こんにちは。中学生ライターのたいちです。みなさんは「撮り鉄」と聞くとどんなイメージがありますか。「撮り鉄」とは、鉄道の写真を撮るのが好きな人たちのこと。鉄道ファンの中でもメジャーな趣味です。僕の学校の鉄道仲間の中にも「撮り鉄」はかなりいて、引退直前の車両や今後運行を開始する電車の試運転の様子などを撮ってSNSに投稿したり、文化祭で発表したりしています。
一方の僕はいわゆる「音鉄」。発車メロディや接近放送を録音して楽しむ鉄道ファンです。列車の撮影は、正直言うと苦手意識があります。その場では上手に撮れたと思っても、帰宅してから確認すると、見るに堪えないものになってしまうことが多々あるのです。
しかし、このシブヤ散歩新聞で鉄道散歩の記事を書いているうちに、「やっぱり鉄道撮影の技術を身に付けたい!!」と思うようになってきました。
そこで今回、撮り鉄の友人A 君に撮影のアドバイスを依頼しました。渋谷でオススメの撮影スポットを教わりつつ、鉄道写真の撮影技術の向上を目指し、頑張っていきたいと思います!!
撮影スポットはどこがいいのか?
鉄道写真を撮る時に一番大事なのは「構図」です。いい写真を撮りたいならば、構図の検討は欠かせません。
鉄道写真で好まれる構図は、一編成全部が丸々写った「編成写真」です。
※一編成=一本の列車の車両全体を指す言葉
(カーブを利用して撮影する編成写真の例。フリー素材です。)
しかし、渋谷近辺を走る列車は10両前後と長いため、列車の一編成を丸々映すというのは、実はかなり難しいのです。そこで撮り鉄は、カーブがある撮影地で撮ることが多いのだそうです。逆に言えば、カーブがあるというだけで立派な撮影地になったりもします。皆さんの家の近くでカーブになっている線路はありませんか?そこは、実は隠れた撮影地なのかもしれません。
渋谷でオススメの撮影スポットは「東一丁目の跨線橋」
A君に、渋谷近辺のオススメ撮影地を聞いてみました。
「それなら東一丁目の跨線橋に行ってみなよ」
と即答のA君。さっそく現場に行ってみました。
これが跨線橋です。
恵比寿方向を見ると、きれいなカーブがあって、たしかにいい写真が撮れそうな気がしてきました。
それではさっそく、撮影開始です!!
残念!初めての鉄道写真はボケボケに
電車が来るタイミングにばっちり合わせてシャッターを切っていったつもりだったのですが・・
うーん・・・
なんかシュールな写真になってしまいました。
列車の撮影には狙った獲物を仕留めるような独特の感覚があり、撮影中はとても楽しく、撮り鉄の気持ちが少し分かった気がしました。
それは良かったのですが、撮れた写真はなんだか変です。A君に見てもらうと、
「金網が入ってる」
「列車がぼやけてる」
「というか、ピントが線路脇の草に合ってるけど?」
と、非常に鋭い指摘が次々と返ってきました。これは痛い!
では、ピントはどのように合わせればよいのでしょうか?
定番の方法として教えてもらったのは「置きピン」という方法です。電車は自動車などと違い、どこを通るのかがはっきり決まっています。なので、事前に線路上にピントを合わせておけば、ある程度ピンボケを防ぐことができるのだそうです。
では、もう一度撮影に挑戦してみましょう!
惜しい!二回目の鉄道写真は列車よりも電柱が・・・
A 君のアドバイスを受けて、再び東一丁目へ。さあ、三度目の正直ならぬ二度目の正直で、今度こそ撮影を成功させるぞ!!前回教わった「置きピン」でしっかりピント合わせをして撮影に臨みます。
前回よりは、だいぶピンボケを免れることができました。おそるおそる写真を提出すると、
「構図がな・・・」
とまたもや渋い表情のA君。
「車両が2、3両目ぐらいまでしか写っていないよね?鉄道写真においては、編成をまるごと映すのは基本中の基本!あと、電柱の方が大きいの何で?」
恐れ入りました!たしかに、鉄道写真なのに車両が小さい。電柱や草が主張してしまっています。撮ってる時には電柱なんて気づいていなかったので、盲点でした。
線路のカーブをきれいに映すヒント
2回の撮影で、実はもうひとつ悩みがありました。それは「カーブが綺麗にうつらない」ということです。写真を見たA君は、
「もう少しズームを利かせたほうがいいよ」
と教えてくれました。ズームを使えば、カーブを通る車両全体を大きく映すことができそうです。
三度目の正直!撮り鉄初心者は進化した
さて、3回目の東一丁目です。今日こそは満足の行く写真を撮りたい!
上は埼京線の10両、下は湘南新宿ラインの15両の車両です。いずれも編成の後ろ側まできれいに映すことができました。左側の草の被り量も最小限に抑えられたので、以前の写真に比べるとかなりの進歩です。
とはいえ、一つ気になったことがあります。前面にある「行き先表示幕」(「普通 宇都宮行」などと書いてある文字盤)の文字が見えにくくなってしまうことです。これも、撮っている時には気づかず、出来上がりを見て初めて気づきました。
どうしたら解決できるのでしょうか。
A君に聞いてみたところ、シャッタースピードを遅くすれば、上手く写せることが分かりました。行先表示幕は電光掲示なので、シャッタースピードを遅くすれば、点滅の「点」の時を捉えることができるからです。
しかし、問題もあります。シャッタースピードを遅くしてしまうと、ブレやすくなってしまうのです。(撮り鉄の人たちが線路脇に三脚を立てている理由が分かりました。)
ちょうどいいシャッタースピードの設定は、やはり、経験を積み重ねていくしかなさそうです。
渋谷は撮影チャンスがいっぱいある
3回の鉄道撮影で、「ピント」と「構図」において大きな進歩が見られたのはとても嬉しかったです。今後もたくさん撮って、上達していきたいなと思いました。
鉄道写真撮影を楽しむのであれば、列車をたくさん撮れたほうがいいですよね。渋谷は、3~5分おきに列車(すなわち撮影チャンス)が巡ってくる、「気軽に列車の写真を撮れる街」でもあります。スキマ時間ができた時に、ぜひ、列車の写真を撮りに行ってはいかがでしょうか?
終わりに、A君から教わった鉄道撮影のポイントをまとめます。A君、協力ありがとう!
・編成写真を撮るなら、カーブがあるところがオススメ(渋谷なら東一丁目の跨線橋)
・事前にピントを合わせて待機しておく「置きピン」を行って、ピントを合わせる
・ズーム(一眼レフの場合は望遠レンズ)を徹底的に活用し、編成全てを写せる最適な構図を探る
・たくさん撮影を行えば、自然と上達すると思います。(A君より)
たいち
都内に住む中学生。小学校時代の塾があったので、渋谷には週に3日は通っていました。鉄道、歴史がもとから好きで、最近アウトドアに興味が出てきました。中学生になって行動が自由になってきたので、これからいろんな所に行ってみたいです。