ谷」という地を愛し、盛り上げようとする店主の方々の存在も魅力。店主の方々が考える「幡ヶ谷」についてのお話を聞くのがとても楽しかったです。
次回の開催は未定とのことですが、最新情報は「幡ヶ谷極リーグ」のサイトやSNSで知ることができます。ササハタハツ在住の方も、そうではない方も、一度「ワンコインフェスタ」に参加すると、「幡ヶ谷」という街の個性や面白さを体感できると思います。
NPO法人 代官山ひまわり 古川はる香
女性誌を中心にライターとしても活動しながら、代官山ひまわりに参画。ササハタハツ歴12年。私たちが所属する「NPO法人代官山ひまわり」は、子育て世代の女性が、地域や社会とつながりを持ちながら、自分の居場所を見つけて楽しくはたらくための”新しいはたらきかた”を推進する団体です。今回、渋谷区主催の「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」に参加し、街の魅力を広く伝えるための記事作成を行っています。
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