青山のキラー通りで見つけたのが、スケートボードショップ「THE 1st SHOP」。タタミ一畳分もない、小さな小さなお店です。昔のタバコ屋さんのような佇まいと言えば、わかる人にはわかっていただけるでしょうか。とにかく小さい。
尊敬する伯父の思いを受け継いだ、大切な場所
なぜこの場所に、一畳分もないお店を出したのか。そして、なぜ商品がスケートボード関連なのか。このお店について知りたい!と思ったわたしは、オーナーの金子さんに取材しました。
THE 1st SHOP がオープンしたのは、2014年4月20日。もともとこの場所は、金子さんの亡き叔父である金子順持さん(元株式会社ストックマン社長)がウェスタンブーツの販売を始めたところだったそうです。それをきっかけに、金子順持さんの会社での輸入アパレル事業が本格的にスタートしました。
いわば、「金子家がアパレル商売を始めたルーツの場所です」と金子さん。
ウェスタンブーツ時代のお店を良く知るOBやOGたちは、この場所を「一番店」、「ナンバー1」、「1st SHOP」と呼ぶように。金子さんは今のお店をオープンする際、それにあやかり、店名を「THE 1st SHOP」と名付けたそうです。
幼い頃から、叔父である金子順持さんや父親の影響で欧米文化に触れていたという金子さんは、成長するにつれ、特にスケートボードというカルチャーに深く傾倒していきます。そんな金子さんは、出店を決めたときの思いを次のように話してくださいました。
「伯父のウェスタンブーツとスケートボードは、ジャンルは違っていても、どちらも米国を象徴する文化。THE 1st SHOPはとても小さなお店ですが、ここからスケートボードの楽しさや魅力、またそれにまつわるカルチャーを発信したいと思ったんです」
では、どんなお客さんがこのTHE 1st SHOPを訪れるのでしょうか。
「老若男女問わず、スケートボード、アート、グラフィティーなどのカルチャーが好きな方。それにカップルや近所の方などなど」(金子さん)
人気アイテムベスト3も教えていただきました。
1.一番Tee
2.サコッシュ
3.キャップ・ハット類
次に金子さんは、青山にお店を出すこと、また青山という街について話してくださいました。
「金子家の商売の原点であるこの青山にお店を出すことは、僕自身、とても意味のあることだと思っています。また青山は、感度の高い人たちが多く集まり、古き良きものや新たな文化が交差する魅力のある場所。特にキラー通りは、静かで落ち着いていて、とても気に入っています」
では、今後はどんなものを発信してくださるのでしょうか。
「オリジナル商品をより充実させていきたいです。インポーターとしては、日本ではまだ未紹介の、世界中の良品をここから紹介していきたい。特に私は、20代をHawaiiのHonoluluで過ごしたので、Made in Hawaiiの商品やブランドを紹介していくことも使命だと思っています」
「なぜここに?」から始まった取材でしたが、一畳にも満たない小さなお店には、青山のカルチャーに確実に影響を与えた、こんなにも奥深い歴史が息づいていました。
THE 1st SHOPの外観、カラフルでデザイン豊富なアイテムを見つけただけでもわくわくした気分になれます。まだご存じない方は、キラー通りを歩く際、のぞいてみてくださいね。
【店舗情報】
THE 1st SHOP
東京都港区北青山2-11-17
営業/土・日11:00 – 16:00
http://the1stshop.com
たかなしまき
フリーライター。OL、業界紙記者、海外ガイドブックや美容雑誌の編集者を経て、現職。愛媛県で生まれ育っている最中から都会に憧れていたわたしにとって、渋谷界隈は歩いた分だけTOKYOのおもしろさに出合える街。現在、神奈川県在住ですが、何かと渋谷や表参道に出没しています。ふらーっと路地に入って探検したり、人間観察したり、気の向くままに歩くのがお気に入り。子どもが伸びる「体験型教育」情報サイト『のびるWEB』の編集人。
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