シブヤまちづくり散歩とは
未来のシブヤはどんな街? 渋谷区では、様々な社会状況の変化や、技術革新を踏まえた上で、「渋谷区基本構想」をまちづくりの視点から実現化する「渋谷区まちづくりマスタープラン」(以下「渋谷区まちマスプラン」)の策定が進んでいます。2017年9月に始まった「渋谷区まちマスプラン」をはじめ、シブヤで行われる様々なまちづくりの取り組みを追いかけます。
20年先の渋谷をつくる、「渋谷区まちづくりマスタープラン」
渋谷区に住んでいる人、渋谷で働いている人、渋谷で学ぶ人、渋谷を訪れる人、渋谷が好きな人。シブヤ散歩新聞の読者のみなさんは、このどれかに当てはまることが多いでしょう。
いま、渋谷区では、渋谷に関わるさまざまな人の“渋谷への想い”を反映して、これからの約20年を見据えたまちをつくるため、「渋谷区まちづくりマスタープラン」の策定が進められています。
渋谷区Webサイト
「渋谷区まちづくりマスタープラン」策定に向けたワークショップ等意見募集を行いました
笹塚・幡ヶ谷・初台・本町周辺地域のセッション①「地域を知る・未来を展望する」セッション②「未来像を競争する」の様子はこちら
シブヤまちづくり散歩No.1 「渋谷の未来を描くワークショップ ー笹塚・幡ヶ谷・初台・本町周辺①②ー」
渋谷駅周辺地域のセッション③「未来像を共有する」の様子はこちら
シブヤまちづくり散歩 No.8 「渋谷の未来を描くワークショップ ーセッション③未来像を共有するー」
まちづくりマスタープランの意見交換会(代官山・恵比寿・広尾地域)の様子はこちら
シブヤまちづくり散歩 No.9まちづくりマスタープランの意見交換会に参加しました
ワークショップや座談会で語り合った、未来の渋谷像
今回は1/18(土)に開催された、笹塚・幡ヶ谷・初台・本町地域の報告会におじゃましました。雪のちらつくとても寒い日でしたが、地域のみなさんが集まっていました。
まずは長谷部区長のごあいさつからスタート。
「まちづくりはとても時間のかかるものです。渋谷区まちづくりマスタープランは、平成17年に制定された渋谷区まちづくり条例により『渋谷区におけるまちづくりの基本方針』として位置づけられ、今回新たに策定しました。この構想の中で、こちらの地域の目玉になるのは、玉川上水緑道のリニューアルだと思います。また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会や明治神宮の鎮座百年祭など、様々なイベントを控え、街がガラリと変わっていくでしょう。このタイミングで、様々なステークホルダーと協働し、未来志向で街の課題を解決していきたい。そんな風に思っています。そして、今日はみなさんのご意見を伺い、さらに良いまちづくりをしていきたいと思っています」
続いて、マスタープラン担当課長の森田さんから具体的な報告へ。
「一昨年からスタートした渋谷区まちづくりマスタープランは、数々のワークショップや座談会で、渋谷民のみなさんと渋谷の未来像について語り合ってきました。様々な参画機会を設けたことが特徴です。そこで寄せられたご意見やご要望を踏まえ、まちマスタープランが完成しました。今日はそのご報告と、改めてみなさまの率直なご意見を伺いたいと思います」
シブヤ散歩新聞もワークショップや意見交換会に参加してきました。そして、まちづくりってこんな風に進むんだな!と、いくつもの発見がありました。模造紙や付箋を使ったワークショップ形式でみんなの意見を集めるあたりが渋谷らしいと感じていました。
森田さんから、4つの渋谷の未来像、人口動態や技術革新を踏まえた論点の抽出、イラストでわかりやすく提示された未来の姿など、盛りだくさんの説明が進んでいきます。地域ごとに細分化された将来像の紹介がはじまると、みなさん、さらに熱心に聞いているようでした。
自分のまちのことだから、聞きたいし、知りたい
森田さんからの報告が終わると、質問タイムに入ります。
「私の住むエリアの道路計画が気になっています。今後どんな風に進むのか、具体的に知りたいです」
「みどりと水・潤いのあるまちづくりと聞いて、良いと思う反面、渋谷区でどんな風に水を感じることができるのでしょうか」
「協働型のまちづくりが気になります。具体的にどんな取り組みがありますか。実際に私がどんな風に参加できるのか、知りたいです」
「この地域で病院を経営しています。これから20年後のまちづくりに、医療や福祉の領域でどんな協力ができるのかを知りたくて参加しました」
「たくさんの構想があって楽しみです。だけど、まだよく分からない部分もあります。担当者の視点で注目すべきところを教えてください」
「シティプライドという言葉に共感しています。私自身も主体的に関わりたいですし、渋谷に関わる多くの方にそう思ってもらいたいのですが、そういう気持ちをどうすれば醸成できると思いますか」
こんな風に、いろんな角度の質問があがってきました。渋谷区の担当者さんも、一つひとつ丁寧に答えていました。
今からつくるものであり、ずっと続いてきたものでもある
たくさんの質疑応答のあと、報告会は終了しました。そして、帰り支度をはじめた参加者のみなさんが、楽しそうに雑談をはじめました。新年のごあいさつから、町内会のことなど、まさに地域のお話といった話題が楽しそうに繰り広げられていました。
その様子を見ているうちに、今後のまちづくりは、これまでこの地域で過ごしてきた人たちがずっと続けてきた営みとともに進んでいくのだなと感じ、当たり前のことのようで、なにかがストンと理解できたような気がしました。
「YOU MAKE SHIBUYA」を合言葉に、今からつくっていくものであり、ずっと続いてきたものでもあるまちが、さらに魅力を増していく。そんな静かな幕開けを感じる機会になりました。
界外亜由美(かいげ・あゆみ)
シブヤ散歩新聞・編集長。クリエイティブ・ディレクター/プロデューサー/コピーライター。三重県の伊賀市、忍者の里出身。ちなみに、界外(かいげ)は本名です。東京に来て10数年目。いつ来てもワクワクする渋谷の街が好き(いまだに渋谷駅で迷う。方向音痴……)。興味のあるジャンルは料理、酒、発酵、お笑い、短歌、絵本、子育て。シブヤ散歩新聞ではレアキャラ的頻度で執筆予定。
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