ベジ散歩の第1回目「心と体と地球にやさしいヴィーガンラーメン!」の冒頭で、書きました。
「私は野菜も、お肉もお魚も、なんでも美味しくいただきます。」と。
そんな私ですが、ヨガで肉体に集中して取り組んでいる今、お肉と卵をほぼ食べていません。もうすぐ2ヶ月になるでしょうか。これがまーったく、ノンストレスです。しかも子どもたちは、夕食に登場するお肉や卵料理が激減したことにまったく気づいていないという(笑) うれしい誤算です。
さて先日、8歳の娘と2人で渋谷に買い物に出かけました。ちょうどお昼にかかる時間だったので、「どこで食べようかなあ・・・」と頭を巡らせました。
ベジ散歩の3回目で行ったミランナタラジが近いなー。でも、今日は、和な気分だなあ。
そして、思い出しました。ベジ散歩の2回目でお邪魔したオルオルカフェの津田夫妻が「渋谷のなぎ食堂、美味しいですよ!」と言っていたことを! 東急ハンズのあたりから駅まで戻り、R246を超えて鶯谷方面へと向かいました。
“食堂”という名前がピッタリの、落ち着く店内
鶯谷方面へと、坂を下って行きます。この道を歩くの初めてだなあ、なんて思いながら。
下りきり、桜丘郵便局の交差点を渡ると、看板がありました。
看板は見つけたものの、お店はどこかなと見渡すと、もう一つの看板を発見!
そして入り口を探していると、半地下にあるお店を見つけました。植木でよく見えなかっただけで、探すまでもなく交差点のすぐ目の前でした(笑)
お店には、テーブル席の他に靴を脱いで座れる小上がりも。娘は迷うことなく、小上がりを選択。
買い物で歩き疲れた時は、靴を脱ぎたくなるのは大人も子どもも一緒ですね!
小上がりで迎えてくれたのは、この子! 名前、ついてるのかな。
年代を感じさせるこの子は、まさにお店の雰囲気そのものです。
ヴィーガンのお店っていうと、新しかったりすごくスタイリッシュだったり、小洒落た感じのお店が多いと思うのですが、このお店は、まさに「食堂」という名前がピッタリ。年季が入った作りと、雑多な感じ、そして小上がりがあるというところが、とても落ち着くのです。
靴を脱ぎ、お尻を下ろしてホッと一息ついたところで、さあ、何食べようか!
娘は、この写真を見て迷わず「から揚げ!」。まず一つは、ソイミート定食決定。
私は、いろいろ味わってみたいから「なぎランチプレート」にしようかな。カウンターの中のお惣菜、美味しそうだもんなー。
こんなに色々な種類の中から選べるって、すごい!
というか、種類が多すぎて、どれもこれも食べて見たくって、選べない!!
そんな時、こちらが目に飛び込んできました。
ココナッツカレー!!
最初、ミランナタラジと迷ったときに、「今日はカレーじゃないな」と思ったはずなのに、お店に来る途中に見たタイ料理のお店の香りが鼻をくすぐったせいか、カレーに惹かれる私。
よし、決定!!
ヴィーガンのお店でここまでお腹がパンパンになったのは、初めてです!
ほどなく運ばれてきたソイミート定食を見て、まずびっくり!
見よ、この唐揚げの量!
プレートにどーーーんと、惜しげもなく載っているではないですか!!
これまたお店の雰囲気に続き、少量でお上品という、一般的なヴィーガンのお店のイメージを覆されました。
そして、スタッフの心配りもすごくいいんです。
子どもが食べるからと、本来は唐揚げの上にかかっているニラ醤油を、醤油だけにしてくれたのです。
早速、ガブリとかぶりついた娘に、「何の唐揚げ?」と聞いたら、すかさず「鶏肉!!」
思わず、ニヤリ(笑)
以前、オルオルカフェでソイミートの竜田チキンバーガーを食べた時も、最後までチキンだと思い込んでいたので、いまだにそれがソイミートだったことは明かしていないのですが、
今日は、「それ、大豆だよ!」と言ってみました。
すると、「え!?」と言ってモグモグを止め、絵に描いたように目を丸く見開いた娘。
ふふふっ。びっくりだよねー。
でも、大豆だと思って食べてみると「確かに、大豆の味がする!」とな。
普段は嫌がる玄米も「玄米って、美味しいんだね!」とモリモリ食べ、おみそ汁も「うちの味と違うけど、こういうのもいいね!」ですって。
で、私が頼んだココナッツカレー♪
そそる〜!
早速、カレーの中のインゲンをお箸でつまんで食べてみたら、思ったより優しい味で、野菜が美味しい! これなら娘も食べられるかも、と思って食べさせてみたら・・・・
これまで、ココナッツミルクが好きじゃなかったはずの娘が、「おいしー♡」と目を輝かせるではないですか! パリパリのパパドと一緒に、パクパク。
というわけで、二人で仲良くお互いのお皿を味わうことになったのでした。
それにしても、ものすごい食べ応え! 特に、ソイミートの唐揚げは、食べてもまだある嬉しさよ。ヴィーガンのお店でここまでお腹がパンパンになったのは、初めてです!
しかも、普通は土日だと平日よりランチのお値段って上がるのに、この量で1,000円! さらには、プラス100円でドリンクまでつけてくれるという、渋谷とは思えないサービスまでついているのです。
ミントティーとアイスコーヒーを頼み、娘としばしまったり・・・
お店に着いた時はまだ12時を回ったばかりだったので、日本人の女性客が2人いただけでしたが、いつの間にか店内は、外国人客で溢れていました!!
外国人女性5人のグループに、外国人男性3人のグループがテーブル席に!
小上がりには外国人のカップル、そして一人の外国人男性客も!
おおーーー! お店がほぼほぼ外国人で埋まってしまった!
すごーーい。
駅からも中心部からもちょっと外れた場所にあるだけに、これはきっと、外国人向けの雑誌やサイトで紹介されているんだろうなー、と想像。
このボリュームなら、体の大きい外国人の男性も、きっと満足されるんだろうな。
こんなお店があったらいいな、を形にしたのが、なぎ食堂
店内で娘が注目したのは、こちら。
ヴィーガンクッキーや、いちぢくのタルト。
私も食べたかったので、帰りにコーヒー味のクッキーを買って帰ったのですが、私が注目したのはその奥にある2冊のレシピ本。
ちょっとこれは、是非ゆっくり見て見たいぞーと思い帰り道に検索したところ、この2冊とは別にもう1冊、このお店の本を発見しました。
それがこちら。
店主の小田晶房さんが、40代でなぎ食堂を始めるまで、そして開店してからの徒然を記した1冊です。お店からの帰り道、最寄駅の図書館で早速見つけたので、借りて帰ってきました。
音楽が好きで、音楽誌の編集やインディーレーベルの運営を行なっていた小田さんがヴィーガン食と出会ったのは、日本に招いた海外のミュージシャンたちの多くがベジタリアンだったから。彼らのためにいくつものヴィーガンの店に行くも、気軽に食べられる値段じゃなかったり、ちょっと気取った感じだったり、気軽に行きづらい場所にあったりして“経済的、時間的に余裕がある人しかベジ料理を楽しむことができない”(書籍より引用、以下同じ)と感じていたそうです。
そして“ベジってそんなに選民主義的なもんなのか?”という疑問から、“オーガニックでなくてもいいし食べて健康にならなくてもいいから、とりあえず動物性の物を使ってないっていうお店があればあり難いのに”と思いはじめ、“お手頃価格のジャンクなベジ屋をやろう”となっていたそうなんです。
このあたりを読んで、気軽に入れる食堂であること、週末のランチなのに1,000円で食べられること、ボリュームたっぷりなこと、ドリンクまで100円で付けられること、などなど、お店で感じたことがすべて、ストンと腑に落ちたのでした。
気になった人にはぜひ、読んで見てほしいので詳しくは書きませんが、本の中には、店主の小田さんが毎日飲んでいたお酒をスパッとやめたキッカケとなった出来事や、リーマンショックや3.11の時のこと、そしてご家族のことなどなど、たくさんのエピソードが盛り込まれています。
本って、その本を手にしたタイミングには意味があると私は勝手に思っているのだけれど、今回はまさに、今のタイミングでこの本に出会えて良かった、と思える1冊でした。ちょっと胸がキュッとする部分もあったくらい、今の自分の内側にすごく響く部分がたくさんあって。そして、いつか小田さんにお会いしてみたいな、としみじみ思っています。また、お店に足を運ぶ楽しみができました。
実は、なぎ食堂は2016年、武蔵小山にも2店舗目をオープンしたそうです。ぜひ、武蔵小山のお店にも行ってみたい!
最後にもう一度。
なぎ食堂は、ベジだけど、一人でも、男性でも、安心して寛げるとても快適な場所ですよ!
【店舗情報】
なぎ食堂 渋谷鶯谷町店
住所:東京都渋谷区鶯谷町15-10 ロイヤルパレス渋谷103号
tel : 03-3461-3280
営業時間:12:00〜16:00(ラストオーダー15:00)
18:00〜23:00(ラストオーダー22:00)
定休日:なし(日曜日の夜のみ休止)
https://www.facebook.com/nagishokudo/
平地紘子(ひらち・ひろこ)
シブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi