朝の代々木公園。到着すると空にはぽっかりと朝の月が浮かんでいました。
足元の草むらは朝露に濡れていて、夜の気温の低さを連想させます。ススキも伸びてきています。
前の週に出かけた富士五湖のキャンプ場を思い出す空気感。心なしか、夏よりも人が多いようですが、それでも都会とは思えない静かさです。コオロギの声も聞こえてきました。
さて今回は、二日酔いで立ち上がれなかった夫を家に置いて子どもとふたり、代々木公園の内回りルートをぐるっと一周歩いてみました。
中央広場の周りにはドングリがいっぱい
内回りルートは、芝生の生えている中央広場に一番近い周回ルートです。舗装されていて足元も安定しているので、キョロキョロよそ見をしながらの散歩にも最適です。子どもは例によって自転車でスススーと楽しそうに進んでいきました。
歩いているとコリコリと木の実が足裏に当たります。よく見ると何種類も落ちています。子どもが見つけてきたスダジイの木の実(下の写真)は、歯で皮を齧りとれば生でも食べられます。味は香りの少ないアーモンドのよう。(煎るともっと美味しいようです。)
拾っていると、舗装路を掃除している人に出会いました。落ち葉や枝を道路からきれいに移動してくださっていました。道路に落ちていた木ノ実は土の上に移しているようでした。
舗装路の上のコリコリは、朝のお楽しみですね。
他にも落ちていた木の実を持ち歩いていたら、ドングリを解説する看板に出会いました。代々木公園にはこんなにたくさんの種類があるのか・・全部見つけたい・・とワクワクしていたところ、ふと、わたしがドングリの「ぼうし」と呼んでいたあの部分が、この看板では「おさら」になっていることに気づきました。
えー!?
どちらがポピュラーな呼称なのでしょうか。真相が知りたいです。
池の周りには生き物もたくさん
内回りコースを歩いていると池のほとりに出ます。そこには都会のカラスたちと一緒に白いサギの姿が。その近くにはサルノコシカケ、それからモグラの掘り起こした土の山。鳥類も菌類も小さな哺乳類も、ゆったりした緑に包まれて生活していて羨ましくなります。
遠足でこの公園によく来る子どもによると、春には池でたくさんのオタマジャクシを見ることができるそうです。ということはカエルもここにはたくさんいるのでしょう。
サルスベリの花も満開でした。
上へ下へと目を移動しているとあっという間に内回りコースが終わってしまいます。
装着した時計で確認してみると、約3200歩、2.4km、95kcalの消費ということでした。涼しくて汗はかきませんでしたし、心拍数も上がって85前後と、フィットネスと呼べるような運動ではありませんが、心は爽快で満足しました。
数字で見ても快適な秋の代々木公園朝散歩
ところでWBGTってご存知ですか。
夏になるとよく聞く「熱中症」を防ぐための「暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)」のことです。(環境省の熱中症予防情報サイトに詳細が掲載されています。)
この散歩をしたのは9月後半の連休中、秋になって朝晩の外気温が快適だなあ〜まさに散歩日和! と思った日だったので、WBGTを計測する機械を持参してみたのです。
湿度と温度で計算するWBGT、「LOW」でした。基準としては運動しても熱中症の危険性は極めて低いよ! という値です。
この日の朝は本当に快適で、人間の肌感覚というのは数字と矛盾しないのだなあと改めて感じました。気持ちいい日には外に出る、それだけで自然との調和と呼べるのかもしれないですね。
得原藍(えはら・あい)
理学療法士/一般社団法人 School of Movement ディレクター。
子育てしながら運動科学の専門家として、身体と環境と生活の関係を考える日々を送る。
たのしいマイニチのために人生編集中。
TEXT aiehara’s web