春の訪れを感じる某日、伝統的なフランス菓子店として知られるコロンバンの苺フェア(現在開催中、3月9日まで)を取材させていただきました。場所は、東京メトロ明治神宮前(原宿)駅からすぐの原宿サロン。日差しがたっぷりと降り注ぐ、明るくて落ち着いた雰囲気が印象的なお店です。
苺フェアを飾るラインナップは4品。ここからは、それぞれの特徴と、新スイーツの誕生話についてご紹介しますね。
「あまおうのロールケーキ」(直径12㎝、税込1,620円)
「あまおうのロールケーキ」は、おもたせにおすすめのスイーツとしてラインナップ。大きな特徴は、生地の中に、いちごの高級品種として知られる「あまおう」の大きな粒がまるごと入っていること。どこでカットしても、ぜいたくな甘みを味わえます。口当たりがすごく軽い生地で、ふわふわっと、やさしく舌の上でとけていきます。
生地とあまおうの間にはさまれた、練乳風味の生クリームとのバランスも絶妙。何口でも食べられます。
「苺のムースフロマージュ」(税込573円)
「苺のムースフロマージュ」、まず目をひくのが、赤いつや感です。グロスを思わせるこの美しいつや感は、苺フェアのテーマ“ショーケースで目をひく鮮やかさ”を、苺のナパージュをたっぷりかけて表現したもの。さらなる特徴は、苺の甘酸っぱさと、中に入ったチーズムースの酸味とのバランス感。甘みと酸味が層になって、口の中でふんわりと広がり、とろけていく。ぜひ体感してほしい味わいです。
この「苺のムースフロマージュ」も、どんどん食べられるから不思議。
「ケーキの外も中も、苺をいろいろな形で楽しんでいただく工夫をしています」と広報室の白石亜弥子さんは話します。
「断面を見ていただくと分かるのですが、一番下にチョコの生地をしいているんです。それに苺のムース、チーズのムース、自家製の苺のコンポートが入っていて、苺の自然な美味しさを引き出す味わいが折り重なっています」
まさに、苺づくし。
次にご紹介する「苺のタルト」も、赤いつや感が印象的で、苺づくしな工夫が楽しめるプチガトーです。
「苺のタルト」(税込648円)
苺がこぼれそうなくらいにのった贅沢感たっぷりのプチガトー「苺のタルト」。「旬の苺の果実を、盛れるだけ盛りました」と、広報室の白石さんは言います。赤いつや感も美しく、食べるのがもったいないほど完成されたビジュアルにため息が出ます。
しばらく眺めた後、一口食べてみると、甘い苺の美味しさにふわ~~と身体がとけてしまいそう。
「苺のタルトも、どこから切っても新鮮な美味しさを感じていただけよう工夫を盛り込んでいます。中には、苺と相性の良い、薫り高いピスタチオをしきました。ピスタチオと、サクサクのタルト生地の間にも、自家製の苺ジャムをしいていますし、ピスタチオの上には、苺のババロアが入ってるんですよ」(広報マネージャー 白石さん)
ぜいたくな苺の甘みが、ふんわりと口の中に広がっていきます。タルト生地はほどよいかたさで、フォークで軽くカットできるのもうれしいですね。バタークリームをあわせたカスタードクリームも、甘すぎず、全体のバランスをうまくまとめています。本当に美味しいプチガトーです。
「ババロアエリート」(税込1,296円)
「ババロアエリート」はロングセラースイーツ。こちらも「あまおうのロールケーキ」と同じく、おもたせにおすすめのスイーツとしてラインナップされています。最初の発売から約40年、幅広い層に愛されているというだけあって、ババロアの軽やかでほんのり甘い食感が絶妙。今回、苺フェアにあわせて復刻販売されているそうです。
「お友だちやご家族など、大切な方々とのご歓談の時間にいただくスイーツとして、長くご支持いただいています。ご自分ですきな分を切りわけて頂けるのも人気の理由のようです」(広報室 白石さん)
ババロアの白と、苺の赤のコントラストがとても印象的。どこかなつかしい、しっとりとした食感と甘み、何度食べても飽きない。というよりも、また食べたくなる味わいではないでしょうか。
ここまで苺フェアを飾る、4つのスイーツをご紹介しましたが、いかがでしたか?
気になるのは、こうした苺フェアのスイーツが、どんな風にできたのかいうこと。今回も、前回の記事「表参道の美味散歩。コロンバンの冬限定スイーツ開発物語」に引き続き、スイーツが生まれるまでのお話を伺いました。
前回は、各販売店のスタッフにアイデアを募り、それを中心に作られていました。今回は、営業担当者らが集めた客観的な声やデータ、さらに販売員が直接お客さまから受け取った声や気持ちをあわせて、作られていったのだそうです。
「お客さまと直接コミュニケーションを取っている販売店の声はとても大事にしています。これは毎回変わらないですね」(広報室 白石さん)
お客さまの声に、味やサービスで応える。スイーツの老舗として、長く愛される理由の1つなのかもしれません。
「ロングセラーを生む秘訣は何でしょうか」。そう問いかけると、白石さんはこう答えてくれました。
「コロンバンには、すごく長く買っていただいているスイーツとして、ショートケーキやマーブルケーキなどがあります。秘訣としては、みなさんに愛されるお味でありながら、こだわりを見せていることでしょうか」
老舗ならではのこだわりを見せながらも、いつも新鮮さを感じさせる。そんな苺フェアのスイーツたち。サロンでは、華やかなデコレーションが施されたお皿盛りでいただくことができます。大きなあまおうがのった苺パフェをはじめ、サロン限定のスイーツもあるそうです。
苺フェアは、3月9日(木)まで開催中。散歩の途中、一人で、友だちと、家族と一緒に立ち寄って、スイーツで話に花を咲かせるのもいいですね。今回、ご紹介した苺フェアのスイーツたちも、サロンでいただいた後、おもたせにと買って行くお客さんも多いようです。
「サロンでは、日常のあわただしさを忘れるような、落ち着いた雰囲気の中で、美味しいスイーツとともに、ゆったりした気持ちになりながらお過ごしいただけるとうれしいです」(広報室 白石さん)
もうすぐ春。歩くだけでも気持ちいい、これからの季節。散歩の途中、コロンバンの原宿サロンに立ち寄って、表参道の新緑をながめながら苺のスイーツに舌鼓をうつ。そんなコースもおすすめです。
【店舗情報】
コロンバン 原宿本店サロン
東京都渋谷区神宮前6-31-19
TEL/03-3400-3838
営業時間/月~土10:00~21:00(日・祝 ~20:00)
定休日/年中無休
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っている最中から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけTOKYOのおもしろさに出合える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。子どもが伸びる「体験型教育」情報サイト『のびるWEB』の編集人。
のびるWEB