今回は「スペイン坂」についてご紹介します。
この坂は井の頭通りからパルコパート1の裏へと続いています。坂の入り口には黒い石製の「スペイン通り」と書かれた標識があり、坂道の途中には「スペイン坂」と書かれた石碑があります。坂の勾配は緩やかですが、左へとうねったあとのパルコ寄りの部分は階段となっています。
渋谷区のHPによると、昭和50年(1975)にパルコが「阿羅比花(あらびか)」という喫茶店のオーナーである内田裕夫氏に命名を依頼し、この名前に決まったとのこと。もともとスペイン好きだった内田氏は店の内装をスペイン風に統一しており、迷わずにこの名前を付けたといいます。坂の名前が決まってからは、近隣の人々も協力して、建物を南欧風にしていきました。
出展:渋谷区HP 通りの名前 https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shibuya/town/street.html
しかし、近年はテナントの移り変わりが激しく、通りの街並みはあまりスペイン風ではなくなっています。そういった意味では、冒頭で述べた「スペイン」の文字が入ったモニュメントが、目印として重要な役割を担っていくことになるかもしれません。
イト・タクヤ
フリーライター。歴史、神社・仏閣めぐりが好き。基本は部屋に引きこもり、たまに渋谷区内を徘徊。「普段は渋谷の街を歩くことのないシブヤ初心者」として、常にフレッシュな視点からの執筆を心掛けている。というか、事実そうなので、そういう文章しか書けないというのがホンネ。シブヤ散歩新聞では、シブヤ坂散歩をはじめ、渋谷の街の歴史や文化等にまつわる記事を担当している。