「渋谷カレー散歩」といえば先月、カレー王子こと咖哩王子がスタートしたばかりの新企画ですが、
いきなりジャックしちゃいます。(咖哩王子、ごめんなさーい!)
しかも今回は、ついに界外編集長まで登場〜!
さて、界外編集長と一緒に向かったのは、恵比寿駅すぐのビルにある「あしたの箱」。
「あしたの箱」って、なんだかワクワクや明日への元気が詰まってそうな、
大人の宝箱のようなイメージ。
行ってみたいと思いつつ、うっかりしているといつもFB を見て「しまったっ!」
30食限定なので、13時をまたずに完売してしまうことがしばしばなのです。
「今日こそは!」と気合を入れて、早めにお店に向かいましたよっ!
お店は、ビルの奥まったところにあるので、界外編集長がまるで行きつけのお店かのようにご案内(笑)。
もうこの辺りまで、スパイスのい〜い香りが漂ってきます。
入り口にある潜水艦の窓のようなのぞき穴?が気になる編集長。
もちろん、のぞきます(笑)
もっと、近づいてのぞきます。
おお、にぎわってる!
しかも、なんだか楽しそうないい雰囲気♪
では、入ります。
カウンターの中で、笑顔で迎えてくれたのはオーナーの松平映子さん。
やさしい関西弁とゆったりした雰囲気が、忙しい仕事のバタバタを引きずりながらランチに出てきた人たちの心をふっとゆるめてくれる感じがします。
癒しのオーナーですね。
メニューは1品、チキンカレー!
テーブルのフライヤーひとつを見ても、オーナーの松平さんがとても丁寧な作業をする方で、
このお店とカレーにたくさんの思いを込めているんだなあ、ということがしみじみと分かります。
モチーフのシカや、挿し絵も、オーナーの手描きなんです!
界外編集長と、「雰囲気いいね〜」「ここ、夜はBARなんだね」「満席になっちゃった」「人気だね」
「お客さんを送り出す時は、『いってらっしゃ〜い』なんだね」
なんていちいち感想を言い合う、カレーを待つ時間。
まずは、たまねぎのスライスがふた盛り運ばれてきました。
左が甘酢たまねぎ、右は水にさらしただけの生の玉ねぎ。
なんでもインドやスリランカでは、生玉ねぎを丸ごと手にもって、かぶりつきながらカレーを食べる人もいるとか。
「初めて見た時はすっごく衝撃的でしたよ(笑)。でも、玉ねぎとカレーってすっごく合うの。
チキンがメインなので、それだけだとちょっと重たくなるかな、と思うんだけど、
玉ねぎを一緒に食べると、胃が楽になる気がするの。
たくさん食べてもらって、健康になってほしいなって」(松平オーナー)
その心づかいがまた、嬉しいなあ。
そしていよいよ、カレーが運ばれてきました!

スプーンを手に、カレーを見つめる界外編集長。
「この、ごはんの佇まいの良さ!」
もはや、うっとりしています。
まるで、満月のように盛られたターメリックライス。振りかけられたスパイスも、気持ちを高めてくれます。

さあ、では、いただきましょう!

「めちゃくちゃおいしい!あ〜、おいしいわ〜!!」
界外編集長が、感嘆の声を漏らしました!!
すっごくサラリとしているのに、ふんだんに使われたスパイスが味に深みを与えてくれていて、パクパクいけちゃう美味しさです!
では、玉ねぎを加えてみます。私にとって、初めての食べ方!
甘酸っぱさとシャキシャキの食感、カレーに合う!
しかも、さらにヘルシーさがUP〜。
生玉ねぎは、玉ねぎ独特の辛味と水々しさが、クセになる組み合わせ!
(書きながらも、唾液がじゅるり)
界外編集長じゃないですが、あ〜〜〜、美味しい!
あっという間に完食です!
食べている間はあんまり気づいていなかったけれど、実は結構スパイシー。
汗がじわっーっとにじんでいることに気づきました。
ふふっ。やっぱりカレーはこれだよね!
そんな火照った体に、食後の豆乳チャイ。
これ、めちゃくちゃ美味しいです。
濃厚なのに、すごくサッパリしているし、豆乳だから重くない。
これで50円って、安すぎます!
クオリティが高いのにお値段が良心的すぎるから、「もっと高くでもいいです!」と言ってしまいました。
まだオープンして1年ちょっとなのに、「dancyu」をはじめ複数の雑誌で取り上げられている人気店。
でも、オーナーの松平さんはカレー店で修行を重ねてきたわけでも、インドやスリランカで作り方を学んできたわけでもありません。実はカレーによってなんとか生きてこられた、支えてもらった時期があっての、この、思いが詰まったカレーなのです。
「大学生の時、大阪の『タンダーパニー』というカレーのお店で、アルバイトを始めたんです。カレーが大好き!というわけでは全然なかったんですけどね。
お店にいると、スパイスの香りに誘われていろんな人、それもちょっと変わった人が(笑)たくさん集まってくる。そのお客さんたちとカウンター越しにいろんなお話をしながら、カレーを食べて幸せな気分になっていく人たちの顔を毎日見ていました。
実はそのころ、はじめての挫折というかいろんなことがあって、ちょっとしんどい時期だったんです。どこにも自分の居場所がないような感じというか。
でも、カレーのお店でバイトをしているうちに、いつの間にかそこが自分にとって大切な居場所になりました。一時期、人と顔を合わせて話すことができなくなった時期もあったんですが、その時でさえ、お店ではカウンター越しにお客様と普通にお話することができたんです。
カレーが私を支えてくれたというか、あそこでの時間があったから自分を保つことができたというか。
だから今も、せっかくカレーを食べに来てくれるんだったら、心まで軽くしてあげることは難しいかもしれないけれど、体くらいは軽くしてあげたいと思って作っています。
食べた後で、体がしんどくなったり、罪悪感が残る食事は出したくないなって」
7年のアルバイトの後は、デザイン関係の仕事を経て、結婚と3度の出産。カレーからは離れていましたが、ふっと思い出したそうです。
「そうだ、私、カレーを作りたかったんだ」
そこから、自身のカレーの原点となった大阪のカレーを思い出しながら改良を重ね、少しずつ、自分の描くカレーへと近づけていきました。それが、「あしたの箱」のチキンカレーです。

「あしたの箱」という店名は、あるビルの名前からとったそうです。
「大阪の心斎橋に、大好きでずっと通っていたチャイのお店があったんです。こういうお店ができたらいいなって。
去年、お店を出すことになった時に、スタッフのまさみちゃん(写真右)にその話をしたら、『そのお店、私も知ってる! いつも行ってた!』って盛り上がって。
そのお店が入っていたビルの名前が、あしたの箱ビル、だったんです。
あしたの箱って、なんかいいことありそうな名前じゃないですか」

いろんな思い、優しさが詰まった、「あしたの箱」。
一度食べに行ったら、何度も足を運ぶ人がいるのがうなずけます。
そして今日も、早々と売り切れ。
30人のお腹と心を、いっぱい満たしてくれました。
午後の仕事も、そしてあしたも、ガンバろう!楽しもう!
そんな気持ちになったのは、私や界外編集長だけではないはず。
お店の入り口は、サーフボードと木の看板が目印。
恵比寿駅西口すぐ、マクドナルドとマツモトキヨシの向かい側です。
界外編集長がすっかり気に入ってしまったので、
私たちはこれからしょっちゅう、ここに出没することになりそう。
見つけたら、ぜひお声かけを〜!
【店舗情報】
「あしたの箱」
東京都渋谷区恵比寿1-8-7 三恵エイトビル1階
営業日時:火〜金(祝日はお休み)
定休日:月・土日祝
11:30~14:30(売り切れ次第終了)
FB:https://www.facebook.com/curryashitanohako/
平地紘子(ひらち・ひろこ)
フリーライター/ヨガインストラクター。10年以上お堅い新聞記者だったのに、3年間のアメリカ生活でヨガインストラクターに転身。でもやっぱり、書くのも好き。かなり色黒なので「サーファー?」と聞かれるけれど、見かけ倒し。スッピンのまま自転車で中目黒界隈を駆け抜けているだけです。ヨガウェアで魅せる筋肉美が最近のプチ自慢。フィットネスやマッサージなど、体にいい情報をお伝えします!
yoga teacher HiRoko HiRachi