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渋谷スイーツ散歩 NO.3 竹下通りのスイーツ事情を探ると、クレープ散歩に行き着いた!

原宿の竹下通り。いつも混んでいるイメージが強いですが、常にポップでナウなスイーツが生まれる注目のスポットでもあります。だから、散歩がてら歩くと新しいスイーツのスタイルに出合えて楽しいのです。

フルーツやホイップクリーム入りが生まれた、意外な理由

現在、竹下通りにあるスイーツ店の店舗数は、計15店舗。そのうちクレープが9店舗(ラフォーレ原宿にある同系列店も含む)、カラフルなわたあめが印象的なTOTTI CANDY FACTORYが今一番新しいスイーツの傾向として人気を集めているコットンキャンディ2店舗、シュークリーム2店舗、アイスクリーム1店舗、原宿系のお菓子1店舗。(原宿竹下通り商店会調べ ※2017年5月取材時点)

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クレープ店が9店舗と抜きん出ていますが、この原宿竹下通りにとってクレープは欠かせない存在。その背景について、原宿竹下通り商店会の土田さんは次のように話します。

「原宿は女の子の街。表参道と並んでファッションやスイーツなど、女の子が好きなものが流行りやすい場所ですが、その中でもスイーツの歴史は、クレープのヒットに尽きると思います。ホイップクリームやフルーツなどを巻いて食べる今のクレープの形は、この竹下通りで初めて作られたんです」

そのクレープの生みの親が、原宿竹下通りのちょうど中心あたりにあるカフェクレープ。原宿竹下通りが商店街となった翌年の1977年、第一号店を出店した当時のことを、代表取締役社長の小野氏(創業者)から聞いた話として、青野さんに伺いました。

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「創業者がよく原宿に遊びにきていて、原宿のことをよく知っていたのが出店の理由として大きいですね。当時は今の竹下通りと雰囲気が違っていて、日曜日でも、歩く人が今の10分の1くらいか、もっと少なかったと思います」

「メインは表参道で、裏原宿が話題になりかけていた頃でした。同時に、原宿竹下通りにもぽつんぽつんとお店が出てきていたし、人も集まってきていた。原宿駅から直結していて便利な点にも魅力を感じて、ここに(お店を)出してみようということになったんです」

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アイス入りクレープが、ピンチを救った!

さらに今では定番の、アイスやホイップクリームやフルーツが入ったクレープは、当時、ピンチの打開策として販売されたものだそうです。そのきっかけは……。

「夏になるとクレープが売れなくなったんです。クレープはもともと熱い鉄板の上で焼くので熱々。だから、暑い夏にはまったく売れなくて困ってしまった。要は、閉店に追い込まれそうになったんですね」

「1号店では当時、プレートの商品も出していて、それにはクレープにアイスを付けていました。創業者のアイデアで、同じようにアイスをワンハンドのクレープにも入れてみることになったのですが、そうしたら、とても話題になったんです」

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「最初、1号店のエンジェルスハートでメインに打ち出したとき、わかりやすいように写真とサンプルを作ったんですね。同じことをやっている店がなかったこともあって、とても人気が出ました。アイスのアレンジで、フルーツやホイップクリームも入れるようになりました」

それまでクレープは、ジャムなどをクレープで包み込んだフランスのスタイルが主流でしたが、カフェクレープの斬新なアイデアをきっかけに、フルーツやホイップクリーム入りクレープへの人気が高まっていきます。

さらに、食べ方も新しく変わっていきました。

「あの頃、外で食べることは“はしたない”という時代でした。でも、若い人は逆にそこに魅力を感じた。はしたないと言われれば言われるほど。そういうこともあると思いますし、時代がついてきたというイメージでしょうか」

当時、フランスのクレープをそのまま継承しているお店からは、「そんなのはクレープじゃない」と言われたりもしたそうです。

そういった壁も乗り越えながら、カフェクレープは今のクレープの形を作りあげていきました。同時に、ホワイトチョコを削って入れる、国産の小麦粉と卵を使用する、など確固たるこだわりも守り続けていきます。

そんなカフェクレープのロングセラークレープは、バナナチョコ生クリーム。こちらは人気NO.1でもあるそうです。(写真の2段目右端)

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もうひとつのロングセラークレープは、ストロベリー生クリーム。こちらは特に外国人の方に人気。

最後に、美味しく食べるコツについて教えていただきました。

「上からかぶりつくことですね。できればクレープと一緒に、中のクリームやフルーツ、ケーキなどもがぶりと。やっぱりこの食べ方が一番美味しいと思います」

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ワンハンドで食べられるのがクレープのいいところ。たとえば、これからの梅雨の時期、傘を差しながらでも気軽に食べられます。歩きながら、上からがぶりと食べる。そんな散歩はいかがでしょうか。

【店舗情報】

カフェクレープ竹下通りショップ(エンジェルスハート)
東京都渋谷区神宮前1-20-6
TEL/03-3497-0050
http://www.cafe-crepe.co.jp/
【取材協力】原宿竹下通り商店会 http://www.takeshita-street.com/

たかなしまき

takanashimakiフリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っている最中から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけTOKYOのおもしろさに出合える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。子どもが伸びる「体験型教育」情報サイト『のびるWEB』の編集人。
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