<ササハタハツ散歩>とは
渋谷区主催の「まちづくりフューチャーセッション」を通じて発見したササハタハツ=笹塚・幡ヶ谷・初台地区の魅力をシリーズでご紹介するものです。ササハタハツを楽しめる散歩ルートとともに、たくさんの人に知ってもらいたい、訪れてもらいたいスポットを紹介していきます。
商店街理事長に聞く、地域住民と商店街の関わり
幡ヶ谷駅南口を、甲州街道に背を向けて南に向かう道、それが「西原商店街」です。商店街を歩き、途中で路地を左に曲がると、渋谷区の大きな施設が並んでいるのをご存知ですか? 今回は、西原商店街を通り、その施設「渋谷区スポーツセンター」、隣にある「渋谷区総合ケアコミュニティ・せせらぎ」を散歩してきました。
「西原商店街」は個人商店が並ぶアットホームな雰囲気の商店街です。ビルが立ち並ぶわけではなく、代々続いてきたと思われる趣深い建物が並んでいます。観察してみるとなかなか面白いお店が点在しているのです。
今回はご縁あって、西原商店街の西野理事長にお話しを伺うことができました。
<商店街の歴史について話してくれた西野理事長。>
「このあたりは、古くから住居を構えご商売されている方が多いけど、今は代替わりをしてきて若い経営者が精力的に頑張っているんですよ」と、西野理事長。お話しから、西原商店街の店舗同士の結びつき、地元住人との密接な関係がうかがえます。
シャッターが下りたままのお店が一軒もなく、近隣には幼稚園・保育園・小学校・中学校があり、商店街には子どもが行き交っています。店先から「おかえりー」という声がしばしば聞こえてくる、街全体が子どもと共存している安心・安全な土地なのです。
そんな西原商店街で41年もの長きにわたり続いているのが「西原夏まつり」です。毎年7月の最終土日に開催され、たくさんの子どもでにぎわう大盛況のイベント。これも地域の住民と商店街の方々の協力があったからこそ続けてこれたものですよね。
西野理事長とのお話しは尽きません。お酒でもあればいつまでも話していられるくらい、とっても気さくで素敵なダンディ理事長さんでした。
さまざまなスポーツが楽しめる「渋谷区スポーツセンター」
西原商店街の先には、渋谷区立の総合スポーツ施設があります。
私も夫も息子もバレーボールをしているので、渋谷区スポーツセンターはとってもなじみ深い場所。と、思っていたのですが、私が知っていたのはアリーナ部分だけ。実はここ渋谷区スポーツセンターはもっともっと奥深い施設だったのです!
見てください! この解放感のあるオシャレなお店。
こちらは2015年10月からオープンしている「ビストロ アスリート with カムラッド」。アスリートフードマイスターの英知・アイデアが詰まったレストランで、アスリートの身体を気遣ったメニューを提供しています。中央には小さなお子さんを遊ばせるスペースもあります。
階段を上がって、2階に移動してみます。
<2階観覧席手前には誰でも利用できるフリースペースが。>
フリースペースでは、近隣の幼稚園帰りの親子連れが一休みしている姿をよく見かけます。私も試合の前に、ストレッチしたり、栄養補給したりする場所としてよく使わせてもらっています。
<同じく2階、小体育館の奥には未就学児を対象とした幼児体育室が。>
この幼児体育室は、平日には見守りボランティアの方もいらして、安全に子どもを遊ばせることができます。
見るからに楽しそうな遊具! 小学生以上の利用を禁止していることで、幼児が安心・安全に身体を動かすことができます。遊具だけではなく絵本も充実していて、利用料は保護者も子どもも完全無料。なんて素晴らしい施設なのでしょう。
<2階のトイレ前には大きなスリッパが!>
トイレ前に置いてあるこれは、靴ひもを外さなくてもシューズのままスリッパを履いてトイレに入れるという画期的なアイテムなのです!! バレーシューズ、バッシュなどのハイカットはひもをほどくのが本当に面倒。ありがたいシステムです。
<バレーボールコートが3面取れるアリーナ。いつもお世話になってます!>
<バレーボール練習中の少年。大人から子どもまで、さまざまな試合・練習に使われる場所です。>
1階にはプール施設(※平成30年3月31日まで改装工事のため休場)に武道場、そして弓道場までも! 今回初めて知ることができました。
体育館からはテニスコートと、人工芝のサッカーグラウンドが臨めます。
水はけの良い、機能的な人工芝は少しの雨でも試合ができます。ふかふかの感触で、天気の良かったこの日、寝転びたくなってしまうほどのグリーン。
このグラウンド右手に見える「ケアコミュニティ・せせらぎ」は桜が見事だと聞いたことがあり、お花見の下見がてら散策を続けてみます。
渋谷区総合ケアコミュニティ・せせらぎで出会った笑顔とコーヒー
会議室を利用した際に一度は入館したことがありますが、こんなにも驚きのいろいろが隠されているとは思ってもみませんでした。
<敷地内に入ると早速「せせらぎ」が! ここだけ見ると渋谷区の景色とは思えません。>
<「特技ボランティア」? なんて素敵な響きなのでしょう。>
こちらは「しぶやボランティアセンター」です。趣味やお仕事で培った特技・知識・経験を活かして、ボランティアとして活躍できる場の提供をしています。いつか自分の特技をボランティア活動に活かしてみたいな~と思いながら、館内を歩いていたところ……。
1階ロビー脇からコーヒーの香りが漂ってきました。
<お揃いのエプロンに身を包んだお姉さまたちに会えるラウンジです。>
見ると、笑顔のチャーミングなお姉さまたちがコーヒーをドリップとしているところでした。
<ハンバーグ400円、オムライス350円、ホットケーキ200円、コーヒー150円という破格のメニュー>
聞きますと、これらは手作りの品で、「原材料費だけで提供しています」とのこと。それにしてもビックリなお値段です。
メニューを見ていたら、ぐるぐるっと胃が活動してきましたので、ラーメンを注文いたしました。
<魚介系だしのラーメン。300円です。>
さっぱりとした醤油味のラーメンは本当に美味しくて、汁まで完食してしまいました。お茶のサービスもうれしいですし、こんなにお得なお値段なのに、器が美しく凝っていることにも驚きました。
続いてコーヒーをお願いしました。
<ホットコーヒー 150円>
ドリップしているところ拝見していましたら、所作が美しいのです。器の美しさにも感動していると「この器もね、私たちが合羽橋まで行って自分たちで選んだものなの」と、はにかみながら教えてくれました。
とにかく想像以上の美味しさと、お姉さま方の温かみに触れ、心が穏やかな気持ちに包まれていくのを感じました。このラウンジ、20年もこのお値段・スタイルで運営しているのですって。私も将来、ここで働きたいとまで思ってしまいました。
お腹も心も満たされ、そうだ! 桜の名所を探さなくちゃと外に出ますと、
なるほど立派なソメイヨシノが。
広いお庭をぐるりと囲む桜の木々。
桜の季節にまた絶対に訪れようと、心に誓う私でした—。
<施設の入り口にあった「せせらぎ」は、ここに流れ出てくるようです。>
近代的な施設に温かな心のふれあい、桜の名所に、せせらぎがある渋谷・西原地区に魅了されまくりの一日となりました。
NPO法人 代官山ひまわり 麻植靖子
バレーボール歴42年、小4息子の母、前職はシステム営業。今はデパ地下探索グルメライターとして活動中。私たちが所属する「NPO法人代官山ひまわり」は、子育て世代の女性が、地域や社会とつながりを持ちながら、自分の居場所を見つけて楽しくはたらくための”新しいはたらきかた”を推進する団体です。今回、渋谷区主催の「ササハタハツまちづくりフューチャーセッション」に参加し、街の魅力を広く伝えるための記事作成を行っています。
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