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BEAUTY

渋谷オーガニック散歩No.3  「食べるお灸」は美と健康をサポートする○○だった!

「食べるお灸」と聞いて、みなさんは何を想像しますか?
お灸を食べるから、口からもくもく煙が出ちゃうのかしら? といった妄想をしてしまった私ですが、それは、「お灸」だからこそできる、われわれ日本人が親しんできた食材を原料とした、おいしい○○でした!

時はさかのぼり、昨年の11月某日のこと。「食べるお灸」の謎と開発秘話を探るべく、開発者である栄養士・鍼灸師の富塚さくら先生を訪ね、表参道駅から徒歩数分のグラン治療院東京を訪ねました。ふんわりとした雰囲気をまとった美肌の女性こそが、富塚さくら先生。やはりふんわ~りとした優しい笑顔で迎えてくれました。

そんな富塚先生の姿に、取材の現場でありながらリラックスモードに切り替わってしまった私は、思わず「食べるお灸って、食べたら口から何が出るのかな?って。でもきっと何かあるんですよね?」と直球ストレートに聞いてしまいました。それでも富塚先生、「ふふふ、そうですね~。そう思っちゃいますよね~」と。取材というよりは、ちょっとしたおしゃべりみたいな、和やかな雰囲気でお話しは始まりました。

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さて、みなさんはこれまでお灸や鍼灸の経験はどれくらいあるでしょうか? 時々はあるという声もあれば、まったく経験のない方もいらっしゃるかもしれません。よく、ドラマの昭和時代の再現で、お嫁さんがお姑さんに「お灸をやってちょうだい~」なんていうシーンがありますが、お灸はそれくらい、私たち日本人にとって身近な存在でした。そしてこのお灸の原料が、今回の「食べるお灸」の素材=よもぎを使った漢方スイーツの正体なのです。

実は、私は、お灸の原料=よもぎだとは知りませんでした。「何かの匂いがするから、自然のものを使っているに違いない」という解釈ぐらいだったのです。なので、「え?!素材の一部に、よもぎが入ってるんですか?」という問いに、「一部というか、よもぎです(キッパリ)」という富塚先生からの答えに、椅子から落っこちそうでした。。

富塚先生は、お母さまの実家が先祖代々から続く由緒ある和菓子屋を営んでおり、おじいさまは経営者兼和菓子職人さんでした。いつもよもぎの存在を身近に感じながら育ち、「小さい頃から草餅が大好き」だそうです。富塚先生がまだ鍼灸師の学生だった頃、大切なおじいさまがご病気になられました。その際、病院で「お灸をしてほしい」と頼まれたそうです。

しかし病院では煙を出すお灸をすることは難しく、「マッサージなどをしてあげることが精一杯だった」と当時を振り返ります。そんな時、「お灸の原料であるよもぎを、食と繋げることで何かできるのは」と漠然とした考えがあったそうです。この思いが、今の「食べるお灸」を生みだすきっかけとなったのです。

よもぎはどうして私たちの健康にいいのか、気になりますよね。それは「代表となる成分に、『緑の血液』と呼ばれるクロロフィルが含まれています。クロロフィルは血液をサラサラにさせたり、血管を拡張させる効果があるといわれており、これにより体内の血液の巡りが良くなります。お灸の温熱も、このよもぎの成分のおかげでぽかぽかと温まるんですよ」(富塚先生)。

おそらく現代よりずっと前はよもぎは日本人にとって身近な存在だったのでしょうね。お餅はもちろん、お茶として飲んだり、お風呂でもよもぎを入れるとぽかぽかと温まるのは、こうしたよもぎが持つ成分のおかげ。「食べるお灸」は、こうしたよもぎの成分をおいしく、そして身近に感じてもらうために開発されたもの。

キャッチーな言葉にもひかれますが、そこには和の食文化を大事にする開発者の富塚先生の思いが垣間見えます。「食べるお灸」は、粉末のよもぎ粉と白玉粉に絹ごし豆腐を混ぜて作った「よもぎ餅」に小豆で作ったぜんざいとして紹介されていますが、よもぎ餅をスープに入れて夕飯の一品にしたり、応用ではよもぎクリーム、ホットヨーグルトによもぎ粉を入れてもおいしくいただけるそうです。普段慣れていないと、アイデアを練るのはちょっと難しいかもしれませんが、少しずつよもぎを身近に取り入れたい、そんな気持ちにさせられるのでした。

食べるお灸(おしるこ)

鍼灸の施術+「食べるお灸」でヨモギを食す!

素朴な質問として、「食べるお灸」はどこで食べれるの? ということ。はじまりは2016年12月26日~2017年1月31日までグラン治療院東京で『ぽかぽか美容鍼灸コース』として、鍼灸の施術を受けた後によもぎぜんざいをいただける、というコースから始まったそうです。

その後、2017年10月に、雑穀クリエイターの持田怜美さん監修のもと、自然食品専門店である長寿の里が開発した雑穀ブレンド「デトッ穀」とコラボしたイベント、『”食べるお灸×デトッ穀”コラボスイーツの試食』を渋谷の地下通路あるお店で行いました。無料で「腸診断」や「お灸体験」も行い、盛況のうちに終わったそうです。

そのイベントの中で、「お灸を受けたことで、鍼灸に興味を持ってくれたお客様がいて、私が施術するグラン治療院横浜に来てくれました。今までは、鍼灸には興味はあったけれど受ける機会がなかったそうですが、このイベントを通して鍼灸に興味を持っていただいた。施術後は『体がとても楽になり、鍼灸が好きになった』と言っていただき、次の予約も取っていかれました」と嬉しそうに富塚先生は話してくれました。

こうした、鍼灸を試してみたいけれど、なかなか一歩が踏み出せない人に「『食べるお灸』を通して鍼灸をもっと身近に感じてもらえれると嬉しい」とのこと。

または鍼灸は知っていても、よもぎの持つ力を知らなかった人が、和のハーブであるよもぎの良さを知ってもらえる機会になるかもしれません。実は私も、長女の出産の際、逆子治療で鍼灸を経験しました。おかげで無事に逆子は治りましたが、その後は鍼灸はほぼご無沙汰に。体のメンテナンスを意識した健康維持・美容法の選択肢として、東洋医学の智慧や技術を頼ってもいいのかな、と再び鍼灸に興味を持ちました。

その後2017年12月1日~31日の期間限定で、横浜市港南区のドッグカフェ「Ange Dog Cafe」にて、『”食べるお灸×デトッ穀”』のコラボ第2弾が行われました。「よもぎのシフォンケーキ」、「米粉のもちもちクレープ」、「よもぎ香るブランマンジェ」など、どれも原料のよもぎを使った、ヘルシーな“漢方スイーツ”ばかり(http://www.biyoshinkyu.net/moxaeatevent/)。

今後も、「食べるお灸」の発想から生まれた漢方スイーツを展開していきたいと話す富塚先生。よもぎを使ってどんな漢方スイーツを提供してくれるのか、今後も期待できそうです。

よもぎを使った「食べるお灸」レシピ

「食べるお灸は、当院のキャンペーンやイベントで食べに来てもらうのはもちろんですが、おうちでも簡単に作れますよ」というお言葉に甘えて、レシピを教えていただきました。すでにこちら「シブヤ散歩新聞」でも動画にて紹介されていますが、おさらいとして、お聞きしました。

(よもぎ餅のレシピ 30個分)

<材料>よもぎ粉20g、白玉粉60g、絹ごし豆腐1/2丁 市販のおしるこの元
<作り方>

①よもぎ粉を水に加えて戻しておく
②よもぎ粉を軽く押さえて水を切り、白玉粉と豆腐を混ぜて練る
③②が耳たぶ程度の軟らかさになったら、一口大に丸め、沸騰したお湯に入れる
④③が浮き上がってきてからさらに2、3分茹で、冷水に取る
⑤市販のおしること混ぜたら、完成!

食べるお灸 材料

よもぎ粉はインターネットで購入できますし、一部のスーパーでも取り扱いがあるようです。おしるこは、小豆を茹でて自分で作れば、さらにヘルシーな手作り漢方スイーツになりそうですね。私には小学生になる娘二人がいますが、3食の食事には気を使いつつ、おやつは市販のものばかり。今回のお話しで、材料を用意して少し時間さえ作れば、添加物のないヘルシーな和のおやつを作り、子供たちによもぎの良さを伝えていきたいと思うのでした。

グラン治療院東京では、漢方スイーツのほか、店内のカウンター内にて漢方薬店「くすりやさん」を併設しています。セルフスタイルで漢方茶を飲んだり、おおばこ茶やかきの葉茶といった”和のハーブ”を購入できます。鍼灸に訪れた際に、施術だけでなく、「飲む、食べる」ことでも東洋医学を知って、健康になり、笑顔になる。そんなサービスや真心を感じるのでした。今後も富塚先生開発の「食べるお灸」のコラボ企画をはじめとした、グラン治療院さんの画期的なサービスが楽しみです。

グラン治療院HP http://www.biyoshinkyu.net/tokyo/

小澤由美子(おざわ・ゆみこ)

takライター/アロマテラピーアドバイザー/ハーバルセラピスト。産後の体調リカバリーに始めたアロマテラピーで心と体が元気になった経験から、アロマ、ハーブにどハマりし、育児傍ら資格を取得。家族が呆れるほどの精油(アロマ)とハーブを保有し、日々、生活の役に立てている。都会に弱い神奈川っ子ながら、渋谷界隈はなぜか迷子になりにくい。アロマ・ハーブにかぎらず、元気と癒しまんさいの情報をこれからお届けします。

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