笹塚駅から歩いて数分の所にある笹塚観音通り商店街。その名のとおり、商店街には観音様が祀られています。そして商店街の横には「ササハタハツ散歩シリーズ」でも何度か取り上げてきた「玉川上水旧水路緑道」がありますが、ここでは他の緑道と違って水の流れを見る事が出来るのです。今回は観音様や水の恩恵を受けるこのエリアの魅力をご紹介します。
<ササハタハツ散歩>とは
渋谷区主催の「まちづくりフューチャーセッション」を通じて発見したササハタハツ=笹塚・幡ヶ谷・初台地区の魅力をシリーズでご紹介するものです。ササハタハツを楽しめる散歩ルートとともに、たくさんの人に知ってもらいたい、訪れてもらいたいスポットを紹介していきます。
観音様と共にある笹塚観音通り商店街
京王線笹塚駅から南側に歩いてすぐの所に、観音様が祀られている「笹塚観音通り商店街」があります。
ここの観音様、実はとってもすごいエピソードをお持ちなのです。
それは昭和20年、第二次世界大戦の東京大空襲で辺り一面は焼け野原になってしまった時の事。当然観音様も焼失してしまっただろうと思われていたそうですが、なんと瓦礫の中からほぼ無傷で発見されたのだとか。普段はガラス扉の中に祀られていますが毎月18日に御開帳になります。是非ご利益にあずかりたい!と拝みに行ってきました。
—商店街を少し歩くと旗が見えてきました。
<赤い旗が目印です。>
旗の奥にあるのは観音会館。ここの一角に観音様が祀られています。
<左側に観音様のいらっしゃる観音堂があります。>
いつからこの地で見守られているかは定かではないそうですが、お姿を拝見する限りではかなり古いと思われます。
地元の方にとっては、戦争という大きな苦難を共に乗り越えた観音様。その存在は多くの人にとって生きる希望となったはずです。どんなに勇気づけられ、心強かったことでしょう。
<周りは花などできれいに飾られ、変わらず大切にされているのが伺えます。>
数年前には溶けたろうそくの形が観音様のお姿そっくりになったこともあるのだとか。またまたすごいエピソードに、人知を超えたなにかを感じずにはいられません! そんな高ぶった気持ちのままお賽銭を入れ、手を合わせると――次第に心が落ち着いた気がします…。
渋谷区内で、「玉川上水」の水の流れが見えるのはここだけ
商店街を越えるとその先には「玉川上水旧水路」があります。
<笹塚橋>
ここは「開渠(かいきょ)」という、水路の上が塞がれていない区間。渋谷区内では、代々木三丁目から笹塚一丁目まで続いている「玉川上水旧水路跡」ですが、開渠になっているのは、この辺りだけなんですよ~。
<玉川上水に水の流れがあった頃を思わせる風景です。>
渋谷区、しかも笹塚という賑わいのある街の駅の近くで、こんなにも牧歌的な雰囲気を楽しめるのはちょっと贅沢な気分になります。かつてはこういう風景がずっと続いていたのでしょうか。
<水は透き通り、きれいです>
この開渠部分は東京都の歴史環境保全地域にも指定されています。
<看板も立っています。>
見ているだけで癒されるこの風景、残したくなるのもわかりますね。
笹塚駅に近づくと、他の緑道と同じように「暗渠(あんきょ)」という水路が地下にある区間になります。その上は道になっていて、歩くことができます。
この道をたどっていくと――
<京王線の線路に近づいていきます。>
かつて「南ドンドン橋」という橋があった場所を示す石碑を見つけられます。
<とっても小さい石碑。文字のレイアウトが可愛いです。>
京王線の高架下近くにあるこの石碑。今は人や車の往来が激しく、かつて水が流れていたという面影はまったくありませんが、石碑のお陰で名残を感じることができますね。
今回はここでお散歩終了です。この地で大切に受け継がれ、悠久を思い起させる魅力的なスポットがたくさんあったこのエリア。かつての人々が大切にしてきた想いをよりよく継承していけたら――そんなことを思ったお散歩道でした。
NPO法人 代官山ひまわり 福田晶子
ササハタハツ歴、子育て歴ともに11年目。もっと地域の人と仲良くなりたい!と、この企画に参加しています。ササハタハツ歴12年。私たちが所属する「NPO法人代官山ひまわり」は、子育て世代の女性が、地域や社会とつながりを持ちながら、自分の居場所を見つけて楽しくはたらくための”新しいはたらきかた”を推進する団体です。今回、渋谷区主催の「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」に参加し、街の魅力を広く伝えるための記事作成を行っています。
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