しぶキャラ散歩の第3回目は、渋谷Flowerプロジェクト(通称:シブハナ。以下、この通称でお呼びします)のマスコットキャラクター、くもっくるです。シブハナは、渋谷の街の花壇への水やりやゴミ拾いなどを活動内容としているボランティアグループですが、そのマスコットキャラクターとは、いったいどんな存在なのでしょう?
花に恵みをもたらす雲をイメージ
お話をうかがった肥田さん
今回インタビューに応じてくださったのは、シブハナで活動していらっしゃる肥田昌也(通称:しょうなり)さん。本業は別にあるため、通称を用いることがあるとのこと。チームくもっくるの一員として、くもっくるが全国各地のイベント活動に参加する際には、アテンド役を務めることが多いといいます。
雲はお花にやさしい♡
さて、いよいよ本題のくもっくるです。くもっくるは、シブハナの活動を応援する、雲をイメージしたキャラクター。なぜ雲なのかというと、雲は植物が育ちやすい環境をつくるものだから。たとえば、きびしい陽射しを遮ったり、草花に恵みの雨をもたらすのは、雲ですよね。雲は「渋谷を花と緑でいっぱいに」することを目的のひとつにするシブハナのマスコットキャラクターにふさわしいモチーフといえるでしょう。
このような雲のイメージは、シブハナのHPに掲載されているプロフィールにも反映されていますが、お話をうかがったことで、くもっくるの知られざる一面も見えてきました。
年齢が「ふわふわ歳」のくもっくる、誕生日は「ふわ月ふわ日」。性格は「ほんわか」でのんびりとしていますが、やはりふわふわとした所があり、風まかせで自由気まま。
グッズ販売でも目立つ「黄色い花」
見た目としては、頭の黄色いお花がとてもチャーミングでアクセントになっていますね。気になったので何の花なのか尋ねてみたところ、名前のないお花ですとのこと。ただ、花弁が5つある花なので、バラ科の桜とか梅に近いのだそうです。
特技は「雨を降らせて花を育てる」とのことですので、曇りの日や雨の日って、むしろ「くもっくる日和」だったりしますか?と記者が質問したところ、「どんより曇ってる日ではなく、晴れ渡った青空に雲がひとつポツンとあると、くもっくる日和ですね」とのこと。けれども、くもっくるが自己紹介で名乗ると「くもってる?」と聞き返されてしまうことがあるとか(笑)。
これだけ雲にまつわるキャラクターなので、身長の「42㎝~8.7m」とかなり幅があるのは、雲の大きさの最小値と最大値かと思いきや、まさかの語呂合わせ。「4287」で「シブハナ」を表わしているとのこと。
そして体重はわたあめと同じで、わたあめが好物。どうやら、自分と似た性質のものが好きなようです。
逆に、嫌いというより苦手なことは正座で、それはじっとしているのが苦手だから。ちなみに、むかし叱られたときに正座させられたことがあったとか、なかったとか。
くもっくるのプロフィールはこちら
「シブハナマスコットキャラクターくもっくる」(シブハナHP)
http://shibuhana.sunnyday.jp/kumokkuru
くもっくるのお庭
そんなくもっくるが渋谷に姿を見せるようになったのは、2008年4月のアースデイ。その後も、シブハナが週末にモヤイ像をはじめ宮下公園や公園通りの花壇で植栽活動やゴミ拾いをしていると、ひょっこり姿を現すようになりました。
くもっくる、渋谷に登場!
そもそも、自分自身が花の種をまくこともあるというくもっくる。渋谷には、なんと「くもっくるのお庭」があるとのこと。
「くもっくるのお庭」花壇づくりの様子
それは、「くもっくるが住んでるお家の前のお庭」をコンセプトにした花壇。つくったのは2011年の12月で、場所は、美竹公園の入口。そのときのテーマはクリスマスガーデンでしたが、いまも四季おりおり、色とりどりの花が咲きほこります。皆さんもぜひ散歩がてら、くもっくるのお庭を訪ねてみてください。
公園通り商店街公認キャラクターとして
シブハナマスコットキャラクターであるくもっくるですが、2014年から渋谷公園通商店街振興組合の公認キャラクターとしても活動しています。
渋谷の街でフクハナの活動に参加
春の渋谷公園フェスティバルのイベント参加などの他、ホームページでブログを更新しており、さらには福島県産の花を全国に届けることで福島と全国各地をつなげる企画、フクハナにも携わっているとのこと。このプロジェクトでは、くもっくるが日本全国にいる他のご当地キャラ宛に花を届けるという重要な役割を果たしています。
くもっくるの書いているブログはこちら
Shibuya Koen‐dori‐blog(渋谷公園通商店街振興組合公式HP内)
http://www.koen-dori.com/blog/kumokkuru/
くもっくるのテーマソング
このように、ご当地渋谷で活躍しているくもっくるですが、使命がシブハナのPRということもあって、じつは関東地域をはじめ全国各地のイベントに飛び回ることのほうが多いといいます。
イベントで販売される数々のくもっくるグッズ
そうしたイベントで流されるのが、キャラクターソングの『くもっくるミラクル♪ぴっぴきゅぅきゅぅ』と『わたあめクラブ♡ふわふわふー』の2曲。作詞:チームくもっくる、作曲:しょうなり、となっているので確認してみたところ、作曲は取材に応じてくださった肥田さんご自身とのこと。この2つの歌はくもっくる自身も含め、チームくもっくるが一丸となってつくりあげたものとのこと。「くもっくるミラクル」の方は好評によりCDにもなり、カラオケDAMで歌える場所もあるとか。
「くもっくるミラクル♪ぴっぴきゅぅきゅぅ」が収録されているCDはこちら
徳間ジャパン 『ゆるくないうたコレクション – ご当地キャラクター・ソングス』
http://www.tkma.co.jp/compi_detail/id=3844
ミュージカルの舞台に立つくもっくる(写真提供::株式会社GARRABBA)
歌に合わせて踊ることができるくもっくるは、なんとミュージカルにも出演!劇中、夢を叶えるマシーンが登場し、街を花でいっぱいにするという夢を叶えてくれたといいます。
くもっくるの今後の目標
このように縦横に活躍するくもっくる。本稿の冒頭でもご紹介したように、アテンドとして同行することになるのが肥田さん。イベント活動でのくもっくる登場シーンでは、いつもシブハナの活動を紹介しています。
基本的に、ふたりはいつも一緒。そのため、いまでは肥田さんも各地のイベントではすっかり有名人で、たまにご自身も「ゆるキャラ扱い」されてしまい困ってしまうことがあるとか(笑)
くもっくる、あまぐもっくると肥田さん
イベントでは、くもっくるの天然(?)ボケに対してツッコミを入れることが多い肥田さん。じつはシブハナの活動に関してはくもっくるのほうが、ちょっとだけ先輩だそうですが、10年近くの付き合いを通して、いまでは相棒のような関係です。
その肥田さんに、くもっくると一緒の活動を通していちばんよかったことを尋ねたところ、「いろんなことを体験でき、キャラクター同士の横のつながりができました」と語ってくれました。
シブハナのHPには、シブハナが掲げるプロジェクトの目的として、次のような一文があります。
花を通じ街に集まる人と人との温かいコミュニケーションや交流のきっかけを作ります。
肥田さんの返答を聞いたとき、今まで花を通じてキャラクター同士の横断的なネットワークを作り上げてきたくもっくるが、これに大きく貢献している、今後も貢献してゆくことができるのではないか、と感じました。
これまでは、どちらかというと日本各地のイベントで忙しかったくもっくる。渋谷デビューして10周年ということもあり、今後はご当地キャラとして渋谷との関わりを増やしていくことを目標のひとつにしています。
最後に、そんなくもっくるからファンの皆さまへのメッセージをいただきました。
「いつも遊んでくれてふわりがとぉ♡
来年くもっくるの10周年なので、これからもよろくも~☁」
◎くもっくるが応援するシブハナのサイトはこちら
シブハナHP
http://shibuhana.sunnyday.jp/
シブハナについて
http://shibuhana.sunnyday.jp/aboutus
シブハナの活動
http://shibuhana.sunnyday.jp/action
シブハナ花壇マップ
http://shibuhana.sunnyday.jp/map
イト・タクヤ
フリーライター。歴史、神社・仏閣めぐりが好き。基本は部屋に引きこもり、たまに渋谷区内を徘徊。「普段は渋谷の街を歩くことのないシブヤ初心者」として、常にフレッシュな視点からの執筆を心掛けている。というか、事実そうなので、そういう文章しか書けないというのがホンネ。シブヤ散歩新聞では、シブヤ坂散歩をはじめ、渋谷の街の歴史や文化等にまつわる記事を担当している。