シブヤまちづくり散歩とは
未来のシブヤはどんな街? 渋谷区では、様々な社会状況の変化や、技術革新を踏まえた上で、「渋谷区基本構想」をまちづくりの視点から実現化する「渋谷区まちづくりマスタープラン」(以下「渋谷区まちマスプラン」)の策定が進んでいます。2017年9月に始まった「渋谷区まちマスプラン」をはじめ、シブヤで行われる様々なまちづくりの取り組みを追いかけます。
20年後の渋谷を、みんなでつくる
渋谷区に住んでいる人、渋谷で働いている人、渋谷で学ぶ人、渋谷を訪れる人、渋谷が好きな人。シブヤ散歩新聞の読者のみなさんは、このどれかに当てはまることが多いでしょう。
いま、渋谷区では、渋谷に関わるさまざまな人の“渋谷への想い”を反映して、これからの約20年を見据えたまちをつくるため、「渋谷区まちづくりマスタープラン」の策定が進められています。
渋谷区Webサイト
「渋谷区まちづくりマスタープラン」策定に向けたワークショップ等意見募集を行いました
6月23日に行われた、笹塚・幡ヶ谷・初台・本町周辺地域のセッション①「地域を知る・未来を展望する」セッション②「未来像を競争する」の様子はこちら
シブヤまちづくり散歩No.1 「渋谷の未来を描くワークショップ ー笹塚・幡ヶ谷・初台・本町周辺①②ー」
今回は渋谷駅周辺地域のセッション③「未来像を共有する」におじゃましてきました。
「行政では思いつかないアイディアを」。開会のあいさつにて、渋谷区長の長谷部健さんが一言。先日のハロウィンもふまえ、「渋谷の課題は、賑わいと安心・安全を両立すること。これを乗り越えないと、成熟した都市にはなれません」とおっしゃっていました。魅力と課題、その両方が渋谷にはある。だからこそ、みんなでアイディアを出しあうことに意味がある、そんな風に感じました。
まずはこれまでのセッションの振り返りから。
そして、笹塚・幡ヶ谷・初台・本町周辺エリア、渋谷駅周辺エリア、代々木上原・代々木八幡周辺エリア、代々木・千駄ヶ谷・原宿・神宮前周辺エリアの5つのエリアごとに出された35の未来像を見ながら、一人ひとりの“推し未来像”を決めていきます。
お気に入りの未来像に、ペタッとシールを貼ります。
“推し未来像”ごとに4つのテーブルに分かれ、実現したい未来像について、「どこで実現するの?」、「実現のために何が必要?」のテーマでグループワークを行いました。
年齢や性別など、多様なメンバーでセッション
まずはグループメンバーのニックネームを決めます。セッションも3回目になると、顔見知りもちらほら。高校生から70代まで、老若男女、ニックネームで呼び合い、わいわいと盛り上がっていました。こんなにも多様な人がひとつのテーブルについて対話することって、なかなかないですよね。
大きな模造紙に付箋をはったり、コラージュしたり、書き込んだりして、みんなの意見を出し合います。みなさん、アイディアがとまらない様子。笑い声の絶えない時間でした。
みんなで考えると、おもしろいアイディアが生まれる
最後は発表タイム。
こちらのチームは、これまでのセッションで出ていたいろんなアイディアをコラージュしていたのが印象的でした。エリアごとにどんなアイディアを実現したいか、当てはめていったそうです。「コミュニケーションとは、気軽に話せること。そのためには防犯、安全が大事。犯罪を未然に防ぐシステムを使って治安を良くする」など、コラージュすることでアイディアがどんどん膨らんでいった様子が伝わってきました。
こちらのチームのテーマは、スクランブル交差点。スクランブル交差点は、渋谷のユニークなポイントですが、それを世界に発信するにはどうしたらいいか、話し合ったそうです。「歩行者天国にして、イベント、舞台、コンサートを開催」。「集まった人にいろんな色のゴミ袋を配布して、色によってペットボトル、可燃物専用とし、その色の袋を持っている人に渡す。そうすることで、ゴミを捨てること自体がコミュニケーションになる」。「西武前、丸井前、勤労、東急本店前など、渋谷駅前以外にもスクランブル交差点がある。それらを集めて、渋谷区スクランブル交差点図鑑をつくったら、新たな観光スポットになるのでは」など、とってもユニークな案が出ていました。
こちらのチームは、プロジェクションマッピングの可能性について話し合ったそうです。季節に応じて、夏は砂浜を投影するなど、いろんな案が出ていました。渋谷川にプロジェクションマッピングができれば、また新たな渋谷の風景が生まれる。そんな期待を感じさせてくれました。
こちらのチームの議題は、新しい交通システム。「渋谷川にボートを浮かべたい」。「路面電車をつくって、ハチ公、代官山、表参道、明治神宮など、観光名所で降りられるようにしたい」。「渋谷はいま、グランドレベルだけでなく、2階通路を使った導線設計が進んでいるが、歩行者デッキを4階レベルにつくってはどうか」。など、水脈をつかったり、新しい乗り物を想像したり、階層で新しい導線を設計するなど、非常にクリエイティブなアイディアが出ていました。
渋谷区のマスタープラン担当課長の森田さんは、「とてもクリエイティブな意見がたくさんあり、私自身もたのしませてもらいました。この後、いただいた意見を取りまとめることは面白くもあり、大変でもありますね(笑)」とのこと。
「まちマス提案箱に投稿された意見や個別の出張座談会の意見もまとめて、また意見交換会をする予定です。そこでまた、みなさんのご意見を伺うことをたのしみにしています」と締めくくってくれました。
私たちのまちは、私たちがつくる。そんな思いをもつみなさんと一緒にまちをつくりあげていくことの楽しさを体感できる時間でした。これから渋谷がどんなまちになっていくのか、非常にたのしみです。シブヤ散歩新聞では、今後も「渋谷区まちづくりマスタープラン」を追いかけていきたいと思っています。
界外亜由美(かいげ・あゆみ)
シブヤ散歩新聞・編集長。クリエイティブ・ディレクター/プロデューサー/コピーライター。三重県の伊賀市、忍者の里出身。ちなみに、界外(かいげ)は本名です。東京に来て10数年目。いつ来てもワクワクする渋谷の街が好き(いまだに渋谷駅で迷う。方向音痴……)。興味のあるジャンルは料理、酒、発酵、お笑い、短歌、絵本、子育て。シブヤ散歩新聞ではレアキャラ的頻度で執筆予定。
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