渋谷一駅散歩とは
「渋谷一駅散歩」というお散歩マップをご存知でしょうか。「渋谷の魅力を歩いて発見してほしい!」と、東京商工会議所・渋谷支部が作成し、ウェブ上で公開している全10コースのマップです。渋谷には世界的、全国的に有名なスポットがいくつもありますが、それ以外にも、お散歩だからこそ出会える路面店や特色ある商店街、歴史・文化的施設、公園の緑など、魅力あるスポットがたくさんあります。そんな魅力をもっともっと知ってほしいという思いで作られたマップなのですが、実は、この「シブヤ散歩新聞」も同じ思いで作られている東京商工会議所の取り組みなんです! 今回の連載では、「渋谷一駅散歩」のルートを実際にお散歩してみました。ぜひ参考にしながらも、ご自分だけの一駅散歩を楽しんでみてください。
東京商工会議所・渋谷支部「渋谷一駅散歩」のルート紹介ページ
カメラを向けたくなる風景と出会う
今回は、地図の一番下「ワタリウム美術館」のある交差点からスタートです。
ふらふら歩いていると「TOKYO JUICE」の看板を道路沿いに発見。なんとなく惹かれて中に入っていくと・・・マンションの下に、パティオのような素敵な空間がありました。
こんなところにお店があったんですね。お店に入っていく人も、席に座っている人も、みんな外国人! 絵になるなあ! 思わずカメラを向けたくなる光景です。
なんとなく気になって立ち寄ったところでこういう場所に出会えると、とっても得した気分。これぞ散歩の醍醐味ですね!
道路の反対側に渡ると、交差点から少し歩いたところに、目を引く建物がありました。
何だろうと思って近づいてみると、「MASUNAGA1905」と看板にあります。1905年創業、増永眼鏡の直営店でした。
眼鏡と言えば福井、というくらい福井の眼鏡は全国的に名前が知られていますが、100年以上前に福井で眼鏡づくりを始めたのは、増永眼鏡の創業者・増永五左衛門氏。きっかけは、村おこしだったそうです。増永氏が眼鏡に目をつけていなかったら、福井は眼鏡の地になっていなかった可能性が大なわけで、歴史を作るって、こういうことなんだなあ、と思いながら、建物を見上げました。
さて、交差点に戻ると、ワタリウム美術が目の前にあります。
2020年に開館30周年を迎えたという現代アートの美術館。受付から建物内に入ろうとしたら、通れないようにチェーンがぶら下がっていました。
残念ながら、展示と展示の合間の空白期間。次回の展示「鈴木大拙展 Life=Zen=Art」は7月5日から始まるそうで、タッチの差で入れることができず、残念。興味深い内容だったのになあ・・・
とはいえ、下調べなしのお散歩なので、仕方なしですね!
再び歩き出し、ふと左側の路地を見ると、なんだか気になるお店が。このお店の一角だけ、通りに面したアジアの屋台の雰囲気がしませんか?
雰囲気に惹かれてそーっと近づいて見ると、スパイスがふんだんに使われているフライドチキン?がとっても美味しそう! 「青山シャンウェイ フライドマスター店」だそうです。
すごく気になるけれど、一人で入るのはちょっと勇気が・・・(苦笑) 今度、誰かと一緒に入りたいなあ!
そのまま歩いていくと、こんなスナックも発見。
スナック「ダラダラしてると 灰になる。 drag on ash」
目を惹くネーミングですよね。シガーバーかと思いきや、スナックというところがまた、気になります。
ふと通りを見ると、年月を感じさせる「青山 キラー通り」の看板。そういえば、外苑西通りにはキラー通りという名前がついていたのでした。
神宮前三丁目の交差点を曲がって少し歩くと、神社がありました。
青山熊野神社。こんもりとした緑に惹かれて中に入ると、無病息災を願う茅の輪くぐりが。実は私、一度もくぐったことがなかったのです! くぐり方を読みながら、作法通りにくぐってきましたよ。
湿度も気温も高い日でしたから、清める手水のひんやり感がとても心地良かったです。
手水舎、風情がありますよね。
参拝をして、神社を後にしました。
そのまま裏通りを歩いていると、国立競技場が見えてきました。
もう、千駄ヶ谷も近いかな。
キラー通りから1本中に入った路地を歩いていると、思わずカメラを向けたくなる風景が、幾つも。
古きものと新しきものが混在している感じ。
そして、いろんなお店がパッチワークのように入り混じっています。
目についた看板。
リカリスイって、なんだろう。「ソーダ水」の仲間?昔あった飲み物?
と思ってgoogle先生に聞いたら、お店の名前でした(笑)。なんだか、とても、不思議なお店のようですよ!
歩きながら、路地をのぞいてみるのがとても楽しい。
思ってもいない場所に、へえっていうお店があったりします。
淡い色の看板に藍色の暖簾が目立つ奥の一軒家は、器が並ぶユニークなギャラ リー兼ショップ「うつわshizen」。とっても素敵です。
さあ、千駄ヶ谷トンネルをくぐります。
すると、すぐそこに国立競技場。
なんの工事をしているのかな?
向かい側にあるのはラーメン店「ホープ軒」。
東京五輪に合わせて作ったという英語のメニュー。五輪が終わり、コロナがだいぶ落ち着いた今は、まだ外国人観光客は来ているのかな・・・と気になります。
さあ、そろそろ散歩も終わりに近づきました。
森半は、天保7 (1836)年創業という老舗の製茶会社。オフィスに見えますが、中では茶葉や抹茶の粉などを買うことができるんです。
散歩の途中、お菓子作りにハマっている小6の娘から「抹茶クッキー作るから、抹茶パウダー買ってきて」とLINEが届いていたので、抹茶パウダーを購入。抹茶プリンの粉末も買ってみました。
目的地をただひたすら目指すのではなく、「何か面白いもの、ないかなあ」とフラッと歩く散歩をしたのは、一体いつ以来だろう・・・と考えてしまうくらい久しぶりの、フラッと散歩。
猛暑の夏が終わったら、涼しくなった頃にまた、フラッと散歩に出かけようと思います。
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi facebook