渋谷周年散歩とは
渋谷の街に誕生して周年を迎えたお店をご紹介するのが、「渋谷周年散歩」です。お店の移り変わりも早い渋谷の街で10周年、20周年と年月を重ねて行くのは容易ではありませんが、その中で記念すべき周年を迎えたお店をご紹介していきます。
100年前というと、1922年。元号でパッと浮かびますか? 大正です。1922年(大正11年)8月3日、当時の渋谷役場内に、「豊玉庶民信用組合」が設立されました。これが、今の西武信用金庫渋谷営業部。先日、100周年を迎えました。
西武信用金庫渋谷営業部は実は、このシブヤ散歩新聞のステークホルダーの一つでもあるんです。シブヤ散歩新聞の「渋谷周年散歩」企画でも、100周年は初めて!ということもあり、10月21日に開かれた開設100周年記念講演会へお邪魔させていただきました。
渋谷ストリームのイベントホールにて、弦楽アンサンブルがお出迎え
会場は、渋谷ストリームのイベントホール。イベントホールへ行くのは初めてだったので案内を見ながらホールを目指したのですが、これだ!と思って乗ったエスカレーターが着いた場所は、Googleのオフィス入り口でした(苦笑)
入り口に立つ恰幅のいいスタッフと目が合ってしまい、気まずさを感じながら、そのままUターンして下りのエスカレーターへ。下りながらガラス張りの窓からオフィス内を見てみたら、そこは「Google for Startups Campus」。スタートアップを支援する拠点でした。へえ……!と思いながら、プチ社会科見学気分でしばしジーッとのぞかせていただきました。
そして、本来の目的地、イベントホールのエスカレーター入り口にはちゃんと案内板が出て、スタッフの方が笑顔で案内してくれていました!
ホールの入り口にはたくさんのお花がずらりと並び、国立音楽院による弦楽アンサンブルも。
国立音楽院という名前からすると国立市にあるのかな?と思いますが、2003年には国立市から池尻に移転したそうですよ。池尻は世田谷区ですが、広域渋谷圏の圏内ですね。
美しい音色に送られながらホールへと入ると、間もなく記念公演の開会です。
ところで、信用金庫って?
さて、今この記事を読んで下さっている読者の中には、信用金庫を利用されている方はどれくらいいらっしゃいますか? 実は私は、銀行しか利用したことがなかったので、信用金庫というものの理解がとっても曖昧でした。
それが今回、開会挨拶の中で髙橋一朗・西武信用金庫理事長がわかりやすくお話しして下さったので、紹介しますね。
信用金庫の原点をさかのぼりますと、江戸時代の後半から明治時代の最初にかけて、貨幣経済が進み、明治維新が起こった頃。なかなか思うような事業ができなかったり、経済的に不利な立場にあった地域の皆様が、自発的に集まり、地域を支えていこうと立ち上げられた協同組合にその原点があるようです。
その後、昭和26年に信用金庫法が施行された折に多くの信用組合が信用金庫となり、その後は金融機関として地域のお客様の資金のお話、事業のご協力をさせていただくことで役割を果たしてまいりましたが、本来は協同組合として地域の皆様が寄り添って作った金融機関です。
なるほど、地域の方たちが、お互いに支え合うために自発的に作ったのが協同組合であり、そこから信用金庫が生まれたのですね。
渋谷の成り立ち
さて、西武信用金庫渋谷営業部の前身として100年前に誕生したのが豊玉庶民信用組合とのこと。豊玉って、練馬じゃないんだー と思っていたら、髙橋理事長がそこもお話してくださいました。
当時、渋谷から中野、杉並、新宿の一部までを含めた広いエリアが「東京府豊玉郡」と言われていたようですけれども、その一部名前を取って豊玉という名前の信用組合を作ったようです。
この後の来賓祝辞の中で、長谷部健・渋谷区長がさらに詳しくお話くださいました。
開設時の住所を見てみますと、東京府豊多摩郡渋谷町となっています。実は今年渋谷区は区政施行90周年を迎えるのですが、渋谷町、千駄ヶ谷町、代々幡町というこの三つの町が一つになって渋谷区が誕生したのが、豊玉庶民信用組合が開設された10年後ですから、まさにまだまだ町としてできつつあるような時期だったと思います。
挨拶や祝辞を通して、100年の歴史、渋谷の歴史が紐解かれていくのがとても興味深い時間でした。
渋谷エリアでトップシェア!
星仲俊哉・渋谷営業部支店長によると、100年の歴史を刻んできた渋谷営業部は、渋谷エリア内の信用金庫において、預金、貸出金ともトップシェアだそうです。地域の方々と中小企業の寄り添い、親身になって、共に成長や発展を目指してきたことの証ではないでしょうか。
記念講演会冒頭の挨拶や来賓祝辞は、西武信用金庫渋谷営業部が、これまでよりもとっても身近に感じられる機会となりました。
次回、<後編>では、同じく今年100周年を迎えた東急株式会社渋谷開発事業部の坂井洋一郎・部長による記念講演「渋谷の100年と未来に向けて」から渋谷のこれまでを振り返り、未来の展望をお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに!
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
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