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HEALTH

渋谷朝な朝な散歩 No.10 もりもりの緑と公園の役割

一年で一番太陽に照らされる時間が長い日、夏至。代々木公園を歩いてきました。梅雨入りから一週間とあって、代々木公園の木々もたっぷりの水をたたえた雄々しい姿で束の間の晴れ間を楽しんでいるようです。

原宿駅側から公園に入り少し歩くと、歩道脇の木がカサコソ揺れていました。
「ねえ、フウフてなにか知ってる?」
「え?」
「フウフ!」
「あー知ってるよ、フクロウのアレでしょ!フーフーって鳴くよね〜」
聞こえてきた会話に思わず笑ってしまいました。よく見ると、木に子どもたちが鈴なりに。低い木の枝で5~6人の子どもが井戸端会議ならぬ木の上会議をしていたのでした。蒸し暑い梅雨ですが、木の下はとても涼しそう。わたしも歩道を離れて木陰を散策してみることにしました。

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国土緑化運動で整備された代々木公園

しばらく歩を進めると、そこには「国土緑化運動」の石碑がありました。国土緑化運動・・・と読んではみたものの、それが一体いつ始まって、どのように続いているのか(あるいは続いていないのか)、何も思い浮かびませんでした。代々木公園のこの石碑も、何度も通っているはずなのにあまり記憶にありません。調べてみると、戦後の植樹活動から始まった文字どおり「国土に緑を」という官民一体型の運動であるようでした。

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2011年からは「公益社団法人 国土緑化推進機構」が発足し、各都道府県で同様の活動を行う公益社団法人とともに、様々な活動が行われているようです。石碑は1968年(昭和43年)、オリンピックの選手村跡地だった代々木公園周辺の敷地を、国土緑化運動の一環として整備する際に建立された、という沿革を読んで、ふと、昨今のオリンピックの話題が頭をよぎりました。

代々木公園は現在、中心にある広場を閉鎖しています。先日中止が決まったオリンピック開催時のパブリックビューイングの予定地であったことと、7月のワクチン大規模接種会場として使用される予定であるから、という理由です。広い土地、豊かな緑、都会とは思えない広大なこの代々木公園には様々な使用用途があるのだなあ・・・と思いました。

貯水池として、国際交流の場として、子どもの育ちの場として

公園の役割に想いを馳せながら歩いていると、様々な看板が目に入ってきました。まずは、代々木公園の地下に設えられた、貯水池について。大きな樹木の多い公園の土の下に、貯水施設があるなんて。調べてみると、世田谷区の砧公園にも同じような仕組みの貯水池があるのだとか。周辺をビルや住宅地に囲まれた都会だからこそ、広い公園の役割の一つとして災害対策が盛り込まれているのでしょう。

この貯水池の看板の近くには、災害時の給水場所としての役割を説明した看板も設置されていました。大規模な災害が起こった際、代々木公園は避難場所であると同時に給水・救護場所としても活用できるよう設備が整えられているようです(渋谷区避難場所一覧はこちら)。
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冒頭の国土緑化運動の石碑の近くには、蛇のような龍のような不思議な石像も鎮座していました。公益財団法人 東京都公園協会のサイトによると、これは、1990年11月に日本国とメキシコ合衆国の友好親善のシンボルとして、メキシコ合衆国から東京都に贈られたものだそうです。「ケツァルコアトル」という名のこの石像は、アステカ神話の文化神・農耕神を模していて、その名前は「羽毛のある蛇」という意味なのだそうです。日本の子どもたちが、アステカ文明の神の石像で遊んでいる・・・なんだか少し不思議な気持ちになりました。博物館や美術館のように学術的に文化を扱う場所ではなく、公園という日常の景色の中でも、こうやってひとつの石像から地球の裏側を思い浮かべるような文化的な交流ができるのだなあ、と思いました。
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帰りがけに、公園の入り口付近に子どもたちが管理している花壇を見つけました。看板にある「まちのこども園」は、代々木公園内にある保育施設の名称です。花壇の中には小さな苗。土はところどころ湿っていて、少し前に水やりをした形跡がありました。保育施設の不足が話題になって久しいですが、こうして社会に開かれた都立公園の中に保育園があることは、子どもたちと社会との接点を増やすことに繋がり、少子化の中での子どもの存在意義を改めて考え直すきっかけにもなるのではないかと思います。子どもたちも、彼らの育てる苗も、すくすく大きくなりますように。
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夏でも涼しい木陰散歩、おすすめです!

今回の散歩は、公園の敷地の半分以上が立ち入り禁止となっていたことで長い距離を歩くような散歩にはなりませんでした。ですが、そのおかげで看板に注目したり石碑や石像の由来を調べたり、代々木公園の歴史や役割について様々思いを馳せることができました。

梅雨の晴れ間の蒸し暑い気候でしたが、木陰には涼しい風が流れていて、マスクをしていても息苦しくない散歩ができました。熱中症が心配な季節、運動不足を解消するには朝や夕方の木陰散歩は最適です。水分補給をしながら木漏れ日を楽しんでみませんか。

 

 

得原藍(えはら・あい)
aiehara理学療法士/一般社団法人 School of Movement ディレクター。
子育てしながら運動科学の専門家として、身体と環境と生活の関係を考える日々を送る。
たのしいマイニチのために人生編集中。
TEXT aiehara’s web

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