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CULTURE

渋谷ベジ散歩No.9 誰も嫌な思いをしない!ヴィーガンは世界の共通言語  Alaska zwei

スタッフが全員ヴィーガンではないヴィーガンカフェ

これまで、”ベジ散歩”をしてきたヴィーガンのお店のオーナーさんたちは、ほとんどの人がヴィーガンでした。だから、

「私はベジでもヴィーガンでもないです。スタッフも全員ヴィーガンではないです」

と言われた時、すごく興味を惹かれました。じゃあ、なんで!? と。

そして、その理由をオーナーさんから教えてもらったら、前から好きだったそのお店が、もっと好きになりました。

そのお店は、中目黒駅から10分、神泉駅から15分ほどのところにあるヴィーガンカフェ「Alaska zwei」(アラスカ ツヴァイ」です。

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=Alaska zwei提供

「Alaska zwei」は、2016年9月に目黒区東山にオープンしました。それまで、同じ場所で9年間営業していたベジカフェ「Alaska」の店舗を、現オーナーで、フードプランナーの大皿彩子さんが前オーナーからそのまま引き継ぎ、新たに、ヴィーガンカフェとして「Alaska zwei」を開いたのです。

=Alaska zwei 提供

=Alaska zwei 提供

「Alaskaの空間が大好きで、よくお店に来ていたんですよね。前オーナーへのリスペクトの気持ちを込めて、名前もそのまま引き継ぎました。zweiは、ドイツ語で数字の“2”。ドイツ語にしたのは、ヴィーガンのお店にしようと思った理由が、ドイツにあるからなんです」

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「ヴィーガンを選んでおけば、だれも嫌な思いをしないじゃん!」

ドイツのベルリンは、フランスのパリと並び、フードプランナーの大皿さんが大好きな街。さまざま国から若者が集まり、移民も多く、多国籍。世界中の人たちが心地よく暮らしている感じがすごく好きなんだそうです。

ある時、フードマーケットの隣のテーブルにいた8人組の男子たちに目が留まったそうです。

「全員体も大きくて、タトゥーも入っていて、タバコも吸って、ベルリンテクノが鳴り響く空間で1杯目からテキーラを飲んでいるようなカッコイイ男子たちなんですけど、食べているものが全員ヴィーガンフードだったんです。

そのうちの一人に『あなたはヴィーガンなんですか?』と聞いたら、『あいつが何か食べられない肉があって、あいつも何か食べられないんだ。だからみんなでヴィーガンを選んでおけば誰も嫌な思いをしないじゃん』って言われて『なるほど』って思ったんです。

お互いの宗教や文化の違いをすべて理解はできていないけれど、どうやら肉や魚は食べられないものが多いらしいから、ヴィーガンにしておけばちょうどいいじゃんって。健康志向のヴィーガンとはちょっと違うので、揚げた野菜にスパイスがたっぷりかかっているなど、パンチの効いた味が多いんですけど、さまざまな人種がいるのが当たり前なベルリンで、そんな風に食べながら楽しく飲んでいるテーブルがすごくいいなって思いました。

=Alaska zwei 提供

=Alaska zwei 提供

10年先、20年先には東京も人種も宗教も関係なく、さまざまな人が住む都市になると思うし、そうなってほしいと思っているので、お店を開くならカルチャーとして根付くお店にしたい、ベルリンで出会ったみたいなヴィーガンのお店をやりたい、って思ったんです」

野菜ファーストだから、その日に届いた野菜を見てメニューを決める

そんな思いを抱いて始めた Alaska zwei がお客さんにしたい人は、ヴィーガンでも、ヴィーガンじゃなくても関係なし。楽しくご飯を食べたり、お酒を飲んだりするのが好きな人であればだれでウエルカムです。

「スタッフにシェフの経験者はいなくて、みんな料理が好きというメンバーです。みんなに言っているのは、『だれが食べても美味しいものを植物性の素材だけで作るプロになろう』ということです。

『何がないからできない、じゃなくて、植物性のものだけで、男の人にも子どもにも『うまい!』と言ってもらえるものを作れるかへの挑戦だよ』と。」

=Alaska zwei提供

=Alaska zwei提供

その日のメニューは、その日に届いた野菜を見て決めています。

「契約している農家さんは小規模農家さんだったり、野菜が自然栽培だったりするので、先週採れた野菜が今週はもう採れなかったりするんですよ。なので、その日に入ってくる野菜を使ってメニューを考えるということを毎日やっています。野菜ファーストです」

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スタッフに授けている、3つの戦術

フードプランナーの仕事もしているので、毎日お店のキッチンに立つことはできない大皿さん。スタッフには、3つの戦術を授けているそうです。

「サッカーでいえば私が監督で、みんなが選手です。みんなには『戦術と戦略は私が作る。試合の勝ち方は私が考えるから、それに沿っていれば自由にプレーしていいよ』と言っています。その戦術は

・男子がワクワクするか。
・「おうちでも食べられる」って思われないか。
・見た目で華やかな気持ちになるか

の3つです。私は、外で食べるご飯はどこかハレのご飯だと思っているので、ワクワクさせないともう1回来てもらえないし、ファンになってもらえないですから」

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=Alaska zwei 提供

 

お店のスタッフは全員企画者!

「Alaska zwei」では、「サンデーマーケット」や「Vegan居酒屋あさちゃん」、「Veganスペインバル」、「サンデーブランチ」など、行ってみたくなるイベントが結構頻繁にあります。

=Alaska zwei 提供

=Alaska zwei 提供

大皿さんは元々広告代理店で働いてたということなので、それでイベント企画が得意なのかと思っていたら、意外な言葉が返ってきました。

「『働いているスタッフは全員企画者だ』と言っていて、企画を要求するんです。だから、イベントにはそれぞれ担当がいます。スタッフ1人1人に、企画を考えてやり尽くす、というのをやって欲しくて、1人1イベント持っているんですよ。

メニューでも、マンスリードリンク担当、季節限定のデザートを考える担当、と役割を作っていて、アイデアを出して形にして、プロとして人気が出るものを作れるか挑戦してもらっています。

=Alaska zwei 提供

=Alaska zwei 提供

じゃないと、みんな外に行った時に活躍できないじゃないですか。スタッフに成長してほしいですし、お客さんにも、何度来てもいろんな顔があると思ってもらえた方が楽しんでもらえるかなと思って。

自分で考え、責任を持ってやることが多いから大変と思うことも多いかもしれないけど、逆に言うとこのお店でしか経験できないことだから面白いと思ってやってほしい、とスタッフには話しています」

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世界中の人に通じる言語を食べ物で見つけたい

ランチタイムのお店の一席で、大皿さんのお話を聞かせてもらっている間も、お店には次々とお客さんがやってきました。平日の昼間、しかも駅からは割と離れている住宅街にあるお店なのに、です。

それぞれ、ゆったりとした時間だったり、友だちとの会話を楽しみながらだったり、思い思いの時間を過ごしていました。近所のおじさんと思われる方の姿も、カウンターに座る姿がとてもしっくりときていたのが印象的でした。

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=Alaska zwei 提供

「広告の仕事をしている時、広告の仕事をずっとやりたいし、やれると思っていました。でも、何が楽しいのかなと考えたら、人がびっくりしたり、喜んでいるのが楽しいんだ、と言うことに気づいたんです。だから、広告じゃなくても、自分が考えたことでみんなの心に変化が起きれば、なんでもいいんだなって。

その時に、何が人の心に届くコンテンツかな、と思った時に考えた3つのうちの一つが、食べ物でした。食べ物なら、言語フリーというか、世界中の誰とでもコミュニケーションができると思ったんです。世界中の人に通じる言語を食べ物で見つけたいと思いました」

=Alaska zwei 提供

=Alaska zwei 提供

 

大皿さんの話には、人の心をグッとつかむ魅力があります。そして、惹き込まれるような素敵な笑顔。すごくいいお話を聞かせてもらうことができた散歩でした。

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お話を聞いた後に頂いた、玄米ランチプレート。「このもっちりふっくら加減は、絶対に家では炊けない!」というレベルのつやっつやの玄米は、ぜひ、白米党の方にも味わってほしいと思います。

「パサつき、ゼロです!」という大皿さんの言葉は、本当ですよ!

出汁や野菜の味を堪能でき、ボリュームも満点、大満足です。

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TAKE AWAY もできますよ!

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【店舗情報】
Alaska zwei
東京都目黒区東山2-5-7
TEL/03-6425-7399
営業時間/11:30〜21:00 水:11:30〜16:00 金:11:30〜22:30
 *不定休(営業情報は店舗SNSをご確認ください)
Facebook @alaskazwei
Instagram @alaska_zwei
twitter  @alaska_zwei

平地紘子(ひらち・ひろこ)

hirachihirokoシブヤ散歩新聞・副編集長。フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi

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