今回の朝な朝な散歩は、オトナひとり散歩です。なぜなら散歩を予定していた朝がとても寒くて、美味しいコーヒーを飲みながらゆっくり散歩を満喫したかったから。
暦の上ではもう立冬。温かい飲み物と自然あふれる代々木公園、想像しただけで気持ちがリラックスしてくるような気がします。
とは言え、相変わらず公園に向かうのは朝7時過ぎ。まずは早朝から開店しているカフェ探しから始めました。そして、ありました! 7時から開店しているカフェが、近くに!
公園から約1km、朝7時開店のカフェ
向かったのはBONDI COFFEE SANDWICHES(ボンダイコーヒーサンドウィッチーズ)。場所は東大駒場キャンパスの裏手、富ヶ谷の交差点のすぐ近くです。
木材を豊かに使ったお店の外観と、夏にはフルオープンになるであろう歩道へ開く大きな窓辺が印象的でした。
3つの原産地から選べるシングルオリジンコーヒーからひとつを選んで、カフェラテを注文し、持参したボトルに入れてもらってさあ代々木公園に向けて出発です。距離は約1km、徒歩15分でした。
到着した森では野鳥のさえずりが
肌寒い朝でしたが、カフェからの1kmですっかり身体も温まり、早速公園の森の中へ。すると鳥のさえずりが聞こえてきました。
ほんの1ヶ月前にはコオロギの声、夏には蝉時雨だったのに、もう虫はすっかり身を潜めてしまったようです。そういえば、もうすぐ立冬なのでした。(今年の立冬は11月8日でした。)
響いてきた鳥の声は、ヒヨドリのよう。ヒヨドリと言えば一年中見られる鳥ですが、調べてみると日本国内でしか見られないのだとか。海外から来たバードウォッチャーにとっては、ぜひ見ておきたい鳥なんだそうです(ウィキペディア『ヒヨドリ』参照)。そんな珍しい鳥と身近に接していたなんて。なんだか嬉しい散歩のスタートでした。
空の生き物もいれば、地面近くの生き物もいる
さて実は今回の散歩は、前夜に雨が降った朝を選んで予定を立てていました。雨が止んだあと、公園の地面近くにはある生き物が出てくるからです。代々木公園ならきっといるだろう! そう思って、足元を見ながら歩き始めました。
探していたのは、変形菌。粘菌とも呼ばれる不思議な生き物です。移動するときはアメーバ状になって動物のように動き、胞子を飛ばすときには子実体というとても小さな植物のような状態に変化します。(最近、パリの動物園で一般公開もされるようになりました。)
雨上がりの湿気った地面近くの朽木や落ち葉に出てくる変形菌。以前、井の頭恩寵公園で見つけた変形菌の写真はこちらです(上・アメーバ状、下・胞子を飛ばす形状)。
けれども・・・結果的に、今回の散歩では変形菌を発見できませんでした。そうかな? どうかな? と思うものを見つけたのですが、変形菌ではなくカビ(!)でした。残念です。けれども、下を見つめていたおかげでこんな素敵な木の切り口を見つけたんですよ。ハート型です。
それから、思わぬ誤算もありました。地面に近づこうと頑張っていたので、いつのまにか何度も何度もスクワット。公園を一周する頃にはすっかり脚が疲れていました。
しゃがみこみからの起立は、実は日常生活上の動作の中で一番エネルギーを消費します。変形菌は見つかりませんでしたが、しっかりカロリーを消費できた散歩になりました。
散歩最適温度のこの季節、どんどん外に出よう
今回の散歩、スタート時には「寒いなあ」という印象があったのですが、終了した8時半過ぎには気温が19度まで上がっていました。歩くと少し身体が温まることもあって、薄い長袖のカットソーにカーディガンくらいの軽装がちょうどよかった気がします。
ここから1ヶ月くらいの気候が、散歩には最適なのかもしれません。
朝の散歩が終わるころ、9時にもなれば、今回ご紹介したカフェ以外にも多くのカフェが開店時間を迎えます。しっかり歩いてコーヒーとサンドイッチ、そんなふうに休日の朝、リフレッシュしてみませんか。
得原藍(えはら・あい)
理学療法士/一般社団法人 School of Movement ディレクター。
子育てしながら運動科学の専門家として、身体と環境と生活の関係を考える日々を送る。
たのしいマイニチのために人生編集中。
TEXT aiehara’s web