しぶキャラ散歩とは
くまモンやふなっしーをはじめ、全国各地で活躍するご当地キャラ。実は、渋谷にも公認PRキャラクター「あいりっすん」のほかに、いろいろなキャラクターがいるんです!一体どんなキャラがそろっているのか気になりませんか?この「しぶキャラ散歩」は、渋谷(しぶや)で活躍するキャラクター(=しぶキャラ)の知られざる魅力を存分にご紹介するシリーズです!
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記念すべきしぶキャラ散歩の1回目は、「原宿みっころ」(以下、みっころに統一)。つぶらな瞳とまんまるお顔がキュートなミツバチのキャラクターです。2016年11月に行われた「第1回しぶキャラ会議」(東京商工会議所渋谷支部主宰)の人気投票では、堂々の1位を獲得しました。
10月9日の散歩フェスにも遊びにきてくれたみっころに独占インタビュー! ただ、みっころは話すより踊る方が得意とのことで、生みの親のひとりである、老舗洋菓子店コロンバンの太田眞裕取締役商品部長と広報室の白石亜弥子さんにインタビュー。みっころが生まれたきっかけや魅力の秘密、さらにキャラ同士の交流、キャラならではの醍醐味や苦労話などいろいろと伺ってきました。
散歩フェス@2017の様子は↓こちら
http://shibuyasanpokaigi.jp/shinbun/index.php/2017/10/19/sanpofes2017/
http://shibuyasanpokaigi.jp/shinbun/index.php/2017/10/24/sanpofes2017_2/
手製はちみつにこだわる
老舗洋菓子店の手作りゆるキャラ
みっころが生まれたのは、2014年。老舗洋菓子店のコロンバンのイメージキャラクターとして産声を上げました。きっかけは、2010年からコロンバンの屋上で始まった、ミツバチを飼い育てる養蜂でした。
同社のお菓子作りになくてはならない、はちみつ。しかし、一方で、ミツバチが世界的に減少しています。環境指数生物であるミツバチは、はちみつを提供してくれる以上に、花から花に飛び回り受粉することで農作物の育成、生態系の安定に重要な役割を担っています。そのことを知った同社が、ミツバチを増やすことで自然環境に貢献できたら、と養蜂をスタートさせました。
みっころはミツバチの有益性やはちみつの魅力を、たくさんの人に知ってもらうために生まれました。1924年創業の長い歴史をもつコロンバンにとって、初めてのチャレンジでした。当時の様子について、太田部長は話します。
「『キャラクターをつくったらどうだろう』という小澤俊文社長のアイデアをもとに、マジパンと呼ばれるお菓子で作った原型をデザイン部のスタッフがさらにかわいく進化させました。その後、小澤社長と養蜂担当、広報室のスタッフでみっころのプロフィールを作りました」
特徴は、プロフィールを通してミツバチの習性や魅力が伝わること。
「たとえば、みっころは女の子なのですが、働きバチはすべてメスなんです。特技の8の字ダンスは、蜜源を見つけた時の仲間への伝達方法になっています」
性格の説明にある「子だくさんの家に生まれた」というくだりは、ミツバチは1匹の女王蜂から生まれたたくさんの蜂がひとつの巣箱で一緒に生活することから。「巣箱1箱には数万匹のミツバチがいると言われているんですよ」と太田部長。
とてもやさしい性格だけれど、時には家族のために闘うこともある。それは、毎年、秋になると襲ってくるスズメバチから家族を守ることを意味しているのだそうです。スズメバチは肉食で、ミツバチなどの昆虫を餌にするのです。
このプロフィールを見ているだけで、今まで知らなかったミツバチの習性がたのしく理解できますね。
みっころの黄色いレッグウォーマーは、花粉だんごを表現。ミツバチは花のまわりをぶんぶん飛びながら花蜜を吸いますが、その際、体についた花粉を脚に集めて巣へ運ぶそうです。花粉はミツバチにとって大事なたんぱく源。花の蜜と花粉を身体に取り入れて、ミツバチ自身がもつ酵素と一緒に出すことで、濃厚で栄養価の高いはちみつが出来上がるのだそうです。
ちなみに、花蜜ははちみつの原料、花粉はローヤルゼリーの原料になります。ローヤルゼリーは幼虫の餌で、どちらもミツバチの体内で酵素と混ざって作られるとのこと。
名前は一般公募の約5,600件の中から決定
最初にプロフィールが決まったみっころ。次に、プロフィールをHP上で公開し、2013年12月~2014年1月中旬にかけて、名前を一般公募しました。応募総数は5,578件。その中から、「原宿みっころ」に決まったのはどんな経緯からなのでしょうか。
「ミツバチとコロンバンの言葉を合わせた名前が多かったのですが、その中で最も多い名前4つか5つに絞って、イメージにより近い『みっころ』に決めさせていただきました。また、当社では、原宿に密着したキャラクターに育てたいという思いがあったので、『原宿』を頭につけました」(太田部長)
応募の中にはみっころのほか、ハニーちゃん、ハニーコロンちゃんなどさまざまな名前があったそうです。
地域イベントへの参加ほか、店頭にも
活動内容について聞くと、原宿を中心とした渋谷区内のイベント参加が多いそう。具体的には、毎年8月に表参道で開催される「スーパーよさこい」、金王八幡宮での節分と桜まつりなど。
さらに遠征も。年内では、2017年11月25日(土)、26日(日)に埼玉県羽生市で開催される、世界中のゆるキャラが集まるイベント「世界キャラクターさみっとin羽生」に参加。2018年2月24日(土)には、チョコを食べながらマラソンをするという「チョコラン2018」で横浜市へ出向く予定です。
イベント参加のほか、土日のどちらかはコロンバン原宿本店の店頭に立っていることも多いとか。スケジュールは不定期ですが、「今後はもっと増やそうと思っています」(太田部長)とのことです。
キャラならではの醍醐味、大変さ
自社のキャラクターが生まれたことにより、コロンバンにとってこれまでにない新しい経験や出会いがあったそうです。2016年秋に行われた「第55回実りのフェスティバル」に参加した際は、たくさんのキャラクターと一緒に秋篠宮様と妃殿下をお出迎えしました。なんと、妃殿下に笑顔でお手を振っていただいたとか。
「ブースをまわられた後、みっころにお気づきになって、養蜂のことをご質問いただきました。うれしかったですね」(太田部長)
まさに大活躍のみっころですが、たった一つ不得意なものがあります。それは、雨。屋外でのイベントが多いのですが、雨が降るとどうしても活動の幅が狭くなるそうです。「せっかく楽しみにしてくださったファンの方に申し訳ない気持ちになります」と太田部長は言います。
2017年2月に行われた「渋谷・表参道WOMEN’S RUN」は雨が降る中開催されたため、後ろから傘をさして、なんとか参加したそうです。
また、ご覧の通り頭が大きいキュートな3頭身キャラなので、幅の狭いドアを出入りする時に頭だけが通らず、大変な思いをしたこともあるそうです。横向きになってそーっとすり抜けるなど、その姿を想像すると、キャラならではの裏の苦労が見えてきます(笑)。
地元密着で、これからも元気に活動したい
みっころが生まれてから約3年。はじめてのキャラクター誕生で、歴史あるコロンバンにとって新たなステークホルダーが増えました。
最初に、みっころのファンのみなさん。最近ではみっころの活動情報を公式HPでチェックして駆けつけてくれる人も増えているそうです。白石さんは言います。
「お子さんから大人の方まで幅広い層の方に応援していただいています。誕生日にお手紙を送ってくださったり、年賀状をくださったり。時々、みっころが頑張りすぎていると、『そろそろはちみつタイム(休憩)にしてあげて』とアドバイスをいただくこともあるんですよ(笑)。本当にありがたいです」
そして、地域の人たちとのつながり。
「活動を通して、地域のみなさんと仲良くなれました。『また次のイベントも一緒に頑張ろうね』と声をかけあうことも増えました」
さらにもう1つ。ほかのキャラたちの存在も。
「キャラのみなさんとの交流も大事にさせていただいています。みなさん、本当によくしてくださって、誕生日パーティの招待が届くこともあるんですよ(笑)。コラボ撮影も楽しませていただいています」
同社では、こうしたつながりを大切に、今後も、みっころと元気に活動したいとしています。「地元のイベント参加をメインに、当社の養蜂活動の啓蒙を図っていきたいです。はちみつを使ったお菓子の美味しさも伝えていきたい」と太田部長は話します。
最後に、みっころの言葉で読者やファンのみなさんに向けてメッセージをいただきました。
「いつも応援してくれてありがとうはにぃ。またイベントに出るから、よかったら一緒に遊んでほしいはにぃ♡」
いかがでしたか? みっころへの単独取材は初めてとのこと。シブヤ散歩新聞にとっても貴重な時間となりました。みなさんにもお楽しみにいただけたでしょうか。
そして、本家「ゆるキャラグランプリ2017」の投票が本日11月10日(金)18:00まで開催中です。この記事でみっころに興味をもたれた方は、応援してあげてくださいね!
原宿みっころの投票ページはこちら
しぶキャラ散歩、次回は、「おもてサンド宣伝部長 たぬ」の予定です。
どんな話が飛び出すか、お楽しみに!
【店舗情報】
コロンバン 原宿本店サロン
東京都渋谷区神宮前6-31-19
TEL/03-3400-3838
営業時間/月~土10:00~21:00(日・祝 ~20:00)
定休日/年中無休
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っている最中から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけTOKYOのおもしろさに出合える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。子どもが伸びる「体験型教育」情報サイト『のびるWEB』の編集人。
のびるWEB