昨年12月に行われた「昭和アイドルアーカイブス スペシャル 2017 Winter」。前編に続いて、そのレポートをお届けします。
イベントでは、レジェントゲストとして、第4回ミスマガジン(1985年)グランプリの八木さおりさんが登場。大先輩に恐縮する平成アイドルからの質問に赤裸々トークで答えていました。
今回のレジェンドゲストとして出演した八木さおりさん、何を隠そう僕も学生時代大ファンでした。ということで、この機会にいろいろ質問させていただきました。
八木さおりさんインタビュー
イベント出演のオファーを聞いたときどう思いましたか?
ちょうどデビュー30周年で、CDを出してもらったタイミングで呼んでいただけてありがたいなと思いました。
オファーを引き受けようと思われた理由は何ですか?
私は今劇団に所属して活動しています。そんな私の今を知ってもらいたくて。
当時と現在のアイドルの違いは何ですか?
今のほとんどのアイドルの皆さんは、グループに所属していて、心細くなくていいなあ、と思いました。
今のアイドルに言いたいことはありますか?
思い描く夢に向かって、お互い頑張りましょう。
今の若い昭和アイドルファンに一言メッセージをお願いします。
今でも、歌を聴いてくださったりしてありがとうございます。当時の私も、今の私も、応援よろしくお願い致します。
さらに、このイベントの仕掛け人である荒井敏郎さん、鈴木啓之さん、高島幹雄さんにも、お話をうかがうことができました。
●荒井さん
イベント「昭和アイドルアーカイブス」を始めた理由は何ですか?
いまのアイドルシーンはとても特殊で、この10年くらいの間に出来上がったもののように見えるけれど、実は80年代や90年代のアイドルから引き継いでいるものも多く、つながっているなと思ったのがきっかけのひとつです。昭和のアイドルを知ることで、いまのアイドルも面白く見られると感じました。また、いまアイドルを応援しているファンの方の中には、昭和のころからアイドルを応援している方も多く、そうした方が集まれる場になればというのもありました。
あとは、司会を務めてくださっているAnge☆Reveの橘さんはもちろん、今回のスペシャルでゲストとしてご出演いただいたさんみゅ~さんやハコイリ♡ムスメさんなど、いまの現役アイドルの中にも、昭和アイドル好きの方が多いというのもスタートさせようと思った理由です。
今回のスペシャルイベントのテーマを決めた理由を教えて下さい。
基本的にテーマは、ゲストさんが好きな昭和アイドルをピックアップしています。山口百恵さんと中森明菜さんを取り上げた理由はそうです。
そして、前回の夏のスペシャルイベントの際に大きく取り上げたテーマが「おニャン子クラブ」だったのですが、おニャン子クラブは雑誌「セブンティーン」のオーディション「ミスセブンティーン」から選出されたメンバーさんもいました。同時期に雑誌のオーディションとして大きなものが「マガジン」が主宰する「ミスマガジン」だったので、今回のテーマとして選ばせていただきました。歴代ミスマガジンの方をゲストに迎えたいと思っていたところ、八木さおりさんに出演を快諾していただき、今回のご登場となりました。
今後の「昭和アイドルアーカイブス」の予定を教えて下さい。
毎月、神保町の楽器カフェにて開催している、通常の「昭和アイドルアーカイブス」を続けていくのはもちろん、今回のようなスペシャルイベントを夏と冬の年2回を目標に進めていく予定です。また、こうしたイベントだけでなく、昭和のアイドルといまのアイドルを繋げていけるような活動があれば、実施していきたいなと思っています。
●鈴木さん
昭和アイドルの魅力とは何ですか?
今とは音楽界の状況が違い、作詞家、作曲家、編曲家、演奏家、ディレクター、マネージメント、宣伝、販売に至るまで完全分業制により、優れた作品が生み出されていました。そんな贅沢な環境下で歌手が純粋培養されていた時代。アイドルは手の届かないところにいる憧れの対象でしたが、そんな特別な存在だからこその有難味がありました。ソロ歌手が中心だったこともあって、実際に個々の才能も際立っていた様に思えます。
●高島さん
なぜ今昭和アイドルが若者に人気なんでしょうか?
子供の頃に親が聴いているのを耳にしていたり、昭和歌謡を紹介するTV番組などからなじんでいって、趣味の一環として好きになる人が増えていったのではないかと思います。
左から鈴木啓之氏、荒井敏郎氏、高島幹雄氏
【プロフィール】
荒井敏郎
アイドルと写真をコンセプトに運営するウェブサイト『TOKYO IDOL NET』のプロデューサー。その他イベントの企画・運営などを手がける。Tokyo Girls’ Updateにて、80、90年代のアイドルと現在のアイドルを比較するコラム『アイドル温故知新』を執筆中。
鈴木啓之
アーカイヴァー。主に昭和の歌謡曲、映画、テレビについての原稿執筆、CD、DVDの企画・ライナー、ラジオパーソナリティーなど。昭和アイドルについての著書に『アイドルコレクション80’s』、ほか『80年代アイドル カルチャーガイド』『日本の女性アイドル』など多くの関連書に寄稿している。
高島幹雄
フリーでCD、DVDの企画制作、ラジオパーソナリティー、ライターなど。近作CDは『「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」オリジナル・サウンドトラックCD 特装盤』(ワーナーミュージック)『ウルトラマンA 45TH ANNIVERSARY MUSIC COLLECTION』(日本コロムビア)など。昭和アイドル仕事はCDBOX『キャンディーズタイムカプセル』(ソニー/08年発売※限定生産品につき完売)など企画制作。2015年発売キャンディーズDVDBOXで解説執筆他多数。
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改めて昭和アイドルの曲を聴いてみると、そのメロディーや歌詞、歌声のすばらしさを再認識させられました。
昭和が終わって30年、そして平成も終わろうとしている今年、改めて昭和という時代を見直してみてはいかがでしょうか? きっと新しい発見があると思いますよ。
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山本泰宏(やまもと・やすひろ)
フリーライター/PRコンサルタント。これまで24年間テレビCMと消費者マインドを研究し、現在は1000社以上の商品やサービスをテレビ番組で紹介させるPR集団に所属。イベントやファッションなど、テレビ・広告業界が注目する“見てすぐ行って楽しめる”渋谷の最新トレンド情報をお届けします!