渋谷周年散歩とは
渋谷の街に誕生して周年を迎えたお店をご紹介するのが、「渋谷周年散歩」です。お店の移り変わりも早い渋谷の街で10周年、20周年と年月を重ねて行くのは容易ではありませんが、その中で記念すべき周年を迎えたお店をご紹介していきます。
2022年に開設100周年を迎えた、西武信用金庫渋谷営業部。10月21日に渋谷ストリームのイベントホールで開かれた開設100周年記念講演にお邪魔させていただきました。
ところで、読者の皆様は今年、東急株式会社も100周年を迎えたことをご存知でしたか?
西武信用金庫渋谷営業部が100周年を迎えた8月3日から1ヶ月後の9月2日、東急株式会社も100周年を迎えたのです!
この日の記念講演は、東急株式会社渋谷開発事業部の坂井洋一郎事業部長が「渋谷の100年と未来に向けて」と題して講演してくださいましたが、冒頭、
「大正時代から100年間、(西武信用金庫渋谷営業部と)一緒に令和まで走ってきたんだなあ、と実感しています」
と、感慨深げに語っていたのがとても印象的でした。
100年もの間、地域のため、社会のために渋谷の街をより良くしようと一緒に力を尽くしてきた、同志と言えるかもしれませんね。
100年で、渋谷はこう変わった
坂井部長の講演会は、渋谷の100年を振り返る動画から始まりました。
これは100年前、大正時代の渋谷駅舎と渋谷駅前の写真です。今のハチ公前あたりだそうです。
講演会の前に祝辞を述べた、株式会社渋谷西村總本店(スクランブル交差点に面した「西村フルーツパーラー」と言えばピンと来る方が多いのではないでしょうか)の西村正治代表がおっしゃっていました。
「その頃は渋谷の街もあまり賑やかな街ではなく、祖母が店番をしていると、いつも大きな犬が来て、エサをあげていたそうです。それがハチ公だったんですね」と。
ハチ公について、リアルなお話を聞ける機会はほとんどないのでとても貴重なエピソードですね。
そして1927年には、東京横浜電鉄(現:東急東横線)が開通。
1934年には東横百貨店(後の東急百貨店東横店)が開業しました。
この立派な建物が第二次世界大戦の前に建てられていたんですね。
その後第二次世界大戦を経て、1964年の東京五輪を機に渋谷には東京オリンピック放送センター(現在のNHK放送局)、代々木競技場、渋谷公会堂、首都高速道路が完成。
1970年代から90年代にかけては、ファッションを中心としたトレンドを発信する施設、文化を生み出す拠点が次々と誕生し、日本有数の文化の発信地として渋谷は確固たる地位を築きました。
メディアのデジタル化が進展した2000年代にはIT企業が集積し、渋谷ビットバレーと呼ばれるように。そして2002年、東京メトロ副都心線と東急東横線の相互直通運転および、2路線をつなぐために東急東横線渋谷駅から代官山駅にかけて地下化が決定。その結果として、渋谷駅周辺に開発余地が生まれることとなり、100年に1度とも呼ばれる渋谷再開発のきっかけとなり、渋谷ヒカリエをトップバッターに、新たなランドマークが次々と誕生しました。
今からちょうど3年前に渋谷スクランブルスクエアが開業した時の渋谷の上空写真です。
100年の間にここまで大きく社会が、そして渋谷が変化するとは、予想できた人は少なかったことでしょう。
渋谷でより自分らしく快適に過ごせる、渋谷型都市ライフの実現へ
では、渋谷のこれからはどうなっていくのでしょうか。
近い未来では、今から1年後の2023年11月に、渋谷駅桜丘口地区に、3棟が新たに竣工予定。
そして2027年度には、渋谷の新たなランドマークとなる「Shibuya Upper West Project」が完成予定です。
これらは、行政機関、有識者、様々な事業者、地域の皆様など、多くの関係者との連携により渋谷の大規模な再開発を進められています。
現在の渋谷再開発協会は約90団体の会員により構成され、渋谷の都市再開発を促進し、地域の合理的高度利用、環境の整備改善に資し、もって都市機能を維持増進することにより、経済の振興と公共の福祉に寄与することを目的として、幅広い活動を行っており、西武信用金庫渋谷営業部は監事として、長谷部健・渋谷区長は顧問として、参画しています。
ところで、この再開発協会の前身となる渋谷再開発推進協議会は1964年に発足していたんだそうです。
この時は、新宿や池袋で大規模な再開発事業が進む中、渋谷中心部の商店街や町内会から渋谷の地盤沈下を懸念する声が上がり、渋谷の今後について検討を進めるために立ち上がったそうですよ。
半世紀が一つの区切りとなり、今また、渋谷が新たな未来へと向かって大きな進化を遂げている時期なのですね。
東急株式会社渋谷開発事業部の坂井洋一郎事業部長は講演の最後、
「いつ行っても、何度行っても、何か楽しいことがある街。いつでも、誰でも、何か楽しいことを起こせる街。そんな日本一訪れたい街を目指して、東急グループでは、渋谷駅を中心とした半径2.5キロ圏内を、“Greater SHIBUYA”(広域渋谷圏)と定め、まちづくりを進めています。
時間、場所を選ばない生活ができる時代だからこそ、渋谷ならではの自分らしい過ごし方をしてほしい。働く、遊ぶ、暮らすという取り組みをさらに発展させるとともに、3要素を融合させ、その基盤となるデジタル、サスティナブルを有機的につなげることで、渋谷で時間を過ごす人たちがより自分らしく快適に過ごせる、渋谷型都市ライフの実現を目指していきたいと考えています。
これからも日本一訪れたい街・渋谷を、さらには日本一を越えて世界一を目指し、100年続くまちづくりを皆さん皆様と共に行っていきます」
と締めくくりました。
渋谷の街がどう変化していくのか、楽しみですね。シブヤ散歩新聞としてもしっかりと注視していきたいと思います!
最後になりましたが、西武信用金庫渋谷営業部開設100周年、おめでとうございます!
これからもよろしくお願いいたします。
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
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