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渋谷オーガニック散歩No.5 「マタニティと産後をハッピーな気持ちにさせたい」 マタニティ専門アロマサロン「はなみらん」須田花香さんインタビュー

 

自分の、もしくはパートナーの体に赤ちゃんがやってきた! その喜びや興奮とともに、初めてのお産や育児に対して、不安やドキドキもあるはず…。今回は、「妊娠、出産は誰もが経験できることではない。だからこそ、その奇跡的なひと時が少しでも幸せになるようにお手伝いをしたい」と熱く語ってくれる、マタニティ専門アロマセラピーサロン「はなみらん」の須田花香さんにインタビューしました。

「手に職を」とセラピストに転向 親友の妊娠を機に、マタニティ専門の道へ

時はリーマンショックといわれる日本経済がまだまだ揺れ動く時代。当時出版社勤務だった花香さんに、大きな転機が訪れます。

「一部上場の企業の契約社員として働いていて、そんな経済の余波が来るとは思っていなかった。でも、私の同僚がクビになってしまったのがショックで。次は自分かも…とビクビクしていないで、何か手に職を!と考えたのです。いろいろリサーチする中で、香りのするものが好きなことや将来性を考えて、セラピストの道に進もう、と決めました」。

出版社に勤めながらアロマセラピーの学校に通い、見事IFA認定セラピストの資格を取得した花香さん。出版社に勤めながら、週末はセラピストの仕事、と二足のわらじを履きこなしていましたが、さすがに忙しい出版業界とセラピストとの両立はヘトヘトだったとか。このころ、花香さんにとって第二の転機が訪れます。

「親しくしている友人に赤ちゃんができて。でも彼女は、週数が進むにしたがって腰痛みやむくみで悩んでいました。それまで通っていた整体院は妊婦さんお断りだったので、手当てはしてもらえない。その時『なんで、目の前にツラさを抱えている人がいるのに、助けてもらえるところがないのだろう。だったら、私が妊婦さんをケアできるセラピストになろう!』」と。

決意したら行動も早い花香さんは、卒業したアロマスクールのマタニティワンデイコースに通ったり、お母さんの産後の体のケアや育児サポートをする「産後ドゥーラ」について学んだり、ととにかく自分にできることをどんどんと吸収していきます。「マタニティ専門にすると決めてからは、どんな情報も、『これ、妊婦さんケアに役立つかも』と頭の中はマタニティと産後ケアのことでいっぱいでした」と語ります。

開業までは、高級旅館や会員制ホテルなどさまざまなサロンでセラピストとして活動。そのなかのひとつ、宿泊施設併設のサロンでは当時はなかったマタニティコースを新規に導入するなど、時に周囲を巻き込みながら、妊婦さん対応サロンを実現していきます。そして、ついに2015年6月、マタニティ専門アロマセラピーサロン「はなみらん」をオープン。

花香さんに大きな影響を与えてくれた友人は、妊婦当時はマタニティケアをできなかったそうですが、そのときの赤ちゃんを無事に出産。5歳に成長したお子さんを連れて、花香さんの開業にむけてクライアントのモデル役を務めてくれたそうです。

妊婦さんにはとにかく安心して、気持ちよく過ごしてほしい

「はなみらん」は都内マンションの一室で、妊産婦さんや産後のお母さんに対してのみ施術を行います。いただいた名刺も、「妊活中・妊娠中・産後のあなた」と書かれています。なぜ、「マタニティ・産後ケア」にこだわるのか。その理由は「とにかく妊婦さんに安心してほしいから」とキッパリ。マッサージを施すベッドはリクライニングになっているので、仰向けの時はおなかがツラくないように配慮(写真a)しています。

DSC_0321(写真a)

DSC_0297ベッドに上る時の踏み台(写真b)

DSC_0295お腹が大きくなっても安心のうつぶせ可能なクッション(写真c)

DSC_0326母乳育児でおっぱいが張るお母さんのための、胸をつぶさないようにするおっぱいクッション(写真d)

などなど…。妊娠と出産を2回経験した私ですが、「へ~そうか…。そうだった!」と記憶を取り戻すのが大変なほど、そういえば妊娠中と産後にあったら嬉しいよね、という細やかな配慮とグッズが盛りだくさんです。(写真d)の「おっぱい楽ちんクッション」の下は、母乳を受け止めてくれる母乳パッドも準備してくれています。とにかく、汚そうと、よだれを垂らそうと(笑)と、花香さんが受け止め、よだれを拭いてくれるそうです。では遠慮なく。気持ちいいと、よだれ出ますよね(笑)。

ちなみに、(写真c)の「お腹が大きい妊婦さんでも安心うつぶせクッション」を、取材に同行したシブヤ散歩新聞の界外編集長に体験していただきました。その写真がこちら。

DSC_0288

笑顔です! 笑顔なんです(笑) 思わず、にこにこしてしまうほどの安心感。妊娠後期になると、寝るときはほぼ横向き。寝返りを打つのも大変ですし、ましてやお腹の赤ちゃんがいる大きなお腹を下にして眠ることなど到底できません。

「このクッションを使うと、妊婦さんに体位を変えてもらう回数が減るので、マッサージに集中してもらえるんです。通常は妊婦さんは、横向きで寝てもらってマッサージをするのですが、体位を変えてもらう度に、とろとろリラックスしているのが途切れてしまう。『久しぶりに下向きで寝れた~』という喜びも聞きますよ」。

少し遠い記憶の中に、我が子を自分のおなかの中で育てながら、うつぶせで寝れない、仰向けもおなかが攣る、横向きばかりだった頃を思い出します。いろいろな小さな我慢を思い出しながら、「妊婦さんって大変だな~」としみじみと実感しました。

「妊娠って赤ちゃんを自分の中で育みながら、きっといろんな小さな我慢をしている。育児でも、自分の時間を犠牲にして、赤ちゃんを育てることにいっぱいになっていることもあるはず。だからここでは、そんな小さい我慢もなにもせずに、ただ、ただリラックスしてほしいんです」

妊娠中のツラさや悩みだけでなく、産後にマッサージを受けにくるお母さんからはときに、「お姑さんと気が合わなくて…」といった育児×人生悩みあるあるの愚痴を聞くことも。そんなときも、やはり「頑張っているお母さんの気持ちを否定しない」ことが大切だといいます。

花香さんの妊婦さんや産後のお母さんに対する熱い気持ちに、思わず、妊婦や子供が幼かったころの育児大変時代を思い出して、ちょっぴり泣いてしまいました。「我慢しなくていい」。妊婦時代や産後に、そんな風に思ってくれる人や場所がいたら、どんなに幸せなんでしょう!

気持ちや体のツラさを理解したアロマを選んで、マッサージしてくれる

さて、妊婦さんや産後のお母さんの悩みに対して、どんな精油を使ったりケアをしてくれるのか、気になります。

「妊婦さんの悩みで多い例を挙げるとむくみですね。精油はジュニパーやグレープフルーツ、サロンでよく使うのはブラックスプルースかな」と、次々と説明をしてくれます。よく知っている精油もあれば、初めて聞くものもあり。

DSC_0312

ここで、精油選びで気を付けていることを教えてくれました。「単純に、むくみがあるからといって、ひとつの精油を選んでも、それに起こる相乗効果を考えなければいけない。例えば、ジュニパーは血液循環に優れている一方で、尿の回数を増やします。排泄物を出すという観点では優れているけれど、頻尿に悩む妊婦さんには合わないこともあります」。

そのため、むくみのツラさはどれくらいかを聞き、症状によって、その人に合わせた精油を選び、

「むくみ自体は、マッサージそのものでもケアできる。だから、むくみがどれくらい強いか、または気になるか」で判断するそう。

また、精油の効能に期待するのではなく、妊婦さんがその香りを好きかどうかも大切。症状と好みに応じて、これまで培った経験や知識、感覚も手伝ってマッサージオイルをブレンドされているとのこと。

妊婦さんをケアしながら、専門家としての立場もしっかりしている花香さん。

「アロマはブームになったからこそ、妊婦さんに禁忌と言われる情報が出たりしています。実際、そういった精油は置いてもいないし、使わない。でも、なかにはいろいろ熱心に勉強をされていて、この精油は妊娠中はだめなんですよね?という意見も聞きます。だから、そういった言葉が妊婦さんから聞かれたら、絶対に使いませんね。というのは、それが体に悪いという根拠はほとんどなくても、その人の不安を一層するのがセラピストの仕事だから。せっかく来てくれたのだから、心地が良くて、安心して使える精油で、リラックスしてもらうことが一番」といいます。

妊娠と出産。大切な時期を幸せに過ごしてもらうお手伝いをしていきたい

「妊娠や出産は誰もが経験するものと思われた時代から、今は、シングルだったり、子供を持てなかったり、あえて持たない選択をするなど、人生の選択の道はたくさんですよね。だからこそ、妊娠する、無事赤ちゃんを産めるということは、すごく素晴らしいこと。その貴重な時間を、少しでも幸せだと思って過ごしてもらいたいし、私はこれからもそのお手伝いをしていきたい」と熱く語る花香さん。

その思いは、友人の妊娠をきっかけに始まり、最近では都内産科病棟のマッサージの仕事を経て、死産を経験する方とも接することがあってから、強くなったといいます。

「妊娠することも奇跡。そして、必ずしも赤ちゃんが無事に生まれるわけではないかもしれない」。

だからこそ、妊娠中にケアした妊婦さんから、「無事に生まれました!」という報告を聞くと、「ほっとします」と声のトーンがすとん、と落ちるように、表情もそのシーンを思い出しほころびます。

DSC_0372

「妊娠期と産後ケアとなると、期間は限られているから、会えないときがあると、あの人どうしてるかな、とさみしくなることも。でも先日も、旦那さんと赤ちゃんを連れてうちに来てくれて、旦那様と赤ちゃんはその後はお散歩に。お母さんはマッサージをしました。『やった!家族制覇した (笑)』」って嬉しくて」。

制覇って…(笑)。実はインタビューの中で、こうした花香さんの表現に何度も爆笑してしまうシーンがありました。私はインタビュアーだったので、真剣ですが、時に界外編集長との愉快な掛け合いがあり、ニヤニヤしたり、時に熱い語りに泣いたりの時間でした。

「出産前に知っておくべきこと」を学んで、出産と産後を夫婦で乗り越える力を

そんなおもしろくて行動的な花香さんの講座のご案内です。取材時は「陣痛乗り越え講座」。その後、界外編集長の意見も加わり(編集長と花香さんはお友達なんです)、現在は「妊娠30週になったら知っておきたい!陣痛の不安から解放され、快適な出産ができる教室」という名前の講座が、4月に予定されています。

「出産が怖いのは、実は知らないことが多いからというのもある。特に陣痛に関しては、波があるでしょう。痛いのがずっと続くのではないよ、というのをちょっとわかりやすく表現しています。例えば、陣痛の長さは『カップラーメンも作れないくらい!』」

確かに3分間も続く陣痛はなかったなぁと思い出します。カップラーメン…(笑)。花香さんの表現はおもしろい。確かにこれを想像しておけば、気持ちが楽になりそうです。他にもたくさん教えてもらいましたが、あとは講座に参加してのお楽しみ。

また、講座の最終日には、「夫婦で乗り越える出産と出産後のパートナーがすべきこと、すべきでないこと」も予定しています。「産後は赤ちゃんが生まれてほっとして、気持ちが日常に戻ってしまう。でもお母さんは産後に起こる体の変化や、これから始まる育児にすでに直面している。そんな時だからこそ、パートナーはそばにいてあげてほしい」。

時に熱く、感情や本音を躊躇なく表現してくれる花香さん。その真っ直ぐな姿勢は、どんな妊婦さん・産後のお母さんも癒したり、元気づけてくれると確信できるパワーを感じました。

妊娠は女の体で起きることだけれど、その後の出産も育児も、実はセラピストさん、パートナーを含めた家族や友達、医療従事者が目を向けてくれれば、不安なんてどんどん小さくなる。マタニティも出産も、子供が自立するまでの育児も、本当はみんなで参加する方が楽しいし、人生も豊かになる。堂々と妊婦だって新米ママだって甘えていい、楽になっていい。そんないろいろなメッセージが、花香さんとのお話しの中で見えてきました。今後も、「はなみらん」須田花香さんの活動(と会話)が、楽しみです。

【プロフィール】

須田花香。すだはなか。IFAアロマセラピスト。産後ドゥーラ。出版社勤務を経て、時代の波に押されるがごとくセラピストの道へ。マタニティ・産後ケアを専門にすることを心に誓い、宿泊施設併設サロンではマタニティコース導入を手掛ける。サロン退職後「はなみらん」を開業。妊産婦と産後の女性の癒しと元気を与える活動を続けている。会陰マッサージ講座などの妊産婦に役立つ講座も開催。妊婦から産後ママ、健康に気を使う女性がおいしく飲めるオリジナルハーブティーのプロデュースも。http://maternityaroma-hanamillan.com/

小澤由美子(おざわ・ゆみこ)

takライター/アロマテラピーアドバイザー/ハーバルセラピスト。産後の体調リカバリーに始めたアロマテラピーで心と体が元気になった経験から、アロマ、ハーブにどハマりし、育児傍ら資格を取得。家族が呆れるほどの精油(アロマ)とハーブを保有し、日々、生活の役に立てている。都会に弱い神奈川っ子ながら、渋谷界隈はなぜか迷子になりにくい。アロマ・ハーブにかぎらず、元気と癒しまんさいの情報をこれからお届けします。

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