日本ではデリケートゾーンのお手入れがいかに遅れているか…… という少々衝撃的な事実に驚きつつも、日常のケアの大切さを実感した<前編>。<後編>では引き続き、日本発のデリケートゾーンのお手入れブランド「トレスマリア」のバルドゥッチ淳子さんと、PRの高田久美子さんに、普段はなかなか聞けない話をしっかりと聞いていきたいと思います。
デリケートゾーンと向き合うことは、自分自身と向き合うこと
そもそも日本では、デリケートゾーンについての話はあまり大っぴらにできないというか、人前で話すのがはばかられるような雰囲気があります。
アンタッチャブルな話題だからこそ、どう洗えばいいのか、どうケアすればいいのかを聞くこともできない。聞かないとわからないままだから、そのまま覆い隠して見ないようにしてきた面があるような気がします。
「日本では『やだ、恥ずかしい』というトピックになっていますよね。でも、いちばん大切なのはデリケートゾーンを通して自分自身としっかり向き合うことだと思うんです。だって、赤ちゃんが生まれてくるところだし、初潮から閉経まで毎月関わっていて、一番女性を司っているところですから、もっと意識高くあるべきだと思うんですよね。
日本人はもともと、見えないことに対する意識が低い面があるのかもしれませんね。美しくお化粧をするし、ヴィトンのバッグも持ってきれいに着飾るけれど、実は家の中は物であふれて片付いていなかったり。同じように、外からは見えないデリケートゾーンに意識が届きにくかったり。
外人は逆で、家はすごく豪華だったり、きれいに片付いているけれど、そういう人ほどTシャツにジーンズといったラフな格好をして、ノーメークだったりするんですよね。もちろん、デリケートゾーンもきちんとケアしていて、自分に自信があるからこそ飾らず、どんどん素肌になっていくのでしょう。
意識高くケアをすれば、自分自身を大切にする気持ちが生まれ、体も健康になっていきます。それに、隠さずオープンにしている環境があれば、海外のように母親も知識を持ち、娘さんも恥ずかしがらずに、わからないことや疑問を母親に聞けるようになっていくことでしょう」(バルドゥッチさん)
まずは、「見る」! 目を背けずに、直視する!
そんな私たち日本人が一番最初にすべきケアの第一歩は、自分のデリケートゾーンをしっかりと「見る」こと。だから、トレスマリアでは専用のミラーも扱っているのです。
「自分のデリケートゾーンをしっかりと見たことがある人って、そんなにいないと思うんです。でも、顔を毎日鏡で見るように、まずは自分の目で見て、知ることが大切です。
最初は結構衝撃的なんですよ(笑)。『こんなはずじゃ』と。理想と現実のギャップにショックを受けるかもしれませんが、見て、洗って、潤す(保湿する)ようになるとどんどんキレイになっていきますから、安心してください。今より悪くなることは絶対にありませんから!」
内側のキレイが自信、幸せへとつながる
そして、デリケートゾーンに自信を持てるようになると、女性はどんどん輝きを増していくと、PRの高田さんは言います。
「見えないところがキレイになっていくというのは、すごく自信につながるんです。メイクで外見を繕うよりも、内側をキレイにする方が、もっとキレイになれると思っています。
私自身、以前は化粧品会社で働いていたので、メイク命で(笑)顔しか見ていなかったんですが、デリケートゾーンをケアするようになって自分で違いを実感しています。デリケートゾーンをケアすると内側からの自信につながり、自信が女性の幸せにつながっていく。それを多くの人に伝えていきたいです」
伝える活動の一つとしてトレスマリアが取り組んでいるのが、大学でのセミナーの開催。2018年は東京家政学院大学で開催し、今年は立正大学からも依頼がきているそうです。
「10代、20代のころってデリケートゾーンについて友だちと話すことも少ないと思うので、デリケートゾーンの構造とケアの仕方を正しく伝えています。月経にトラブルがあったらすぐに婦人科に行って診てもらうことや、若いうちから子宮頸がん検診を受けることの大切さも話しています。
ケアをしていないと雑菌が増えて、それが不妊や早産の一因にもなるとも言われています。早めにケアを始め、女性として健やかに成長していってほしいと思っています」(高田さん)
更年期ケアもデリケートゾーンから
そして、女性の誰しもがいずれ向き合わなければいけないのが更年期。50代に入って女性ホルモンが急激に減少した結果、皮膚の潤いや髪の毛のツヤ、筋力など、あらゆる部分に大きな変化が表れてきます。
「新宿伊勢丹の店頭に立たせてもらうと、デリケートゾーンが『乾燥してかゆい』とおっしゃる50代以降の方たちがとても多いんです。よくよく話を聞いてみると、尿でかぶれてかゆくなっていたり、乾燥でカサカサになっていたり。
また、密かに悩んでいる人が多い尿漏れも、デリケートゾーンの乾燥による血行不良が影響しています。さらにガードルを履くことでもっと血行が悪くなって、お尻の筋肉が凝り、筋トレもしないから弱ってどんどん尿漏れしやすくなるんです。保湿してマッサージして、筋トレを少しすると、『漏れなくなった』と皆さんおっしゃられます」(高田さん)
何歳になってもグレーに染まらず、ピンクの花をパッと咲かせてほしい
更年期に入ると、身体面だけでなく心のバランスも乱れがちになります。イライラに振り回されてしまったり、ネガティブな考えに囚われてしまったり。更年期でなくても、女性はいろいろな悩みがありますよね。トレスマリアのブランドイメージであるピンク色には、そんな女性たちへの温かいメッセージも込められています。
「製品にはシャクヤクのエキスがたくさん入っています。凛とした茎に柔らかなピンク色のお花を咲かせるシャクヤクのように、女性たちにもまっすぐにパッと咲いてほしい、そんな思いを込めています。デリケートゾーンのケアが母から私、そして娘へと伝えられ、健康で幸せな女性が増えますように。
特に更年期以降、女性ホルモンがなくなると、世界がグレーになっていくという方が少なくありません。でも、デリケートゾーンをケアすることで、女性の人生のうち多くの時間を占める月経期や更年期とポジティブに向きあって、楽しんでもらいたいんです。
洗面台に置いても恥ずかしくないパッケージなので、パートナーが見ても恥ずかしくないし、お客さまが来ても『このボトル可愛いね』って言ってもらえると思います」(バルドゥッチさん)
今後は大学生への啓発、産前産後の女性と赤ちゃんへの啓もう、そして、更年期を迎える女性たちの悩みを解決するための活動に、さらに力を入れていくというバルドゥッチさんと高田さん。テレビや雑誌などメディアからの取材も相次いでいて、2019年はさらに活動が広がっていく予感です。
渋谷発のデリケートゾーンのお手入れブランド「トレスマリア」、これからも応援しています!
【ブランド情報】
トレスマリア:http://www.tresmaria.com
Facebook:https://www.facebook.com/TRESMARIA.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/tresmaria.tokyo/
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi