昼も夜も美味しい、渋谷食堂ヴェントゥーノ トーキョーは、スクランブル交差点から迷いようのない、センター街を入ったIKEAの地下にあります。
「同じ渋谷でも、宮益坂や渋谷2丁目の辺りは大人の街っぽい雰囲気、マークシティの向こう側は居酒屋さんや焼き鳥屋さんが充実しています。この辺りは若い方たちが多いですが、センター街にある美味しいものが食べられる場所として認識されて、大人の方々もわざわざ渋谷に食べに来てくださる、というのが理想ですね。」と仰る支配人の松嶋さん。
昨年8月にリニューアルオープンしたヴェントゥーノ トーキョー(前編はこちら)、後編は夜の様子をお伝えします。
惹かれる、ビストロのメニュー
ランチがとっても美味しかったので、夜の「カジュアルフレンチ」の方も気になり今度は夜に行ってみました。昼と違って照明を落とし、開放感のあるスペースはそのままに、少しムーディな雰囲気です。隣のテーブルとの距離もしっかりあるので、感染防止の観点から安心なのはもちろん、ゆっくり落ち着いて話ができそうです。
メニューは、ピンチョスやサラダに始まり、アヒージョや自家製ソーセージ、メインにはカモのコンフィなどが並びます。イタリアンやスパニッシュの料理を織り交ぜつつ、フレンチの定番もしっかり。
お酒の種類も豊富で、ビールやワインはもちろん、サワーやハイボール、カクテルまで充実のラインナップです。
ランチと同様、やっぱり野菜が美味しい魚介のサラダ。
冷製肉の盛り合わせ、シャルキュトリーはお勧めです。厚めのパテ・ド・カンパーニュで肉の旨さを噛みしめ、なめらかな白レバーペーストはカシスの酸味に舌鼓。赤ワインを合わせるのが王道ですが、ハイボールとの相性もなかなかのもの。
牡蛎のアヒージョに魚介のフリットまで、一気にいただきました。
さっくり揚がったフリットは、やっぱりタルタルソースと一緒が一番、洋食屋さんのさすがのお味に、白いご飯がちょっと恋しくなりました。
ここまででお腹が満足、気になるトリュフソースのビフテキ、デザートは次回のお楽しみとなりました。豊富なメニューにお腹が追いつかない、贅沢な悩みです。
焼酎ハイボールを知っていますか?
入口の看板が主張する「ハイボール×カジュアルフレンチ」のハイボール推し。
渋谷食堂のハイボールは、略してシブショクハイボール。意外なのは、メニューにもある「焼酎ハイボール」。ハイボールと言えば、ウィスキーが定番ですが、「焼酎」をあえて「ハイボール」で?松嶋さんに伺いました。
「フレンチの料理を、日本酒と、あるいはウィスキーやレモンサワーと合わせるのは鉄板です。焼酎については、一時期ブームになりましたが、皆さん忘れているかな、と。焼酎は今、変わったものが増えてレベルアップしています。
例えば芋焼酎。サツマイモの一種である黄金千貫を熟成させると、オレンジのような柑橘系の香りがします。それぞれ特徴があるので、焼酎のハイボールを売りにしてみようかと。鳥飼のハイボールとか、米焼酎もすごく美味しいです」
焼酎ハイボールは、カルパッチョのような淡泊な味の料理や、トマトソース系の料理と相性がよいとのこと。数々のレアな焼酎に加え、果実酒の種類も豊富。梅酒や柚子酒、パインや桃など、高級果実酒はあまりお酒を飲み慣れない若い女性にも喜ばれているそうです。
変化した、お酒とのおつき合い
「コロナの影響で、お勤めの人は会社から極力夜の街には行かないよう、指令も出ていたようです。皆で飲みに行くような機会は減り、家に帰る習慣がついていますよね」と松嶋さん。
とはいえ、親しい人と集い共に食事をいただくのは、何にも替えがたい時間です。酔いに任せてハイテンションを楽しむより、静かにたしなむ。そんなお酒との付き合い方の変化は、コロナのおかげなのかもしれません。
手を掛けた美味しい料理をつまみながら語り合う、そんな大人の時間を楽しめるお店。価格帯の敷居も低めで、若い人たちや女性同士でも食べて飲んで楽しめるような印象でしたよ。
広い広いスペース、個室も2つ
歴史あるビルの地下という広い空間の利点は、テーブルとテーブルの間隔を空け、密を避けるにとどまりません。圧倒的な広さで、イベント会場としても抜群の好条件。個室は2つあり、それぞれ12席と20席。貸切であれば60席、立食は最大100人まで可能です。
「駅からすぐでわかりやすく、これだけ広々としたスペースで大人数にお客さまを余裕でお迎えできるお店はなかなかないと思います。プロジェクターのご用意もありますし、スクリーンは100インチの大画面です」
結婚のお祝いなど、イベントの需要も増えてきているとのこと。安心して楽しむことができるお店はこのご時世、本当に貴重です。明るく広々としたヴェントゥーノ トーキョーのフロアの様子、頭の記憶の片隅にキープしておきましょう。
食べに行くと、リピーターに
飲食店を立ち上げ人気店に成長させた経験をお持ちの松嶋さんは、新しいお店のブレイクは1年、遅くても2年が勝負と仰います。
「まだあまり知られていないことが課題。来店されたお客さまが美味しかったよって言ってくれて、と口コミで広がっていく、そういうお店にしていきたいと思っています」と松嶋さん。
今後はSNSで、シェフの料理へのこだわりを発信していく計画もあるとのこと。まずは一度、ランチのハンバーグを食べに行ってみてくださいね。ランチのドリンクバーが無料になる、LINEのお友達登録はお忘れなく!
大正時代に始まった渋谷食堂を引き継ぎ、現在はヴェントゥーノ トーキョーを運営する万葉会舘の社是は「最高の味と真心の奉仕で社会に貢献」とのこと。今回松嶋さんに伺ったヴェントゥーノ トーキョーのお話は、令和スタイルでありながらその精神が引き継がれているように感じます。
料理が美味しくて、昼はドリンクバーがあり、夜はお酒の種類が豊富、広いスペースで密を避けながら食事の時間を楽しめるとわかれば、リピーターが増えていくのは時間の問題かもしれませんね。
【店舗情報】
渋谷食堂 Ventuno Tokyo(ヴェントゥーノ トーキョー)
東京都渋谷区宇田川町24-1 高木ビルB1F
JR渋谷駅1分 渋谷センター街入ってすぐ IKEAのビルの地下1階
★ 裏手の西武側にも入口あり
03-3477-1199
営業時間:月~日、祝日、祝前日:
11:30~16:00 (料理L.O. 15:30 ドリンクL.O. 16:00)
17:00~22:00 (料理L.O. 21:00 ドリンクL.O. 21:00)
https://ventuno-tokyo.owst.jp
谷井百合子(たにい・ゆりこ)
会社員からライターへ転向。腰の軽さと興味に乗っかる行動力で、ビジネストレンドやブックレビュー、食や旅にも題材を広げている。
興味のあるジャンルは、カフェ、本、料理、工芸、建築、など。渋谷界隈で出会った美味しいものや素敵なものを、テンションの上がった気持ちものせてご紹介します。