春のある週末。レトロな雰囲気をそのまま残した喫茶店で美味しいホットケーキが食べられると聞いて、友だちと行ってきました。お店の名前は「カフェ香咲(かさ)」。1984年3月オープンの人気喫茶店です。ネットでのクチコミは多数。取材も多いらしく、中心はホットケーキとか。
そのホットケーキがこちら↓。
はちみつをたっぷりとかけて、バターを塗って(最初に塗るのを忘れていました汗)一口いただくと、さくさくさくーっ!感が口の中に広がりました。生地の中はふんわり柔らかい。そして甘い。子どもの頃からホットケーキ好きだったわたし、これまで多くのホットケーキを食べてきましたが、こちらは初めて食べた味でした。フォークがどんどんすすみ、かみしめる度にまた食べたくなる。まわりにおまけのように添えられたおこげ?のさくさく感が一層美味。
また、2枚のホットケーキに見慣れていたわたしにとって、1枚のホットケーキがとても不思議でした。なぜ1枚なのか。その理由を後日、お店に取材するとこんな答えが返ってきました。
「今はパンケーキブームで、その中でも2枚が主流かもしれませんが、当店ではそのずっと前からこのスタイルで出しています。あまり理由はありませんが、適量かなとは思います」
なるほど。
約20年前からこのホットケーキを出し続けている香咲。揺るぎない思いや味わい、工夫が、時間を超えて多くの人を魅了させ、2度、3度と足を運ばせているのかもしれないと思いました。
そんな香咲の歴史を少しだけひもとくと、1984年のオープン時は純粋な珈琲専門店として営業していたそうです。当時、珈琲だけを専門に扱う店が多い中、オーナーの岩根志津子さんは、「それだとなんだか口さみしいから」と、手作りのクッキーやスコーンなども出すように。ホットケーキはもともとまかない食だったそうですが、お客さんの要望でお店に出すようになったそうです。
さらに料理、デザートとラインナップが広がりました。お店によると、当時のままの雰囲気を大事に守りつつ、食材からこだわった手作り料理を提供しているそうです。
「お料理もデザートも、納得のできる味をお客さまにお出ししています」。
↑お店の前に出された手描きメニュー。
これらのほか、スコーンや紅茶、オーブン料理など迷ってしまうほど充実しています。
この日はカレーも2品いただきました。写真上は焼きチーズのキーマカレー 1,000円。
スパイシーカレライス 1,000円。どちらもしっかりと辛く、美味しかったです。
場所の目印は、ワタリウム美術館。ワタリウム美術館前の信号を渡り、そのまま左折。数分歩けば到着です。
香咲でランチをして、散策するのもおすすめです。香咲を出て、ワタリウム美術館前の信号を渡らずに左側の道をまっすぐ行くと、おもしろいお店がたくさん並んでいるので、へえ、ほおお~と眺めるだけでも楽しく過ごせます。
わたしたちは↓この雑貨屋さん↓に入りました。
そうしたら、小さなおはぎとお茶をいただいてびっくり。聞くと、週末は先着数十名限定でこうしたサービスを提供しているのだそうです。5階のデッキが解放されていて、青山の景色を眺めながら、おはぎを食しながら、話に花を咲かせる。ぜいたくな春の時間でした。
香咲からは表参道へも歩いて15分ほどで行けます。予定が何もない日にふらりと訪れてただ散歩するだけでも、うれしい出来事に出合えるかもしれません。
【店舗情報】
カフェ香咲(かさ)
東京都渋谷区神宮前3-41-1
TEL/03-3478-4281
営業時間/火曜~金曜11:30~20:00LO
土日祝 11:30~17:30LO
ランチは火曜〜金曜 11:30~14:00
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っている最中から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけTOKYOのおもしろさに出合える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。子どもが伸びる「体験型教育」情報サイト『のびるWEB』の編集人。
のびるWEB